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エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

なかなか名画座でやってくれないので……(この2本立て、どこかでやってもよさそうなものなんだけどなぁ)



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‘自宅’『時をかける少女』2本立てを敢行あせるあせる



ところで2本を連続で観て今更ながら気付いたこと。


83年版の冒頭、列車内で和子ら生徒たちがポッキーを食べている。

2010年版では、あかりがポッキーを食べている。

こんな細かいところにもオマージュ(?)が捧げられていたとは!



それからこれはすっかり思い違いをしていたのですが、83年版で深町が和子の記憶を消す時は、薬品の匂いを嗅がせるんでしたね。

2010年版のイメージが強すぎるから、掌を翳して記憶を消したものとばかり思い込んでました。


あと83年版での深町は和子に本名は明かしていない。
「ケン・ソゴルだ」とは一言も言っていないんです。
2010年版ではあっさりと「本名はケン・ソゴル」と、あかりには教えているのに。
ということは、和子は深町の本名は知らないことになる?


そして芳山母娘に共通する部活の弓道。

和子の弓道シーンは2回登場するも、実は一度も弓矢は放っておらず、射ろうとする直前でやめてしまう。

一方のあかりは、射ろうとした瞬間にポロッ。

ただ和子はサッと弓を収め、深々と一礼してから凛々しく去っていく。

あかりは「アチャー」とした表情の後、呆然と突っ立ってるだけで凛々しさのカケラもない(笑)。

弓道に対する心構えは和子に軍配が上がるようです。



劇場でDVDでと、もう数え切れないほど観てきた2010年版『時かけ』。
でも実は1年くらい観るのを封印(?)していた。
まあ、あまりにも観過ぎたのでさすがにお腹いっぱいになっちゃってたみたいなあせるあせる

で、今回1年ぶりにその封印を解いたワケですが……案の定ボロ泣き。
全てを知り尽くしているのにも関わらず号泣モード全開(笑)。


『悪魔を見た』


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【キャスト】
イ・ビョンホン、チェ・ミンシク、チョン・ググァン、チョン・ホジン


【監督】
キム・ジウン




“映画史上最も強烈な比類なき復讐劇!”




ある夜、雪の夜道で車がパンクし、レッカー車の到着を待っていた若い女性が黄色いスクールバスに乗った男に連れ去られた。


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地元警察は大規模な捜索を開始するが、まもなく川底から切断された頭部が発見される。


人間の所業とは思えぬこのおぞましい殺人事件の被害者は、引退した重犯罪課の刑事チャンの娘ジュヨンだった。


一ヵ月前にジュヨンと婚約したばかりの国家情報院捜査官・スヒョンは、最愛の女性を救えなかった自分のふがいなさを何度も呪う。


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深い絶望感に苦しむ彼は、自力で犯人を追い詰める決心をする。


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スヒョンはチャンが入手した捜査資料をもとに、ギョンチョルという中年男が犯人だと特定。

ギョンチョルとは血も涙もない凶行を繰り返し、ひたすら快楽のみを貪り尽くす常軌を逸した男。
良心のかけらも持ち合わせていない悪魔そのものだった。


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スヒョンは彼女を殺した男に同じ苦しみを与えるため、恐ろしく冷酷な報復を誓う。

残虐な殺人鬼に復讐することは、彼自身も悪魔になることだとしても……。


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ギョンチョルのネグラを突き止め叩きのめしたスヒョンは、その場ではとどめを刺さず、GPSカプセルを飲みこませて解放するのだった。

「これからだ。もっともっと残酷になる」


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こうしてスヒョンの復讐劇が幕を開けるが……。


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血も涙もない凶行を繰り返す猟奇殺人鬼と、最愛の婚約者を殺された男の熾烈な攻防と復讐劇を描くサイコ・スリラー。



冒頭からメチャ怖い。

雪が降りしきる真夜中の寂しい道で、パンクのため車に缶詰状態の若い女性。
不安を押し殺すように婚約者と(本作の主人公、スヒョン)電話で話していると……一台の車が止まり、男が降りてくる。

