エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて -11ページ目

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『運命じゃない人』


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【出演】
中村靖日、霧島れいか、山中聡、眞島秀和、山下規介、板谷由夏


【監督】
内田けんじ




“日本一いい人と大金をめぐる……男女5人の一晩の物語”


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〈21:00〉
婚約破棄となり、二人で住む家を出てきた桑田真紀。
婚約指輪を質屋に持って行ったが3500円にしかならず、ひとりで入ったレストランはカップル、家族、友達同士で賑わっている。
寂しさがこみ上げて来て泣きそうになったその時、前のテーブルの男がナンパしてきた。
「一緒にお食事しませんか?」

真紀はためらうことなくすぐに席を移動した。


〈17:00〉
仕事中のサラリーマン・宮田武。
パソコンで別れた彼女・あゆみの写真を見ては深いため息をついている。


〈20:00〉
宮田がマンションに帰宅した途端、携帯が鳴った……親友の神田からだ。

「これから飯を食おうぜ」
が、疲れている宮田は外出するのを渋っていると……
「大事な話がある。あゆみちゃんのことだ」
そう言われた途端、勢いよく家を飛び出して行った。


〈21:00〉
レストランで宮田が待っていると神田が遅れてやって来た。

「あゆみのことって?」
「街で偶然会った。近々結婚するらしい」
「…………」

あゆみはある日、結婚前提で購入したマンションから突然姿を消してしまったままだった。
宮田は、そんなひどい仕打ちをされたのに、あゆみが気がかりで仕方がない様子だ。
「彼女のことなんか忘れて新しい出会いを探せよ」
と、急に後ろのテーブルに座っている女(真紀)に声をかけるのだった。


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「一緒にお食事しませんか?」

こうして3人は一緒に食事をすることに。
自己紹介が終わり、神田がトイレに立つが、なかなか戻ってこない。
宮田が心配して探しに行くも、神田の姿はどこにもなく……携帯に電話をすると「急に仕事が入った」とすぐに切られてしまう。

初対面の真紀との会話に緊張しながらも食事を終え、真紀を送ろうとするが……。

「家はありません」
「え?」

真紀は、一緒に暮らしていた恋人との婚約が破棄になり家を出たため、帰るところがないという。

宮田はそんな真紀を放っておく事ができず、
「僕の家に泊まりますか?」
人の良さそうな宮田に安心した真紀はその申し出を受け入れ、二人は宮田の家に向った。


〈1:00〉
マンションに到着し、宮田は真紀を寝室へ案内する。


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部屋の隅にあるダンボールを真紀が不思議そうに眺めていると、
「それは前の彼女のものです。一週間で出て行っちゃったんですけどね」
と、あゆみとのこれまでの経緯を話す。
宮田に同情し、思わず彼を抱きしめてしまう真紀。

ぎこちない空気が流れるところへ……玄関のチャイムが鳴った。

やってきたのは、なんと行方知れずだったあゆみだった。

「荷物を取りに来ただけだから」
悪びれもせず、ズカズカと上がりこむ。

そんな自分勝手なあゆみの態度に真紀は文句を言うと、
「わたし、帰ります」

宮田はすぐに後を追いかけ、家に戻るように説得するが、それでも真紀はタクシーに乗ってしまう。


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しかし宮田は走り出したタクシーを全速力で追いかけ、真紀に電話番号を教えてほしいとお願いする。
当惑する真紀だったが、真剣な表情の宮田に根負けし、電話番号を書いた紙をそっと差し出す。

タクシーが去った後……ガッツポーズで小躍りする宮田。
その宮田の脇を通り過ぎて行く一台の車。


〈19:00〉
神田が経営する探偵事務所。
入口であゆみが待っていた。
神田は嫌々ながら、あゆみを事務所に入れる。

「相談があるの」
「あんたの正体はわかってるんだよ。宮田の話を聞いて、なんかおかしいと思って、イロイロ調べさせてもらった」

あゆみは、結婚するといっては男を次々と騙し、金をむしり取る詐欺師だったのだ。

「なんで宮田を騙した!?」
「そんなことよりお願いがあるんだけど」

実業家だと思っていた新たなターゲットの浅井という男が、実はヤクザの組長であり、「彼の元から逃がして欲しい」というのだ。
あゆみが持って来たアタッシュケースを開けると……そこには組の金庫から持ち逃げしてきた2,000万円分の札束が入っていた。
「海外へ逃げるから、宮田のマンションに置いて来たパスポートを持ってきて欲しいの」

