『魔法少女を忘れない』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『魔法少女を忘れない』


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【出演】
高橋龍輝、谷内里早、森田涼花、碓井将大、前田亜季、佐藤恵美香、岸本麻、伴大介


【監督】
堀禎一




“僕たちだけの、約束”




ある日、突然やってきた妹、みらいと共に過ごすようになって半年。
悠也が妹について知っているのはたった1つ……みらいが昔、‘魔法少女’だったことだけ……。


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ある日突然、母親から妹を紹介された高校生・北岡悠也。


彼女の名はみらい、元魔法少女。


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魔法少女は生まれたときからひとりぼっち。


父はおらず、母も仕事で家を空けがちだったため、悠也はぎこちないながらもみらいとのふたりきりの生活を始める。


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一緒に朝食をとり、自転車で登校し、夜になれば同じ家に帰る。


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一見どこにでもいる兄妹のように見えるが、自分の知らない世界を生きてきた少女に、兄として向き合うことへの戸惑いを感じる悠也。


こんな奇妙な事情を知っているのは、古本屋でバイトする幼なじみの佐々木千花くらい。

それでもミュージシャンを目指す親友の小田直樹や合コンで失敗続きの担任教師、秋村希美らとも仲良くなったみらいは、高校生活を存分に楽しむ。


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みんなと撮ったプリクラ、ダンスのレッスン、はじめての海水浴……。


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ありきたりとは言えささやかな喜びに満ちた日々。


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やがて悠也のみらいに対する感情は、次第に特別なものへと変わっていく。


しかし穏やかな幸せは長く続かなかった。


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人々の記憶からみらいが消えていってしまうことに気づいた悠也は、なんとしてでも彼女を忘れないように全力をあげるのだが……。


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みんなの記憶から少しずつ消え去る運命にある元魔法少女を、必死に胸に刻み付けて忘れまいとする仲間たちの奮闘を描く青春ファンタジー。



女子高生がヒロインの青春ファンタジー系映画ということで『時をかける少女』や『ねらわれた学園』的な雰囲気もあるのかな?……と期待して観たところ……う~~ん、かなり微妙な……。


主人公のみらいは元魔法少女なので、当然ながら魔法なんか使いません……というか使えない、全くフツーの女の子。

でも元魔法少女は、いつかは人の記憶から消え去る運命にある。

2度とは戻ってこないあの頃の日々。
いつまでも胸に秘め続ける熱く切ない想い。
誰にでも経験のあるかけがえのない季節。

これはファンタジーの名を借りた青春映画の王道を行くような内容だ。

そして腹違いの兄と妹。
この設定は日活ロマンポルノ等で散々作られてきた(『ピンクのカーテン』とか)エロ映画の王道でもある?!あせるあせる


「はじめまして、お兄ちゃん」
と挨拶する時のみらいが妙にエロい。←こう感じてしまう自分もどうかと思うけど(笑)。

もちろん、この映画での兄妹はお互い惹かれあいながらも、プラトニックな関係は保っています。(ただ別れの際にソフトなキス&抱擁はしっかりとする)


ところで魔法少女はなぜみんなの記憶から消え去ってしまうのか?
これは「昔からそういうもの」としか説明されないんだけれど、そういうものなのか?!


この記憶が消え去る件りは、かなり切ない。(唐突に訪れるのだ)

これまで仲良くしていたクラスメイトたちが、みらいの顔を見てもポカーン。

「私、みらいだよ!」
「?????」

慕っていた先生も、
「どうしても思い出せない……ごめんなさい」

やがては、一番の親友の千花や、みらいに片思いをしている小田までもが忘れてしまう。

そして遂には、みらいは悠也の前から姿を消してしまい……。


しかし、物語は胸キュン的なラストが待ち受けている。
みらいに関する記憶をなくし、他校へ転校した悠也が……学校の階段でショートカットの女の子とすれ違う。
この女の子こそ、みらいである。

悠也とみらいはすれ違い様にぶつかってしまい、
「あ、ごめんなさい」
と悠也は気付かずに去って行く。
(最愛の人の記憶をなくした主人公がすれ違い様にその人とぶつかるというのは、83年版『時をかける少女』の和子と深町の再会シーンを彷彿とさせるものが)

悠也の後ろ姿を淋しく見つめるみらい。
とその瞬間、悠也の脳裡にみらいの記憶が蘇り……
「みらい!」
「お兄ちゃん!」

ここでみらいの笑顔のストップモーションでエンディングとなる。


でもどうも全体的なノリが少女漫画風で、イマイチ感情移入ができずに終わってしまった感も。

特に兄妹のふれあいのシーンが、観ているこっちの方がこっ恥ずかしくなるような雰囲気もありで……。

「お兄ちゃん」
「みらい」
このやり取りが何度も出てくるんだけど、どうもむず痒いあせるあせる


あとメガネっ子の千花の台詞回しも違和感バリバリ。
悠也を「貴様」、叔父さんを「叔父殿」と呼ぶなど、なんでかずっと時代劇口調なのだ。
これには理由があって、子供の頃に時代劇の真似で喋ったら悠也が喜んでくれたので、それ以来その口調を続けている……ってことらしい……て、何だよ、それ(笑)。

口調といえば、みらいも登場した時はやたら丁寧語を使っていたのに、途中からいきなり普通口調になってました。
魔法少女から普通の少女への変化を表したのか?


それからプロのミュージシャンを目指している小田が、アッキー先生にギターの弾き語りを聞かせるシーンが凄すぎる。

ギターも下手なら歌はそれ以上に下手なのだ!
笑うレベルを通り越しているくらい下手あせるあせる
はじめは冗談でやっているのかと思ったら、超マジ真剣なシーンだし。

仮にもプロ志望なら、もうちょっと何とか……ていうか、これは演出でわざと下手に歌っていたのだろうか?


あ……みらいたちが教室で披露するダンスシーンもなにげに微妙でした。(可愛かったけど)


クライマックスでは悠也とみらいが自転車に二人乗りし、夜空には満月が浮かんでいる……あ、こりゃ飛ぶな、間違いなく飛ぶな、この展開は……やっぱ飛びました。
誰にでも分かる『E.T.』のベタすぎるパロディ。(一応、オマージュ?)



出演者で知っいたのは前田亜季だけでしたが、しばらく見ないうちにすっかり大人っぽくて綺麗になっていたのでビックリ。(未だに『バトルロワイヤル2』の時の少女のイメージが強いので)


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お姉ちゃんより美形になりましたね。