「どうしました?パンクですか?私が見てあげましょう」
「大丈夫、レッカー車を呼びましたから」
「でもこの雪だ。時間がかかりますよ」

この様子を電話で知ったスヒョンは彼女に言う。
「相手にするな。絶対に車から降りるなよ」

この時点でのスヒョンは、どこかの男が彼女をナンパでもしていると思っていたのか、さほどの危機感は持たず電話を切って仕事に戻っていく。

一方、男の方も車に戻っていくも……なぜか車は動く気配がない。

彼女の不安がピークに達したその時、いきなり男は鉄パイプで窓を叩き割るや侵入してきて彼女を執拗に殴り続けるのだ!

この男こそ、本作のもうひとりの主人公、シリアルキラーのギョンチョルである。

ギョンチョルは顔面血まみれの彼女をネグラへと拉致し、両手を鎖で縛り付け……と大きなナタを手にする。

「殺さないでください」
「心配するな。すぐに済む」
「お願いします……お腹の中には赤ちゃんがいるんです」

彼女の命請いも虚しく、ギョンチョルはナタを無造作にグサッ!

凄まじい導入部としか言いようがない。


その後はスヒョンの復讐劇と相成るワケだが、復讐の機会は映画が始まって1時間も経たないうちに訪れ、ギョンチョルは半殺しの目に遭ってしまう。
残りはまだ1時間半近くもあるのに、これはどうなるのか?……と思いきや、これは復讐劇の序章にしかすぎなかった!

失神したギョンチョルの体の中にマイク付きのGPSチップの入ったカプセルを飲ませ解放するのだ。

そしてギョンチョルが犯行に及ぼうとするたびにふらりと現れ、ボコボコにするわ、腕を粉砕するわ、アキレス腱まで切るわなどの残虐な制裁を加えていく。

こんなキャッチ&リリース状態の鬼ごっこが延々としつこく繰り広げられる。


それにしても、ギョンチョルは街中をウロウロしまくっているのに、警察は何をやっているんだってくらいのダメダメぶり。


一方、スヒョンは完全無欠の強さと類い稀なる行動力でギョンチョルを肉体的にも精神的にも追い詰めていくも……。

ギョンチョルは、呆れ返るくらいの超タフネス男だったりもする。
アキレス腱を切られても応急処置しただけで歩いてしまうし、鉄パイプで頭をボコボコに殴られて血が噴き出しても何のそので、すぐに元気を取り戻し……匿ってくれた仲間の女とちゃっかりエッチまでしてしまう。

有り得ないくらい元気すぎるぞ、このオッチャン!


最も衝撃的なのは(?)体の中にGPSチップがあることを知ったギョンチョルが下剤を飲んでそれを見つけ出すシーンだ。
便器の中に溜まっている汚物をなんとドアップで映し出す……それが色といい、緩く出た感じといい、本物にしか見えないくらい超リアルなのだ( ̄□ ̄;)
しかも素手でまさぐってチップを発見し……なぜかクンクンと臭いまで嗅ぐあせるあせる
リアルすぎる描写に唖然(笑)。



設定的にはかなり無理がある展開ですが、インパクトだけはあるので強引にグイグイと引き込んでいく演出のパワーに脱帽。


グロい描写も強烈だが、恨みや憎しみといった感情の描き方もハンパない。

勧善懲悪とはかけ離れたまさに悪魔と悪魔の対決だ。



それにしても、この作品に於けるギョンチョルは、とんでもない鬼畜キャラだ。
女は犯してから殺した挙げ句にバラバラにして捨て、男は即座に殺す。

こんな鬼畜の悪魔野郎に情けはいらないと対抗するスヒョンも、ありとあらゆる方法で復讐を敢行するうちに自らも悪魔と化していくのですね。

最後はギョンチョルが自首しようとしているところをかっさらい、法の裁きを受けさせようとはせず、あくまでも自分の手でで決着をつける!
その執念は凄まじすぎる……が、ラストで慟哭する姿からは虚しさだけが漂ってもいる。



チェ・ミンシクが異様に怖い!まさに鬼気迫る怪演。

甘いマスクのイ・ビョンホンが残虐行為を繰り返す様は、たとえ復讐とはいえ常軌を逸していてこれまた怖い。

息の詰まるような攻防の末、善悪を超越した人間の執念と驚愕のラストに背筋がゾクッ!


