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エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『レディ!レディ READY! LADY』


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【出演】
薬師丸ひろ子、桃井かおり、近藤敦、高橋ひとみ、笹野高史、清水紘治


【監督】
太田圭




“ケンカ売ります。ケンカ買います”




東京の大手都市銀行に支店長次長として勤めるバリバリのキャリア・ウーマンの菅野萌子の元に、自由奔放な姪の高橋亮子が福島からバイクを飛ばして上京してきた。


しかし、高級マンションに住み、洗練されたシティライフを送っている萌子と‘呑む、打つ、買う、買う、買う’が趣味のワイルドなライフスタイルの亮子の気が合うはずはなく、二人は顔を合わせれば口論ばかり。

「対等にとは言わないけどさ、せめて一人前に扱ってよ」
「半人前のくせに」


亮子は萌子からデザイン会社の就職口を紹介されたが、気に入らずブラブラして居候を決め込んでいた。


そんなある日、萌子が九州へ出張中、亮子は偶然に入ったパン屋‘らくだ’で、店主の吉野喜一と知り合う。

吉野は亮子が以前から興味を持ち、深夜に望遠カメラで覗いていた相手だった。

そこで亮子は‘らくだ’で働くことになる。


ところが吉野は、借金苦で自殺した父親の復讐のために、萌子の銀行の爆破を計画していた!


一方、萌子は女性初の支店長として九州へ転勤するか、それともビリヤード店オーナーの雲井雄介との恋を取るかで悩んでいた。


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亮子は、吉野に別居中の妻がいることや彼の過去、そして爆破計画のことを知り……それをなんとか阻止する。


萌子は身の振り方を悩んだ挙句、九州での支店長の道を進むのだった……。


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キャリア・ウーマンの淑母と、自由奔放な田舎娘の姪のジェネレーション・ギャップをコミカルに描いた人間ドラマ。



顔を合わせればケンカばかりしている萌子と亮子とのやり取りがかなり可笑しい。

口を開けば小言の連発の萌子に、
「うっせー、ババアだなぁ」
と亮子。


ガサツで騒々しい亮子に、
「あんたが来てから、怒りすぎて顎がおかしくなっちゃったわよ」
と萌子。

「死ねばいいのよ!あんたなんか死ねば!」
「そっちこそ死んじまえ」

でもこの二人、仲が悪いようでいて実は叔母は姪を心配し、姪は叔母を信頼しているのです。

ただ双方とも、不器用な生き方しか出来ないため、すぐに衝突してしまう。


マジで殴り合う大迫力のリアルなケンカシーンや、ラスト近くの酔っ払ってグダグダ話をして笑い転げるシーンなんか最高です。



当時25歳の薬師丸ひろ子。(角川を卒業した頃?)
ちょうどアイドルから大人の女優への転換期にあたる時代の作品でしょうか。
やっぱメチャメチャ可愛い!


製作年が1989年とあって、髪型やメイク、服装がいま見るとだいぶ古っぽく……桃井かおりは、いかにもバブル末期って雰囲気。


それからバービーボーイズのKONTAが薬師丸ひろ子の相手役で出演。
(バービーと並行して役者活動をしていた時期もありましたね)



ところでこれ、今はなきアルゴ・プロジェクトの第1作目の作品。
常設館のシネマアルゴ新宿を抱えて、傑作を次々に製作していた貴重な映画会社でした。
(アルゴといえば、やはり『櫻の園』と『12人の優しい日本人』が印象的。『あいつ』もよかった)



『スマグラー おまえの未来を運べ』


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夢にも挫折し、つまらない日常を満然と生きていた甘ったれフリーターが、生と死が隣り合わせの世界で生きるスマグラーの仕事を通して変化していく様を描くバイオレンス・アクション・ムービー。




凄まじい暴力描写の連続の中に、ダークな笑いを盛り込むという……全編を通して緊張と緩和、恐怖と笑いが完璧にミックスされていて、全く飽きさせずに一気に突っ走る‘石井ワールド’全開の痛快作!



冒頭からグイグイ引き込まれる。

チンピラコンビが待つホテルの部屋に、ヤクの取引のため手下共を引き連れて入ってくる田沼組長。

穏やかな表情からいきなりブチ切れ出したかと思いきや、また穏やかになり、と間髪入れずまたもやブチ切れる……と情緒不安定も極まれりの田沼にビビりまくるヤク売人のチンピラ。(このシーンはかなり笑える)

とそこにユラリとやってくる……チャイニーズマフィアの背骨と内臓。

熱り立ち拳銃を構えるヤクザたちに対し、背骨は表情ひとつ変えずにヌンチャク攻撃で、頭をかち割りぶっ潰していく!

