エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて -7ページ目

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『11人もいる!』最終回。


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真田合唱団の「家族なんです」に思わずウルウルと……。


最高のハートフルコメディ~~超面白いドラマでした!


それにしても加藤君の「僕はもう童貞じゃないんだ!」の台詞には笑えた(^^;


そして二子役の有村架純はメチャ可愛かったですね~!

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『魔法少女を忘れない』


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【出演】
高橋龍輝、谷内里早、森田涼花、碓井将大、前田亜季、佐藤恵美香、岸本麻、伴大介


【監督】
堀禎一




“僕たちだけの、約束”




ある日、突然やってきた妹、みらいと共に過ごすようになって半年。
悠也が妹について知っているのはたった1つ……みらいが昔、‘魔法少女’だったことだけ……。


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ある日突然、母親から妹を紹介された高校生・北岡悠也。


彼女の名はみらい、元魔法少女。


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魔法少女は生まれたときからひとりぼっち。


父はおらず、母も仕事で家を空けがちだったため、悠也はぎこちないながらもみらいとのふたりきりの生活を始める。


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一緒に朝食をとり、自転車で登校し、夜になれば同じ家に帰る。


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一見どこにでもいる兄妹のように見えるが、自分の知らない世界を生きてきた少女に、兄として向き合うことへの戸惑いを感じる悠也。


こんな奇妙な事情を知っているのは、古本屋でバイトする幼なじみの佐々木千花くらい。

それでもミュージシャンを目指す親友の小田直樹や合コンで失敗続きの担任教師、秋村希美らとも仲良くなったみらいは、高校生活を存分に楽しむ。


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みんなと撮ったプリクラ、ダンスのレッスン、はじめての海水浴……。


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ありきたりとは言えささやかな喜びに満ちた日々。


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やがて悠也のみらいに対する感情は、次第に特別なものへと変わっていく。


しかし穏やかな幸せは長く続かなかった。


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人々の記憶からみらいが消えていってしまうことに気づいた悠也は、なんとしてでも彼女を忘れないように全力をあげるのだが……。


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みんなの記憶から少しずつ消え去る運命にある元魔法少女を、必死に胸に刻み付けて忘れまいとする仲間たちの奮闘を描く青春ファンタジー。



女子高生がヒロインの青春ファンタジー系映画ということで『時をかける少女』や『ねらわれた学園』的な雰囲気もあるのかな?……と期待して観たところ……う~~ん、かなり微妙な……。


主人公のみらいは元魔法少女なので、当然ながら魔法なんか使いません……というか使えない、全くフツーの女の子。

でも元魔法少女は、いつかは人の記憶から消え去る運命にある。

2度とは戻ってこないあの頃の日々。
いつまでも胸に秘め続ける熱く切ない想い。
誰にでも経験のあるかけがえのない季節。

これはファンタジーの名を借りた青春映画の王道を行くような内容だ。

そして腹違いの兄と妹。
この設定は日活ロマンポルノ等で散々作られてきた(『ピンクのカーテン』とか)エロ映画の王道でもある?!あせるあせる


「はじめまして、お兄ちゃん」
と挨拶する時のみらいが妙にエロい。←こう感じてしまう自分もどうかと思うけど(笑)。

もちろん、この映画での兄妹はお互い惹かれあいながらも、プラトニックな関係は保っています。(ただ別れの際にソフトなキス&抱擁はしっかりとする)


ところで魔法少女はなぜみんなの記憶から消え去ってしまうのか?
これは「昔からそういうもの」としか説明されないんだけれど、そういうものなのか?!


この記憶が消え去る件りは、かなり切ない。(唐突に訪れるのだ)

これまで仲良くしていたクラスメイトたちが、みらいの顔を見てもポカーン。

「私、みらいだよ!」
「?????」

慕っていた先生も、
「どうしても思い出せない……ごめんなさい」

やがては、一番の親友の千花や、みらいに片思いをしている小田までもが忘れてしまう。

そして遂には、みらいは悠也の前から姿を消してしまい……。


しかし、物語は胸キュン的なラストが待ち受けている。
みらいに関する記憶をなくし、他校へ転校した悠也が……学校の階段でショートカットの女の子とすれ違う。
この女の子こそ、みらいである。

悠也とみらいはすれ違い様にぶつかってしまい、
「あ、ごめんなさい」
と悠也は気付かずに去って行く。
(最愛の人の記憶をなくした主人公がすれ違い様にその人とぶつかるというのは、83年版『時をかける少女』の和子と深町の再会シーンを彷彿とさせるものが)