とにかくここまで徹底した復讐劇を見せられたら、もう拍手喝采するしかない!?
『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』


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【出演】
藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、阿部力、武田真治、平山あや、石井正則、大野拓朗、片平なぎさ、北大路欣也


【監督】
中田秀夫




“ようこそ、暗鬼館へ”




フリーターの結城理久彦は、謎の美女・須和名祥子に紹介された時給11万2000円のアルバイトに参加する。


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その内容は……被験者となり、暗鬼館という隔離された場所で、男女10人が7日間暮らすという心理実験らしい。


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理久彦が与えられた部屋に入ると、そこには謎の箱があった。
その中には火かき棒が入っている。
これは武器なのか?


暗鬼館のルールでは、人が殺された場合、誰かが‘探偵’になり‘犯人’を決めなくてはならないという……。


彼らに知らされた実験の内容とは、より多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う殺人ゲームだった。


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翌朝、参加者の1人が死体で発見されたことをきっかけに、第2第3の事件が発生する。


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犯人がわからない恐怖から、次第に恐慌に陥っていく参加者たちだったが……。


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外部から隔絶された密室で起こる殺人事件と、疑心暗鬼に陥っていく人間の狂気を描くサスペンス。


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現実離れした内容が、すんなり受け入れられるのは、『es』を観ているからか?

ただ映画全体としては、とてもすんなりとは受け入れられず。
展開が読め読めで、しょぼい内容。
(ただ役者陣は豪華なので、何とか観られましたが)


ていうか、このシチュエーションって、もろにクリスティの『そして誰もいなくなった』のパクりじゃん……と思いきや、登場人物のひとりに「これはクリスティのパロディよ」との台詞を言わせていた。
開き直り?!



序盤であっさり消えてしまい(犯人にされて独房に入れられてしまう)それからは全く音沙汰なしの武田真治が最終的には鍵を握る……というのは誰でも予想できるし(異常者がケラケラ笑いながらナイフを振りかざすという有りがちなパターンを踏襲)はじめっから何とな~く怪しい綾瀬はるかの正体は、トホホ的な感じだったし、やたらとチョロチョロ動き回ってウザい空気を撒き散らしていた石井正則が先頭切って殺されるんだろうな~と思ってたら案の定だったしあせるあせる


それからこれがネット中継されているという設定も、街中で普通に携帯で見て「わ~スゲー」なんてしょうもない感想を述べてる人たちをチラッと映す程度なので、意外性も希薄。

全てが中途半端な出来でした。

でも石原さとみが死体を発見した際の驚愕の表情と叫び声は、中途半端どころか超全力投球!
そこまでしなくてもってほど、あの可愛い顔を崩しまくっての熱演。
しかも弾丸浴びて死んじゃう悲惨な最期!


あと阿部力がしゃしゃり出てきて犯人探しに躍起になってたけど、ここは事件を解決するスペシャリスト・2時間テレビドラマの女王である片平なぎさに任せた方が、よっぽどよかったのではないだろうか(笑)。


『カイジ』以降、すっかりダメ男のイメージが強くなってしまった藤原竜也は、これでもダメ男ぶり全開。
「あなたみたいな弱虫で小心者の男が、この実験には最適だったのよ」
となにげに酷いことを綾瀬はるかから言われる始末。


その藤原竜也、ラストでは1億以上の大金の入ったバッグを投げ捨てて去って行く……て、命懸けの報酬なのに?!あんたのあの7日間は何だったの?

死んだと思ってた棺桶の中の北大路欣也がいきなり上半身がヌクッと起き上がるシーンは凄かった。
結構、年なのに腹筋強いんだな~~と、そこが凄かった(笑)。


凄いといえば、綾瀬はるかのジャケット胸の辺がパンパンに膨れ上がってるのも凄かったです(^^;