そして最後に残った田沼の首を斬り落とし……その後、コンビニで、
「至急クール便で頼む。品名は……」
「メロンでいいんじゃねえか。あ、あとメガネな」
と田沼組に送り付けるのだ。


ここから田沼組とチャイニーズマフィアの抗争が勃発し、やがては砧らスマグラーのメンバーがそれに巻き込まれ……予測不可能、やりたい放題のハチャメチャな展開に突入していく!



最大の見せ場は、背骨の代役として田沼組に運び込まれた砧が河島から執拗な拷問を受けるシーン。
何たってこの河島は拷問が趣味なのだ!

拘束着を着せられ、椅子に縛り付けられた砧を前に、嬉しそうな河島。
「殺すなよ」
と幹部から注意されるや、
「大丈夫。簡単には死なないようにこれ用意してきたから」

用意してきた‘これ’とは……なんと点滴!
弱ったら点滴を打って、またいたぶるつもりなんだから常軌を逸している。

頭に布を被せて恐怖心を煽ってから、ひたすら殴る蹴る……が、こんなのはまだまだ序の口。

「悪いんだけどさ、出てってくんないかな。ここからは側に人がいると気が散るんで。こいつと二人だけにさせてくれ」
と、幹部らを追い出し……「さて、これからが本番だ。死ぬなよ」

そして、イロイロな拷問グッズを喜喜として取り出すのだから怖い。
しかも一旦、姿を消し着替えまでしてくるのだから恐れ入る。
して、その衣装は……上が軍服、下半身はなぜか紙オムツ。
もうワケが分からない(笑)。

でもって延々とエグい拷問は続く、しつこいくらいに続く、続くったら続く。
だって河島は、‘拷問命’のイカレ野郎だからあせるあせる

これでもか、これでもかと行われる常人には考えもつかないような拷問の連続に砧は断末魔の悲鳴を上げ、それを聞いた河島はますますハイテンションになり、狂気ワールドへトリップ!

「まだまだ続くよ~~~次は~~」

もう砧は肉体も精神もボロボロの状態に追い込まれ……遂には極限状態に達し、髪の毛が真っ白になってしまうのだ!(『あしたのジョー』のホセ・メンドーサか、お前は!?)


ところが、何者でもない男が何者かになる……砧がクライマックスで炸裂させる凄まじい形相と大逆転劇は、最高の興奮とカタルシスを味わえること間違いなし!



とにかく個性的で危なすぎる(完全にいっちゃってる)キャラクターが勢揃い!


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妻夫木聡演じる主人公の砧涼介は、小心者でウダウダうじうじしている、情けなくてカッコ悪い超ダメダメ野郎。
(不摂生三昧の雰囲気の役作りのためか、妻夫木の顔はマジでむくんじゃってる)

殴られては泣きベソをかくし、ブリーフ姿にされてイジメられた過去があるし、簡単に土下座はするし、優しすぎる性格が裏目に出るしの全然、使えない男。

まあ一見、普通のあんちゃんようではあるのだが、実はかなりいっちゃってる男でもあるんですね、これが。
主人公なのに、ただ右往左往するばっかしの能無しヘナチョコだけれど、クライマックスで爆発させる‘成り切り’ぶりは、激カッコいい!


永瀬正敏演じるジョーこと花園丈の男気あふれるキャラにも注目。
坊主頭にヒゲ面で(驚くくらいキム兄にソックリあせる)颯爽とドカジャンを羽織る、粗暴粗野なワイルド男。

詰ってばかりいるものの、実は砧のことを彼なりに気にかけてもいる。(根は仲間思いの熱血漢?!)

万事休すの危機を逃げることなく立ち向かって切り抜けた砧に人間的な成長を見た彼は、多額のバイト代を手渡して砧をスマグラーから解放し表の世界に帰るように促す……という優しい一面を最後の最後で見せる。
渋い!痺れるぜ、ジョー!


石井作品常連、ジジイ役の我集院達也は、今回は眉毛がつながってない!(笑)。
口も行動も軽いお調子者でヘマもするが、いざという時の自分の役目はきちんとわきまえており、なにげに頼りになるオッチャンだ。


スマグラーを仕切る山岡役の松雪泰子。
メガネっ娘&ゴスロリファッション&ツンデレキャラは、一部マニアにはたまらないものがあるだろう?
クールで何があっても動じない肝っ魂ぶりはハンパない。

河島がコインをジャラジャラさせつつ握った両手を差し出し、
「どっ~っちだ?」
「……こっち?」
「どっちだっていいんだよ、バカ野郎!」
と(理不尽すぎるあせる)おもいっきりぶん殴られ、おもいっきりふっ飛んで鼻血タラ~~リになっても、クールさを崩さず……
「壊れたメガネ代、別枠で請求しとくからね!」

強い女!