悠也の後ろ姿を淋しく見つめるみらい。
とその瞬間、悠也の脳裡にみらいの記憶が蘇り……
「みらい!」
「お兄ちゃん!」

ここでみらいの笑顔のストップモーションでエンディングとなる。


でもどうも全体的なノリが少女漫画風で、イマイチ感情移入ができずに終わってしまった感も。

特に兄妹のふれあいのシーンが、観ているこっちの方がこっ恥ずかしくなるような雰囲気もありで……。

「お兄ちゃん」
「みらい」
このやり取りが何度も出てくるんだけど、どうもむず痒いあせるあせる


あとメガネっ子の千花の台詞回しも違和感バリバリ。
悠也を「貴様」、叔父さんを「叔父殿」と呼ぶなど、なんでかずっと時代劇口調なのだ。
これには理由があって、子供の頃に時代劇の真似で喋ったら悠也が喜んでくれたので、それ以来その口調を続けている……ってことらしい……て、何だよ、それ(笑)。

口調といえば、みらいも登場した時はやたら丁寧語を使っていたのに、途中からいきなり普通口調になってました。
魔法少女から普通の少女への変化を表したのか?


それからプロのミュージシャンを目指している小田が、アッキー先生にギターの弾き語りを聞かせるシーンが凄すぎる。

ギターも下手なら歌はそれ以上に下手なのだ!
笑うレベルを通り越しているくらい下手あせるあせる
はじめは冗談でやっているのかと思ったら、超マジ真剣なシーンだし。

仮にもプロ志望なら、もうちょっと何とか……ていうか、これは演出でわざと下手に歌っていたのだろうか?


あ……みらいたちが教室で披露するダンスシーンもなにげに微妙でした。(可愛かったけど)


クライマックスでは悠也とみらいが自転車に二人乗りし、夜空には満月が浮かんでいる……あ、こりゃ飛ぶな、間違いなく飛ぶな、この展開は……やっぱ飛びました。
誰にでも分かる『E.T.』のベタすぎるパロディ。(一応、オマージュ?)



出演者で知っいたのは前田亜季だけでしたが、しばらく見ないうちにすっかり大人っぽくて綺麗になっていたのでビックリ。(未だに『バトルロワイヤル2』の時の少女のイメージが強いので)


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お姉ちゃんより美形になりましたね。



『鬼が来た!』


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【出演】
チアン・ウェン、香川照之、チアン・ホンポー、ユエン・ティン、澤田謙也、宮路佳具、長野克弘、デビッド・ウー


【監督】
チアン・ウェン




“すべてはふたつの麻袋から始まった”




第2次世界大戦が終結に向かっていた1945年の旧正月直前。

中国・華北の寒村、掛甲台村。
深夜、青年マー・ターサンのもとに「私」と名乗る男がやって来て、マーに拳銃を突きつけ、麻袋を2つ押しつける。

麻袋の1つには日本兵が、もう1つには通訳の中国人が入れられていた。

「私」は、それを晦日まで預かるよう脅し、供述書も取れと命じて去っていく。


日本海軍の砲塔が建つ掛甲台村で日本兵を家に置くなど危険極まりない行為だ。

村人たちは寄り集まり、「殺してしまうか、日本軍に引き渡すか」と喧々轟々、話しあうが……晦日まであと一週間もない。

それまで二人を隠すのが最善策ということに落ち着く。


日本兵の花屋小三郎は囚われの身になったことを日本軍人として恥じ、
「一刻も早く殺せ!殺してくれ!おい、通訳しろ!」
そうわめき立てる。


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しかし命が惜しい通訳のトン・ハンチェンは咄嗟に機転をきかせ、花屋の言葉を勝手に友好的な言葉に翻訳して村人に伝える。

「お兄さん、お姉さん、新年おめでとう!」


約束の時がきても、なぜか「私」は姿を見せず……いつしか半年が過ぎた。

村の食糧も底をつきはじめ、麻袋の二人を生かしておくことに村人の不満が噴出する。

花屋が、機会あれば何とか日本軍と接触を図ろうとしているのも気がかりだ。
だが始末する役をみんなで押しつけあって埒があかず、結局はマーが手を下すことになる。


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マーは剣の達人、リウ老人を探し出し、二人の始末を頼む。
だが、リウ老人はあっけなく失敗。