親友の宮田がトラブルに巻き込まれないようにするために神田は、
「100万円の報酬をもらうこと、そして2,000万円は浅井に返すこと。それを約束すればその依頼を引き受けてもいい」
「嫌、お金は返さない」
「女に逃げられた上に、金まで持っていかれたら、ヤクザは地の果てまで追ってくるぞ。そしたら、あんた逃げ切れないよ」

あゆみは、渋々承知するが……。


〈19:45〉
神田の持つ合鍵で宮田のマンションに侵入する二人。
あゆみが寝室でパスポートを探している間、神田はトイレへ。
するとその時、宮田が帰宅してきた!
困った神田はトイレから携帯で宮田へ電話し、「飯を食おう」と外へ誘い出そうとするが、なかなか宮田は承知しない。

「大事な話がある。あゆみちゃんのことだ」
その言葉を聞いた宮田は、慌てて家を飛び出して行った。


〈20:40〉
パスポートを無事に手に入れ、今度は神田がバイク便に変装し、金を浅井の組事務所へ戻しに行くことにする。
アタッシュケースを事務所の前に置いて立ち去ろうとしたその時、不審に思った組員から追いかけられるがなんとか逃げることに成功。


〈21:30〉
神田はすべてを無事に成し遂げ、先ほど誘い出した宮田の待つレストランに。
何事もなかったかのように宮田と会い、そして真紀をナンパし、三人で自己紹介をしているところに……先ほどの組員たちが入って来た。
神田はトイレへ隠れようとするが、捕まってしまい、浅井の組事務所へと連れて行かれてしまう。


〈3:00〉
拘束されている神田の前に、浅井があゆみを連れてやってくる。
神田が先ほど事務所へ届けたアタッシュケースを開けて見せると……その中には、なんと大量の女性用の下着と神田の名刺が入っていた!

「いくら何でも、ここまでヤクザをコケにはしないよなぁ」

驚く神田を見て浅井は、「神田もあゆみに騙されていた」と確信し、神田を解放するのだった。


〈7:00〉
ヘトヘトになって神田は家路に着くが……はっと思い立ち、宮田のマンションへ向う。
寝ている宮田を起こし、慌ててあゆみの荷物の元へ急ぐ。

‘あゆみがここでアタッシュケースの中身を入れ替えたとすれば、荷物の入ったダンボールの中に大金があるはずだ’と思ったのだ。
が、部屋にはすでに荷物はなかった。

宮田は真紀との出会いにより過去を忘れようと決め、「あゆみの荷物は今朝、捨てたよ」

神田は呆然と腰が抜けたように力なく座り込むしかなかった。


〈18:00〉
浅井の組事務所。
浅井は、組員たちにアタッシュケースに入った札束を見せつけている。
ところが、実はこの大金は、組の経営が苦しいことから、一番上と下だけが本物で後はただの紙切れという偽札束だった。

そこへあゆみが入ってくる。
浅井はあゆみに「食事でも行こう」と連れ出すが、店へと向う途中、あゆみは、
「忘れ物をしたから先にお店に行ってて」
そう告げると、ひとり事務所へ引き返す。

浅井はなかなかあゆみが来ないことを不審に思い、事務所へ戻ると……偽札束は全て盗まれていた。
組員総出であゆみを探していると、不審な男(神田)がアタッシュケースを事務所の前に置いていった。

偽札束がばれたら大変だと浅井がこっそり開けると……中には女性の下着と神田という探偵の名刺が入っていた。
浅井はその名刺を頼りに、神田の事務所へと急ぐ。


〈21:20〉
浅井が探偵事務所の鍵をこじ開け中を探っていると、あゆみに関する資料が見つかる。
そこには、浅井の知らない顔のあゆみの写真、あゆみが騙してきた男たち、その被害額などが細かくファイルされていた。
最新の被害者となっている男、宮田の写真と住所もあった。
そこへ組員から「神田を捕まえた」との連絡が入る。