背骨役の安藤政信も超強烈!
『バトルロワイヤル』での悪役も印象的だったが、今作ではそれを遥かに凌駕する悪役だ。

背骨は‘伝説の凶手’と呼ばれる凄腕の殺し屋で、背骨に添って背骨の刺青があり、顔や身体には無数の傷痕。
戦闘ではヌンチャク、または素手で仕留める。
毒を盛られても生き延びるタフさと、ショットガンの弾をも縦横無尽に躱すという超人的な身軽さも併せ持つ。
(『エクソシスト』のリーガンを彷彿とさせるスパイダーウォークまで披露!)

ブルース・リーとターミネーターを足して2で割ったような……無表情&無感情の最強の殺し屋だけれど……ラストで砧に対して初めて人間らしい感情を垣間見せる。
泣かせるぜ、背骨!


組長の若妻役、満島ひかりもメチャメチャいい!
強面の組員共を顎で指図し、ドスの効いたタンカも惚れ惚れするほどのカッコよさ。
それに何たって最後に背骨にとどめを刺したのは、彼女なのだ!

その満島ひかりがオドオドする妻夫木聡に対して、強い命令口調で見下して話すシーン……これって、『悪人』の時の関係と酷似するものが(笑)。

やっぱ満島ひかりは、性格が捩曲がった女の役が似合う。


そしてこの映画、最大にして最恐の超超超ぶっ飛びキャラ、パンチパーマがイケてる(?)ヘンタイ拷問マニアの河島。

高嶋政宏のキレッぷりは、異常どころの話じゃない。(ほとんど○○○イ)

MAXまで振り切れての怪演!(これがまた笑っちゃうくらいハマっている)

妻夫木を拷問するシーンもエグいが、チンピラを拷問するシーンも相当エグい、且つ大爆笑もの。

散々、殴る蹴るした後、やおらコブシ大の石をネクタイに巻き始め……頭を殴るのかと思いきや、なんと急所に一撃!
痛てっ~~痛すぎる( ̄□ ̄;)
しかもそれを何十発と繰り返すのだ!

すると子分が、
「あのぉ、死んじゃいましたけど」
「……あ!」
「バカ野郎!居場所聞き出す前に殺してどうすんだよ!ボケ!」
と怒り心頭の幹部に、
「すいません……」

狂気とオバカさが同居しているサイコーに愛すべき(?)キャラの持ち主の河島に拍手喝采を!?

それにしても『探偵はBARにいる』の高嶋弟といい、この作品の高嶋兄といい……高嶋兄弟は、これからどこに向かおうとしているのか!?(笑)。


このように、何本もスピンオフ作品が作れちゃいそうなくらい、個性的すぎるアクの強い危険な人物ばかりが登場してくる。


あとワンシーンだけ登場して、イヤ~~な雰囲気を撒き散らす松田翔太も印象に残る。(役名は警官Aだ!)

その松田翔太、なんと親子でこの映画に出ているのだ!

砧がDVDで映画を観ているシーンでスクリーンに映し出されるは……松田優作のアップ!
『野獣死すべし』での……狂気の表情の優作が拳銃を自らのコメカミにあてる……あの有名なシーンが使われているのです。
(時空を超えた夢の親子共演?)



石井克人監督の凝った映像と激しい演出でのバイオレンス描写は圧巻。
ハイスピードカメラを駆使したアクションシーンや、ストーリーが進むに従って変化していく妻夫木聡の表情も見もの。

また、クセモノ俳優たちが個性的なメイクや衣装で、完全に役柄を楽しんじゃってる雰囲気が伝わってくるのもいい。



ツッコミどころ満載のストーリーや、漫画チックなCGアクションなど、確信犯的に映画をぶっ壊し、「ついてこれる奴だけついてこい。嫌いな奴は観なくて結構」みたいな石井監督の気概と観客への挑戦が窺い知れる内容です。


冒頭10分で‘好き嫌い’がはっきりと別れるのではないだろうか?
嫌悪感を覚えて席を立ちたくなるか、はたまたスクリーンにかじりついて夢中になるか……。

石井監督の『鮫肌男と桃尻女』や、三池監督の一連のバイオレンス作品、またはタランティーノ、サム・ペキンパー作品などが好きな方には、特にオススメかなと。



ただ暴力描写は多いけれど、奇跡の(?)PG-12指定なので安心して観られます!?


