エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて -43ページ目

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『しあわせのかおり -幸福的美味-』


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【出演】
中谷美紀、藤竜也、田中圭、甲本雅裕、下元史朗、木下ほうか、山田雅人、平泉成、八千草薫、山口美也子、徳井優、並木史朗、桂雀々、渡辺いっけい


【監督・脚本】
三原光尋




“小さな奇跡を、心で味わう物語(スロウムービー)”




ようこそ、小上海飯店へ。
心のごちそう用意して、お待ちしております。


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デパートの営業職として働く山下貴子。

ある日、デパートへの出店を交渉するために、金沢の町外れにある小さな中国料理店‘小上海飯店’に出向く。

店主は、職人気質の料理人・王さん。

出店の話はにべもなく断られるが、貴子は昼の定食を食べることに。
名物の蟹シュウマイをはじめとする、思わず顔がほころぶほど美味しい料理の数々に驚きを隠せない貴子は、その日から店の常連客となる。


王さんとは一言も会話を交わすことはなかったが、料理を通して二人の心には何か温かいものが生まれるのだった。


そんな時、厨房で突然、王さんが倒れ、貴子は病院に見舞いに駆けつける。

笑顔を見せる王さんだったが、医者からは「脳梗塞で麻痺が残る体では以前のように料理をすることは難しい」
と告げられてしまう。


退院して、重い中華鍋を振ることができず、ひとり苦悩する王さんに、貴子は生きていればちょうど同じ年齢の洋食のシェフだった父親の姿を重ねる。


一方、中国・紹興出身の王さんもまた、妻と娘を疫病で亡くすという悲しい過去があった……。


さまざまな思いを胸に、貴子は会社を辞めて、料理人として王さんの弟子になることを決意。

「会社辞めました。私に料理を教えてください!」

その真剣な眼差しと熱意に動かされて王さんも心を決める。


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女手一つで幼い娘を育てながら、料理人を目指す貴子の修行生活は、決して楽なものではなかった。

だが、貴子の頑張りを見守る店に出入りする農家の青年・明らに支えられて、一歩ずつ着実に料理人として成長していく……と同時に、貴子は王さんとの確かな絆を感じていた。


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そんな中、貴子は地元の謝恩料理会に出場するが不運が重なり大失敗し、二度と厨房には立てないと落ち込んでしまう。

王さんは、古くからの知人で加賀友禅の工房を営む百合子から、「跡取り息子が結婚することになり、両家の食事会を小上海飯店で開催したい」と打診される。

「自分にはもう無理だ」と拒むが、食事会の料理人を貴子に任せるという名案を思いつく。


人生を一歩前進させるために、王さんは貴子を故郷・紹興の旅へと誘う。
王さんの料理人としてのルーツや、人生の真実を肌で感じる貴子。

伝説の料理人の帰郷を祝う町の人々に、王さんは貴子を‘娘’として紹介する。

「私の娘です。大切な娘です」

それを聞いた貴子は、一人前の料理人になる決意を新たに帰国。

再び特訓を開始し、食事会の日は、刻々と近づいていく……。


「王さんの料理と出会えて、私なんだかとっても嬉しかったんです」


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石川県金沢市にある小さな中華料理店を舞台に、料理人の店主とキャリアウーマンだった女性との絆を描く人間ドラマ。



金沢の港町にポツンとある中華料理店。
年老いた中国出身の名料理人が丹精込めて作る料理は、お客さんに‘しあわせをもたらす’逸品ぞろい。
ある日突然、病に倒れた店主に協力を申し出たのは、幼い娘を抱えた若い女性。
最初はぎこちない名人と弟子の関係は、やがて確かな絆へと変わっていく。


心がほっとするような温かかと優しさ、そして人間の絆の物語がハートフルに綴られていて涙を誘います。


また、50種類以上もの中国料理のほか、地元・石川県の食材を使用した創作料理も次々に登場。
(これが、とにかくメチャメチャ美味しそう!)


