エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて -45ページ目

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

10月15日(土)~21日(金)18時15分~
渋谷アップリンクにて『乱反射/スノーフレーク』がアンコール上映!


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-0.jpg



今日は谷口正晃監督のティーチインも行われるみたいです。



渋谷アップリンクといえば~~去年の夏に『時かけ』もアンコール上映された劇場。


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-Image001~02.jpg

(懐かしいあせるあせる



アップリンクは谷口作品がお気に入り?



『犯人に告ぐ』


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-s~16.jpg


【出演】
豊川悦司、石橋凌、小澤征悦、笹野高史、片岡礼子、井川遥、松田美由紀、崔洋一、石橋蓮司、池内万作、越智静香、根岸季衣、嶋田久作、山中崇、柄本佑、中原丈雄、朝倉あき


【監督】
瀧本智行




“幕は上がった。主役は、お前だ……”




ノンキャリアながら警視として神奈川県警本部管理官の地位にあった巻島史彦は、少年誘拐事件の捜査現場を仕切っていたが、一瞬の判断ミスから犯人を取り逃がしてしまう。


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-s~18.jpg


その翌日、少年は無残な遺体となって発見される!


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-i~09.jpg


責任を負わされて捜査会見を行う巻島だったが、上層部の指示により過失を一切認めなかったため、マスコミの激しい攻撃に晒された事から逆切れし足柄署に左遷。


そして6年後、日本中を震撼させる児童連続殺害事件が川崎で発生。

〈BADMAN〉と名乗りテレビに脅迫状を送りつけた犯人は、 3件目の犯行後……ぷっつりと表舞台から姿を消してしまう。


膠着した捜査に警察は、捜査責任者をテレビに出演させる大胆な‘劇場型捜査’を決断!

本部長の曽根要介に担ぎ出されたのは、彼のかつての部下で、6年前の事件が心の傷として残っている巻島だった。


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-i~08.jpg


生放送のニュース番組で、カメラの前に立つ巻島に注がれる視聴者の視線……犯人はこの中にいる!


カメラに向かって巻島はこう言い放つ。


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-s~17.jpg


「BADMAN、これはお前のための番組だ。主役が黙っていてどうする?」

独断で犯人を挑発する巻島の発言に、報道は過熱し、高視聴率をマーク。日本中が沸き上がる。

全国民が見つめるなか、巻島は姿なき犯人と対峙する!


「犯人に告ぐ。お前の逮捕は時間の問題だ。今夜は震えて眠れ」


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-i~02.jpg




連続児童誘拐殺人事件の犯人と、事件を担当する心に傷を負った刑事の攻防戦を描く犯罪ドラマ。


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-i~03.jpg



警察内部の軋轢、報道の姿勢、メディアの影響力、動機の見えない殺人、被害者家族の苦悩……と現代社会の抱えるひずみが、リアル且つ、緊迫感溢れる演出で描かれていく。


ともすれば荒唐無稽になりがちな設定も、現代社会が抱える問題をふんだんに盛り込む事で、骨太サスペンスに仕上がっている。
ディテールのひとつひとつを丁寧に描写し、社会の陰の部分をしっかりと映し出すことによって、物語にも深みを与えており、犯人と刑事の壮絶な駆け引きが見どころ。



心に傷を負いながらも世間にその身を晒し、犯人を追いつめる巻島を豊川悦司が熱演。

そして石橋凌と松田美由紀が揃って出ているあたりは(直接的な絡みはないが)優作ファンの心をくすぐるものが!

それから、あの崔洋一監督がニュースキャスター役で出演しているのにも注目を。(映画出演は『御法度』以来?)

‘和製トミー・リー・ジョーンズ’こと(?)笹野高史も定年間近の刑事役を好演。



ところでラストシーンは、かなり意味深。

犯人が捕まり、事件も無事に解決。
部下の刑事が、病院のベッドで寝ている巻島に、
「終わりました。安心して、ゆっくり休んで下さい」
と報告。

すると、しばしの間をおいて……巻島はいきなり閉じていた目をカッと見開く。
そのアップで映画は幕を閉じる。

あまりにも意味深なエンディング……これにはどういう意味があるのか?