MOVIXにて『スマグラー おまえの未来を運べ』を鑑賞。


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【出演】
妻夫木聡、永瀬正敏、松雪泰子、我修院達也、満島ひかり、安藤政信、テイ龍進、高嶋政宏、小日向文世、阿部力、津田寛治、寺島進、森下能幸、島田洋八、松田翔太、大杉漣


【監督】
石井克人




“運んでいるのは、お前の運命だ”




1999年、世紀末。


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25歳のフリーター・砧涼介は、工業地帯を走るトラックの車内で……運転をする仏頂面で寡黙な花園丈(ジョー)と彼をサポートするお調子者のジジイの横に座り、ほんの1ヶ月前のことを回想していた。

「何でこんなことになっちゃったんだ……」


砧は、『野獣死すべし』の松田優作に憧れて役者を目指し、学生演劇の世界に飛び込んだが、自分の理想とはかけ離れた毎日の稽古に嫌気がさし、所属していた劇団を退団。

理想だけは高いものの何の努力もせずに役者になる夢を自ら閉ざし……以来、パチスロに明け暮れる自堕落な生活を送っていた。


その日もパチスロの負けがこんでいた彼は、張が仕切る中国人グループの儲け話に思わず乗ってしまい……見事にダマされて、逆に300万円もの借金を背負ってしまう。


その莫大な借金を返済するため、張に連れられて裏社会の便利屋の仕事をしている山岡を訪ねる羽目に。


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「300万て大金だよ~あんた」
「…………」
「そういえばジジイのとこでひとり欠員が出たって言ってたな。やる?その仕事やるよね?」
「あ、あのどんな……」
「やるよね?」
「……はい」


こうして借金返済のため、彼女の紹介で日給5万円の‘運送屋=スマグラー’のアルバイトをすることになったのだ。


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一方、あるホテルの一室。
裏組織・田沼組の取引現場に、チャイニーズマフィア最強にして伝説の二人組の殺し屋・背骨と内臓が姿を現す。

彼らの目的は、組長の田沼春治の首。


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背骨の繰り出すヌンチャク攻撃の圧倒的な強さと速さで組員をあっという間に葬り去り……難なく田沼組のトップを追い詰める。


トラックの中では、運送の仕事を仕切るジョーと、その相棒のジジイの横でビクビクしながら小さくなっている砧。

「使えねえような奴、寄越しやがって」


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成り行きでこの二人とともに初仕事にかかった砧だったが、運んでいたものは……なんと死体だった!
背中に入れ墨が彫られた死体……。


「運び屋(スマグラー)」の仕事は、危険な荷物の運搬と処理。
高額の報酬の理由はそこにあったのだ。

決して陽の光には晒すことのできない、とんでもなくヤバい‘ブツ’の運搬と処理を極秘に行うこと。
仕事仲間も依頼主も裏社会に生きる筋金入りのプロで、いずれも強烈な個性を放っている怖そうな連中ばかり。


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その仕事をきっかけに、自分が飛び込んだ世界が、たった一度のミスすら命取りになる死と隣り合わせの世界であることを、やがて砧は嫌でも知ることになる……。


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砧たちが運んだ荷物は、田沼組長の死体だった。

組長を失った田沼組の幹部・西尾、河島らが動き出す。


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そして、その様子を冷ややかに見つめる組長の若妻・ちはる。


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殺した相手が背骨、内臓だと判明し、やがて砧たちのもとに新たな依頼が舞い込む。


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それは想像を絶する代物!

仕事の内容は、「実行犯である殺し屋の背骨を田沼組の元へ運ぶ」というものだった。

そんな砧らに、纏わり付くちはる。


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「女は邪魔だ。失せろ!」
「依頼主にそんな口きいていいのかよ」
「お前が依頼した?」


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ちはるの思惑とは?


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砧は背骨を監視する役割を与えられたが、彼に親近感を持ったことから油断をしてしまい、逃げられてしまう。


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当然、失敗は許されないのにも関わらず砧は、その人のよさが災いして、人生最悪の失敗をしてしまった!

「このままだと俺たちが殺られちまう。砧、お前が責任とれ」
「え?」
「奴らは背骨の顔を知らない。だからお前が背骨になれ。お前が背骨ということにして差し出す」
「そんな……無理ですよ!」
「お前、役者目指してたんだろ!一世一代の大芝居見せてみろ!背骨になりきれ!」
「…………」
「心配すんな。俺が背骨を見つけ出して取っ捕まえる。必ず助けに行く……それまで耐えろ。どんなことをされても耐えろ」

ジョーのこの言葉によって死地の中での覚悟を決め、自らが背骨の代役として暴力団の元に差し出されることになる砧。


もはや死を覚悟するしかないのか?

だが、生と死をリアルに感じるその絶体絶命の大ピンチの中、これまで真剣に生きることを放棄してきた彼が、初めて自分で決意し、一世一代の大芝居に打って出る!


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果たしてその運命は……!?


「逃げるな!今までみたく逃げてちゃダメだ!演じろ、演じるんだ!俺は……俺は背骨だーー!」


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