「よし、いいか、何も喋らせるなよ。俺が戻るまで一言も喋らせるな」
そう指示し、浅井は宮田のマンションへと向い……。


〈24:30〉
宮田の家の鍵もこじ開け中に入った浅井は、寝室のダンボールの中に偽札束を発見するが……そこへ真紀を連れた宮田が帰宅してきてしまう。
慌ててベッドの下に隠れる浅井。
その目の前で話し込む宮田と真紀。
そして玄関のチャイムが鳴り、あゆみがやって来るアタッシュケースからこっそり移した金を取りに来たのだ。

二人が押し問答をしている間、寝室にいた真紀はふとしたことから偽札束を見つけてしまう!
少し考えてから札束を自分のカバンに入れると……寝室を出て行った。

真紀を追いかけて宮田が出ていくと、あゆみは寝室へと入って行く。

「おい!」
「……え!?え?なんで、ここに?」
「咄嗟だと上手い嘘も出てこねえってか?話は事務所でじっくりと聞こうか」

浅井はあゆみを連れ、神田が拘束されている組事務所へと帰って行く。


〈8:00〉
何も知らない幸せそうな宮田と疲れ果てた神田。
二人で朝食を取りながら、宮田は早速、昨日教えてもらった真紀の携帯番号にかけてみるが……繋がらない。


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「あれ?書き間違えたのかな?」
「んな訳ないだろ。それは嘘の番号!お前は騙されたんだよ」
「真紀さんは、そんな女性じゃないよ」
「そういう女性なの!女なんて、みんなそうなんだって」
「これ6じゃなくて8なのかなぁ?」
「騙されたって気付けよ!」
「だから、そんな女性じゃないんだってば」


大金の入ったカバンを抱え、駅前に座り込み物思いにふけっている真紀だったが……意を決したように、その場から立ち去る。

そして……真紀が向った先は……。




一晩の物語を5人の登場人物それぞれの視点で、時間も縦横に行き来しながら描いていくタイム・スパイラル・ムービー。


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疑うことを知らない日本一いい人・宮田。
宮田の親友の探偵・神田。
お金大好き女詐欺師・あゆみ。
婚約破棄で自暴自棄・真紀。
組織の経営に悩むヤクザ組長・浅井。

この5人がそれぞれの場面での主人公となる。


どこにでもいる気弱そうなサラリーマンの宮田は、人から頼みごとをされても断れず、どんなに騙されても疑うことを知らない日本一のいい人。
彼女にふられてへこむ彼が、親友である探偵の神田にレストランに呼び出され、婚約を破棄されたばかりの見知らぬ女性の真紀と意気投合。
その裏では、ヤクザの組長・浅井と女詐欺師のあゆみが絡む……もうひとつの事件が進行していた!

宮田がふられた彼女を忘れるため、ほんのちょっとの勇気を出した一晩のほのぼのとしたラブコメ……の様相から一変、物語は予想もつかない展開を見せます。

繰り広げられる様々なエピソードを、それぞれの視点から描いていくことにより、まったく違う夜に変わっていく。
お互いの意外な関係性、そして彼らを翻弄する2,000万円の行方が明らかになっていき、まるでパズルのピースがどんどんはまっていくようなカタルシスをもたらす。
すべての謎が解けた時、宮田の純情が起こす小さな奇跡?!



5人の核に位置する宮田の物語が終わりそうになると、別の人物によって同じ夜の物語がリスタートされ、見えなかった部分でシンクロしていく。

イロイロな要素が絡み合って展開されるストーリー、練りに練り上げられた脚本と構成はお見事の一言!
(時間軸に沿って展開されれば何てことのない話なのですが?)



結局、真紀とは連絡が取れず、宮田は可哀相なままで物語の幕は閉じ、エンドロールが映し出され……と突然、画面が止まり(一瞬、DVDの故障かと勘違いして焦ったあせる)……もう一度物語に戻って、真紀の姿が映し出されます。

駅前のベンチで大金をじっと見つめる真紀は、意を決したように立ち上がると歩きだす。
彼女が向かった先は……宮田のマンション。
ドアの前に佇む真紀。とそこに、メモを見ながらひとりの男がやって来て、その隣に立つ。
ここでエンドロールとなるのですが、後からやって来た男は誰なんだ???……としばし考え込んでしまい……やっと冒頭のシーンを思い出した。

「彼女と過ごすのにお前の部屋を貸してくれ」と強引に頼んでいた(『アパートの鍵貸します』へのオマージュ風な?)宮田の会社の同僚だったんですね。(完全に忘れてましたあせる