凄く気になったのでネットで検索してみたところ、これに関する瀧本監督のコメントを発見。
それによると……
「特にあのカットで、意味を持たせようという気は特にないんですけど、違和感を観客に残したいなあという気はあって。気持ちが悪い終わり方にしたかったというか」

あ……意外と単純な理由だったんですね……イロイロ深読みして損した?あせるあせる



ちなみにBADMANの逮捕に至った決め手は、カーキとベージュの色の違いが分からなかったことと、アイドルの名前に詳しかったこと。余計な一言さえ口走らなければ……?


『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-L1.jpg


【出演】
吉田輝雄、葵三津子、藤木孝、賀川雪絵、加藤嘉、上田吉二郎、由利徹、大泉滉、小池朝雄、土方巽、阿部定


【監督・脚本】
石井輝男




“魔性か?!獣欲か?!”




監察医務院の執刀医・村瀬は、女性の変死体を前にするたびに、なぜこのような犯罪が起るのか……と思った。


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-s~00.jpg


「東洋閣事件」


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-s~07.jpg


昭和三十五年、とある温泉街で起きた連続殺人事件。


「阿部定事件」


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-s~09.jpg


愛するが故に吉蔵を絞殺した末に、男根を切り取り逃走した女・阿部定。


「小平義雄強姦殺人事件」

昭和二十年、敗戦の混乱を背景に七人の女を強姦殺害する小平。


「高橋お伝」

明治の代表的毒婦・お伝による異常な愛憎の絡んだ殺人事件。




実在の猟奇事件を題材にしたオムニバス映画。


解剖医の村瀬を狂言回しとして、女にまつわる凄まじい実話の事件が綴られていく。


昭和40年代に製作された、大胆なエロチック描写や残虐シーンが繰り広げられる東映の‘異常性愛シリーズ’の中でも、特にエログロ色が強い作品。

一応、R-18指定だけれど、性描写はいま観ると何てことはない感じ。
ただし、5分おきくらいに濡れ場シーンが挿入されている。



物語は監察医の村瀬が、自分の妻の自殺死体を解剖したショックから、女にまつわる過去の記録を紐解き、‘事件と女’の真実を突き止めようとするところから始まる。


最初に登場するエピソードは「東洋閣事件」。
色仕掛けで旅館を乗っ取り、経営者夫婦を殺した女の悪女ぶりが凄まじい。
壁に埋められた死体に本物の蛆が這う様子もグロいが、埋めた死体の傍らで大雨の中、情交にふける欲望剥き出しの姿も別の意味でグロい。


続く「阿部定事件」では、なんと阿部定本人が特別出演!

インタビュー形式で有名すぎる‘あの事件’について淡々と語ります。

「絞めてくれ、殺してくれって言うから、そうしてあげたんですよ。吉蔵さんのことは大好きでしたね……人生の中で、真に愛する人はひとりだけですよ、誰でもね」

阿部定が自ら語る顛末は、『愛のコリーダ』や『SADA』以上のインパクト?!

定の話をベースに事件を再現しただけあり、内面の描写がかなり生々しい。

しかし最大の見せ場のはずの‘局部切り’シーンは意外とアッサリめの演出。


「小平事件」はモノクロの映像で、殺人鬼の小平の毒牙にかかって無惨に殺害された若い女性の姿が描かれる。

小平役の小池朝雄が怪演。
女に目をつけた際に舌なめずりする様は、何とも薄気味悪い。
それから取調室で刑事に向かって得意げに事件の顛末を話す時の表情は完全にあっちの世界にイッちゃってます。


最後の「高橋お伝事件」は、事件の概要よりも刑場での首斬りシーンの方に焦点が絞られている。



エログロの中にも笑いをということなのか、阿部定事件の影響を受けて日本各地で流行した(らしい)「象徴切り事件」の短いエピソードも挟まれていて、由利徹が学ランを着ての登場。(相当無理がある学生役……当時いくつだったんだ?)


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-s~08.jpg


厚化粧の化け物みたいな顔をしたおばあちゃんに執拗に迫られた挙げ句、ハサミであそこをちょん切られて悶絶!

このくだりは大爆笑もの。