数々の料理を作る様子を丁寧に見せ、そして作る人、食べる人のそれぞれにあるエピソードを絡めて……クライマックスらしいクライマックスはないけれど、とても静かに淡々と進むシンプルなストーリー展開が心地良い。



中国訛りのある日本語で、ちょっと頑固だけれど根は優しい王さんを演じた藤竜也が好演。

厨房に立ち、真剣に料理に取り組む表情は、料理人としての威厳みたいなものが表れていました。
それから、脳梗塞で倒れて以来、足が不自由になり、利き腕もきかなくなってしまい、鍋までもが振れなくなった際に見せる苛立ちと悲しみ。
弟子となった貴子を見守る温かい眼差しなど、どれもが素晴らしい。


子供と引き裂かれて落ち込む貴子の掌に‘幸福’と指で書いて、
「これを胸に当てなさい。しあわせになれる‘まじない’です。大丈夫!これでしあわせになれますよ」
こう励ます王さんの姿に、こちらも涙。


ラストで、王さんと貴子が並んで厨房に立つシーンもいい。

共同作業で鍋を振り、王さんの原点の料理である‘卵トマト炒め’を作る。

それこそ「みんなにしあわせをもたらす料理」なのです。




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今夜からスタートした『私が恋愛できない理由』。


香里奈、吉高由里子、大島優子のメイントリオ以外にも倉科カナ、剛力彩芽、稲森いずみと豪華な女優陣!


でも~最大の食いつきポイントは、涼太、ゴロおじちゃん、市瀬ナツコと『時かけ』関係者が3人も出ているところですかね(笑)。


それから香里奈と田中圭の『ラブコメ』コンビ(!)の恋の行方も気になります。

そういえば香里奈が演じる恵美のキャラ設定は、何となく『ラブコメ』の役柄のキャラと被るものがある!?



『ひろしま』


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【出演】
山田五十鈴、岡田英次、月丘夢路、神田隆、原保美、加藤嘉、花沢徳衛、信欣三、松山英太郎、河原崎建三、下條正巳、梅津栄


【監督】
関川秀雄




“1945年8月6日、ひろしま……”


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広島A高校三年、北川の担任するクラスで原爆当時のラジオ物語を聞いていた大庭みち子は、
「やめて!やめて!」
と叫ぶと突然、恐怖に失神した。

原爆の白血病によって前から身体の変調を来していたのだ。


クラスの三分の一を占める被爆者達にとって、忘れる事の出来ない息づまる様な思い出だった。


それなのに……いま広島では、平和記念館の影は薄れ、街々に軍艦マーチは高鳴っている。

「また戦争が起こるのではないのだろうか?」


あの日……昭和20年8月6日の朝。

鳴り響いていた警報が解除された後、米原先生をはじめ同級の女学生達との疎開作業の最中、空から爆音が聞こえてきた。

「Bか?あの音はBじゃな?でも警報発令は解除されたはずじゃろ?」

とその時、激しい閃光に包まれた!

みち子は爆風で吹き飛ばされた!

弟の明男も黒焦げになった!


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遠藤幸夫の父は、妻が梁の下敷で焼け死ぬのをどうする事も出来なかった。


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広島の街は阿鼻叫喚の世界と化していた……。


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「これは地獄だ……地獄だ……」


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原爆投下直後の広島の街と人々の姿を描いた反戦映画。



広島に原爆が落とされてから、わずか8年後に作られた作品。
まだ生々しい記憶が残っていただろうに、よくぞこれほどの映画が撮れたものだと驚いた。


とにかくリアル、原爆が落とされた後の描写がヤバいくらいリアルです。

1時間以上に渡り地獄絵図そのものの凄まじい光景が繰り広げられる!

あまりに悲惨な場面の連続に、ただただ唖然。

克明に阿鼻叫喚の原爆被災現場における救援所や太田川の惨状などの修羅場を再現、そして被爆者たちのその後の苦しみも描いています。



58年も前の映画なので仕方ないのでしょうが、オリジナルネガの保存環境が悪かったのか、フィルムが傷だらけの‘雨ふり’状態。
でもそれが逆にリアルさを増幅させるという思わぬ効果を発揮しているのは何とも皮肉。



原爆投下前後の広島の町並みの再現、広大な瓦礫のセットや膨大な数のエキストラの起用など、58年前の日本映画はかなり贅沢な作りをしていたことにも驚いた。

なんでも広島市民の全面的協力の下で撮影されたらしく、一般市民ら約8万8500人が手弁当のエキストラとして参加したという。
しかもその中には、原爆実体験者も多く含まれていて、逃げまどう被爆者の群集シーンは圧倒的な迫力を醸し出している。
(道理でリアルなワケだ)



ちなみにこんなシーンがありました。

「投下されたのは新型の原子爆弾だと国民に発表するべきだ」
と強く主張する学者陣に対し、軍の上層部はこう言い放つ。

「それは断じてならん!戦争の不利になるような発表は許せん!こういう時こそ、一億火の玉で必ず勝つという信念を植え付けるのだ!戦意高揚を促すのだ!」

事実を隠蔽して情報操作をする……今年の春に、どこかで聞いたような話!?



ちなみに音楽はあの伊福部昭で、この作品に使用された曲が翌年に公開された『ゴジラ』の劇中曲にも転用されているとか。