マー自身は人を殺すことなどとてもできない。
仕方なく、万里の長城でこっそり養いつづけるが、やがてそれも村人の知るところとなる。

もはや二人を預かってから半年以上が経ち、村には日本陸軍もやって来た。
いよいよどうにかしないと村人全員が殺されてしまう。


一方の花屋は当初の自暴自棄が薄れ、村人たちの心ある世話に感謝し、生き残る意欲を取り戻していた。
彼は村人に提案する。

「私を助け半年間世話してくれた礼に、穀物2台分を進呈するよう日本軍にかけあう」

その約束を文書にし、みんなで栂印を押す。

花屋、トンと一緒にマーと村人数人は日本陸軍の元に向かい……。


「花屋小太郎、ただいま帰って参りました!」

上官の酒塚隊長は、村人に囚われた挙句におめおめと生き残った花屋を激しく叱責するが、花屋が村人と交わした約束を知り、
「我々日本兵は信用を重んじる」

さらに褒美として6台分の穀物を村に贈ることに決める。


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その夜、村人全員と、陸海軍の兵士たちが集まっての宴会が開かれた。
おおいに飲み、食べ、歌う、楽しい宴。

だが酒塚ひとり、無礼講の雰囲気に染まらず無表情のまま鋭い目つきを光らせている……と、いきなり花屋に、覚えた中国語を言わせる。

「お兄さん、お姉さん、新年おめでとう!」

「あなたはおじいさん!私はあなたの息子です!」

大いに湧く人々。
ところが、酒塚は花屋を腐敗分子と断定し、村人に花屋殺害を命じる。

「さあ誰か、この男を撃ち殺してください」

だが誰も名乗りを上げない。

酒塚が銃を空に向かって一発放ち、一座は恐怖で静まり返る。

酒塚は海軍に軍艦マーチを演奏させ、村人に詰め寄る。

「お前たちは武器を隠し持っているに違いない。花屋をお前らに渡したのは誰だ?」

そこに酔った村の男がしゃしゃり出てきて、
「花屋を返したのだからもういいじゃないか」
と、馴れ馴れしく酒塚の体を叩く。

「マーはどこに行った?花屋を預けた男を呼びに行ったのだろう?武器を携えて戻って来るのだろう?」。
「そんなに怖がらなくてもいい」

その時、花屋の中で何かがはじける!
形相を変えた花屋はその男へと突進していき……。


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第二次世界大戦末期の日本占領下の中国を舞台に、村人たちと日本兵との奇妙な絆と、やがて一転する狂気の結末までを描いた戦争ドラマ。



第2次世界大戦末期、日本占領下の中国・華北の村で対峙する村人と日本兵。

最初のうちは互いに疑心暗鬼だったものの、やがて腹を割る仲へ変化する様をユーモラスに描いたその後で、唐突に発露される狂気。

戦時における人間性の闇を突きつけてくる。



前半はコミカルな描写が多く、特に村人たちが花屋を尋問するシーンはかなり可笑しい。

「名前は?」
「うるせー!いいから早く殺せ!俺はちっとも怖くなんかねえぞ!殺せ!」
「随分、長い名前だな……」

言葉が通じないための勘違いしたやり取りが笑えます。
しかも通訳は花屋の放つ罵詈雑言を好意的な言葉に訳してしまう。

「テメー、ふざけんじゃねえぞ!チャン○○が!おい、訳せ!」
「中国人はみんな優しいと言ってます」

と、こんな感じ。


二人を連れてきた‘私’についての尋問では、
「‘私’は誰だ?」
「……え?そんなこと言われても、あなたのことは知らないし」
「私じゃない!‘私’だ!」
「?????」

尋問する方がちょっと間の抜けた連中だったりするから、会話が噛み合わず笑いを誘う。


ところが、後半から雰囲気がガラッと一変する。
遂に‘鬼’(日本兵)が本性を現すのだ!

日本兵と村人たちによる楽しい宴の最中に隊長の態度が豹変し、老若男女の村人たちが次々に惨殺されていくという地獄絵図が繰り広げられる。
勇壮な軍艦マーチの演奏が流れる中のこのクライマックスはまさに狂気そのもの。‘鬼’だ。

最初から隊長は中国人を殺すつもりだったと推測できる。


その後、戦争が終わり日本兵たちは収容所に入れられることになるのだが、そこにマーが復讐のためにひとり殴り込み、逃げ惑う日本兵を鉈で殺していく。立場が逆転し、今度はマーが‘鬼’になったのだ。

しかし現行犯逮捕され……日本兵や多数の民衆が見守る中、極刑が言い渡される。
しかも中国側はその役目を日本側に託す。

隊長は花屋に命令する。
「花屋、お前がやれ」

こうして花屋はマーの首を日本刀で斬り落とす!

そして、転がった生首はなぜか笑顔を浮かべるのだ。

この生首の視線から見た光景のところだけ、それまでのモノクロ映像からパートカラーで表現。



中国人監督による戦争映画ではあるものの、決して反日映画ではない。(ラストの日本人の描き方は残虐ではあるけれど)


日本兵の描写もさほど違和感はなし。
ただ、軍艦マーチを演奏しながら行進する件りがやたらと出てくるが、これはちょっと変?!