『となり町戦争』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『となり町戦争』


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【出演】
江口洋介、原田知世、瑛太、菅田俊、余貴美子、岩松了、柴本幸


【監督】
渡辺謙作




“業務なら戦争も許される。戦争なら殺し合いも許される……つまり業務なら殺し合いも許される”




〈舞坂町はとなり町・森見町と戦争を始めます。開戦日5月7日〉


舞坂町に暮らし始めて一年、北原修路は町の広報紙でとなりの森見町と戦争が始まる事を知る。

しかし、開戦初日を迎えても町の様子に変化はなく、戦争を実感することは何一つなかった。
広報紙に掲載される戦死者数を除いては……。


数日後、‘対森見町戦争推進室’の香西瑞希から電話があり、特別偵察業務辞令の交付式への出席を促され……その業務の延長として、北原は敵地へ潜入するため香西と結婚することに!


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淡々とした日常生活の中に侵食した戦争。


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北原は、知らず知らずのうちにその戦争の中心に入り込んでいた!


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戦争の本質的な不気味さを描いた不条理人間ドラマ。


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となり町同士の戦争という一見、シュールなシチュエーション。
しかし、そのテーマが表すものは戦争、地方自治行政、そして男女の感情……それらが一線を越える先に見える現実。


戦争という‘業務’で繋がれた北原と香西。

戦争の真実の姿と、いつしか芽生える恋の行方がリアルに綴られていきます。



行政事業としての戦争をあくまでも業務として遂行する町民たち。

戦争である以上、人は死に、愛国心ならぬ‘愛町心’を胸に志願した兵士たちは血を流し倒れて行くが、しょせん死者は統計上の数字に過ぎないのです。


戦時下であることを全く実感できないまま否応なく戦争に取り込まれて行く北原と、一切の感情を押し殺し任務を淡々とこなす町役場の香西の関係が変化していく様子がなかなか面白い。