実はこの同僚、24歳の看護師と付き合っているという設定。
そして、女詐欺師であるあゆみの看護師姿の資料写真も出てくるので「もしや、この男もあゆみに?」と思ったら、オーディオコメンタリーの内田監督の話によると全く関係ないらしい。

でもそんな風に深読みしちゃうくらい、いろんな解釈ができてしまうのもこの作品の面白いとこ。

例えば、真紀が婚約破棄をした理由としてこんな台詞がある。
「彼氏の車の中で赤い口紅がついたタバコの吸い殻を見つけたんです。メンソールの。あぁ、これは浮気してるなぁって」

メンソールのタバコ……劇中では真っ赤な口紅のあゆみがメンソールの(たぶん)タバコを吹かすシーンが何度か登場する。
ということは……真紀の彼氏の浮気(騙されていた)相手は、あゆみだった???……なんて推測も成り立つ訳です。


さりげなく伏線が張られているし、ちょっとした違和感の残る台詞や微妙に不自然な仕草などが、後に重要な意味を持っていたりもするので、油断しつつ観ているとついていけなくなるかも?!



映画が終わってからも「あれはこうなのか?」「実はこう繋がっているのか?」と、観客に想像の余韻を残す内田監督の演出も秀逸。

話の筋としては単純なのに、深読みすればいくらでもできてしまう……そんな映画。



宮田役の中村靖日の自然体ですっ惚けた味わいが、何とも可笑しい。

いきなり真紀に抱き着かれた際の‘足の演技’は大爆笑ものです。
あの爪先立ちがサイコーに可笑しい(笑)。


あと便利屋山ちゃんとタクシーの運転手にも注目を~~メッチャいい味出してます!



脚本と役者が良ければ、これだけ面白いものができるという見本のような大傑作!

一度だけではこの作品の本当の面白さは分からない。
ていうか、絶対にもう一度観ないと気が済まなくなること間違いなし!



『闇の子供たち』


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【出演】
江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市、鈴木砂羽、豊原功補、三浦誠己、塩見三省


【監督・脚本】
阪本順治




“値札のついた命”




日本新聞社バンコク市局の記者・南部浩行が、東京本社の社会部からあるネタの調査を依頼される。


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それは「近いうちに日本人の子供がタイに渡り、臓器移植手術を受けるらしい」との情報だった。


闇社会の事情に通じるタイ人の知人に金を握らせた南部は、臓器移植の元仲介者に接触。

その男から聞きだしたのは、「提供者の子供が生きたまま臓器をえぐり取られる」という衝撃の事実だった!

そのことを東京の社会部に報告した南部は、さらなる取材を決意する。


その頃、若い日本人女性・音羽恵子がバンコクの社会福祉センタ―に到着した。
東京の大学で社会福祉を学んだ彼女は、アジアの子供たちのために何かをしたいという思いで、このセンターにやってきたのだ。


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女性所長・ナパポーンのスラム街の視察に同行した恵子は、そこでバンコクの貧民層の厳しい現実を目の当たりにする。

ナパポーンの気がかりは、読み書きを教えていたアランヤ―という少女が最近センターに姿を見せなくなったことだった。

そのことをアランヤーの親に問い質すものの、彼女は仕事が忙しくてそれどころではないという。


そして……恵子たちは、取材のためセンターを訪れた南部から子供の臓器移植手術の情報を聞かされ、戦慄を覚える。


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実はアランヤーはチェンライの街の一角にある売春宿に売り飛ばされていた。

マフィアが仕切るこの売春宿には大勢の子供たちが劣悪な監禁部屋に閉じ込められ、欧米や日本から来た児童性愛者の相手を強いられている。


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客の要求を拒んだ子供は容赦ない暴力で痛めつけられ、病気で弱りきった子供は、ゴミのように捨てられてしまう。


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ある朝、売春宿からトラックに乗せられた黒いゴミ袋には、エイズを発症したヤイルーンという少女が包まれていた。

ヤイルーンと入れ替わるようにして、彼女の妹のセンラーがマフィアの男に連れられて売春宿にやってきた。
今日からセンラーも外国人客を相手に身を売ることになるのだ。


そんなある日、アランヤーからの助けを求める手紙がセンターに届く。

恵子らはチェンライに向かい、売春宿の場所を探りあてるが、警察は証拠不十分として動こうとしない。

自力でを救い出そうにも、マフィアの監視の目に妨げられてどうすることも出来なかった。


一旦、東京に帰った南部と恵子は、最初に臓器移植手術のネタを掴んだ記者・清水と合流し、梶川という商社マンの自宅を訪ねる。
彼こそはタイで手術を受けようとしてい子供の父親なのだ。


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しかし、その取材は、
「人の命をお金で買うんですか!」
と恵子が叫んだために決裂してしまう。

恵子の願いは、今まさに命の危機にさらされている子供を助けること。
一方、南部は、
「ひとりを救っても新たな犠牲者が出るのだから、それを食い止める方法を見つけるべきだ」

子供を救うという目的は同じでも、ふたりの間には決定的な亀裂が生じていた。


やがてタイに戻った恵子は無力感に打ちのめされながらも、売春宿から新たに捨てられたゴミ袋の中から、病に冒されたアランヤーの救出に成功。


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彼女と別行動をとる南部は、日本人フリーカメラマンの青年・与田を協力者として迎え、臓器移植者の子供が病院に連れてこられる決定的瞬間を撮影しようと試みる。


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が、マフィアに拳銃で脅され、子供たちを救おうともがき苦しむ南部は、人間の内に潜む真の闇と向き合うはめになるが……。


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タイで横行する幼児売春や人身売買という現実に鋭く切り込む社会派ドラマ。



誰もが目を背けたくなる現実を真正面から凝視していく。
何の罪もない無垢な子供たちが、欲望まみれの大人たちのエゴに蹂躙され、虫けらのように扱われる。

売春宿に監禁された彼らは、幼児性愛者の外国人客のセックスの玩具にされて心身共に耐えがたい傷を負い、病気にかかればゴミ同然に捨てられてしまう。

本作は、子供たちの生命のきらめきをすくい取るとともに、マフィアの暴力、性的虐待を犯す観光客の醜さをリアルに描写していきます。


事件を追っていた南部が、タイ人のブローカーから言い放たれる言葉は強烈。

「日本人が買春ツアーで子供を買って楽しんでいるんだ。反吐が出るような日本人どもがな」



全編、重苦しい展開だが、ラストは売春宿が摘発され、少年少女たちは無事に救い出されて……唯一、光明が感じられるシーンで幕が閉じる……かと思いきや、最後の最後に驚愕のとんでもないオチが待っている。

何事にも屈服せずに事件を取材していた正義感あふれる記者・南部の裏に隠されていた衝撃の真実!


救い出された子供を離れた場所から見ていた南部の脳裏にある光景がフラッシュバックする。

暗い廊下を手をつないで歩く南部と少年……。

そして南部はいきなり地面に突っ伏して狂ったように号泣するのだ。


シーンは変わり、南部の部屋を整理する与田と清水の姿を映し出す。
何も説明はされないが、南部は死んだ(自殺?)したと推測できる。

その時、壁を覆っていた布を剥がした与田が目にしたのは……。
鏡の周りに世界中で発生した幼児買春・虐待の新聞記事が所狭しと貼り付けられていたのである。

次に与田は額の中の男の子の写真に着目し、
「これって南部さんの息子さんなんですよね?」
(与田は以前、南部からそう聞かされていた)

ところが清水は、
「いや、あいつには娘しかいないよ」

ではこの写真の男の子は誰?
そして壁の新聞記事の意味は?


この説明も一切されることなく謎を残して映画は終わるのですが、このように解釈できる。

実は南部は児童性愛者で、少年を買春した過去があった。
そんな自分を戒めるために、‘鏡’の周りに記事を貼り付けてあったと。

写真の子供は、おそらく南部がかつて愛してしまった少年。


南部はその罪悪感にずっと苛まれ、闇の世界で苦しんでいたのでしょう。

日ハムの大平選手、戦力外になってしまったんですね。

トライアウトを受けたようですが、今のところどの球団からも声はかかっていないようです。


大平選手といえば、仲さんとは長崎での中学時代の同級生。

仲さんファンであり、日ハムファンでもある自分としては、ずっと応援していたのですが……結局、一軍未経験のままプロを去ってしまうのか?!



それにしてもダルビッシュのメジャー移籍は痛いなぁ……来年の日ハム、大丈夫かなぁ(-_-;