『サイドウェイズ』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『サイドウェイズ』


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【出演】
小日向文世、生瀬勝久、菊地凛子、鈴木京香


【監督】
チェリン・グラック



‘40を過ぎても大人になりきれない男たちの物語’




20年前の留学生時代の親友、上原大介の結婚式へ出席するために渡米した売れないシナリオライターの斉藤道雄。

連ドラの仕事をしたのは遥か昔、今やシナリオスクールの講師に納まっている。

かたや大介は元俳優で、今はロサンゼルスのレストランの雇われ店長……そしてオーナーの娘と結婚することになっていた。


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空港まで迎えに来た大介と一緒に、男二人でウエスト・コーストのドライブ旅行へ繰り出すことになるが……その前に婚約者の家を訪れた二人。

「日本で有名な脚本家なんですって?」
「そうなんですよ、彼はクロサワの映画もやったことがあります」
「おいおい!」
「大丈夫だよ。どうせアメリカ人は字幕の付いた映画なんか観ないって」


ナパ・バレーのワイナリー巡りをしたい道雄と、ラスベガスで独身最後の日々を謳歌したい大介。

旅の行き先でモメるが、学生時代の道雄の片想いの相手、田中麻有子がベイエリアにいると知り、ナパを目指すことに。
苦い思い出が宿る赤いムスタングに乗って。


ナパの町に到着早々、道雄と大介は麻有子が勤めるワインショップを訪ねるが、麻有子は出張中だった。


Sunday-日曜日-

道雄は念願のワイナリー巡りを開始し、ナンパ目的の大介も同行する。


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その夜、二人はレストランで偶然にも麻有子と再会!

道雄は、彼女の成熟ぶりにショックを受け、大介は麻有子の友人ミナ・パーカーに目をつける。

彼が出演したヒーロー番組『キャプテン・ニンジャ』のファンだったというミナを口説き、まんまと電話番号をゲットすることに成功。


Monday-月曜日-

ミナが働くカフェで朝食を取った大介と道雄。

その後、大介は結婚パーティ用のワインをピックアップするためワイナリーへ。
道雄は、麻有子の付添いをすることになった。


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訪れたのは、セントヘレナのワイナリー。
5年前、ここへやって来た麻有子と夫が予約したワインを道雄が夫のフリをして引き取るのが目的だった。

用事を終えたあと、麻有子は自分が歩んできた道のりを道雄に話す。

「5年前まで有名デパート創業者一族の御曹司の夫人として日本で暮らしていた」
「ワインを注文してまもなく離婚し、必死に頑張って現在の生活を築きあげた」

かたや道雄も、1年前に同棲相手に出て行かれたことを打ち明ける。


夜、ワインを「全部飲んでしまおう」という道雄の提案に従って、ホームパーティを開く。
一方、ミナといいムードになった大介は、その晩モーテルに戻らなかった……。


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Tuesday-火曜日-

麻有子に夕食に誘われた道雄は、リラックス・モードで昔話に花を咲かせ、キスを交わすが……。

「日本に帰ってきた方がいい」
と口走ったことから、一気にムードは険悪化。
道雄は逃げるようにモーテルへ帰ってしまう。


Wednesday-水曜日-

ミナ、大介、道雄、麻有子はピクニックに出かけたが、昨夜のことが尾を引いて道雄と麻有子はちょっと気まずい。


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それでも十分楽しい1日を過ごした後、大介は自分の気持ちが真剣にミナに傾き始めたことに気づく。


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夜、道雄のもとに日本のTV局から連絡が入る。
留学生活を題材にしたシナリオのドラマ化が決まりそうだとのこと。道雄は幸せな気持ちで眠りについた。


Thursday-木曜日-

大介の結婚話が麻有子にバレた!
烈火のごとく怒った麻有子に、「
大事なことを隠していた」
と責められる道雄。

罪悪感にかられた彼は、大介あての電話に応答したミナに真相をばらしてしまう。
結果、ミナにフライパンで殴られて顔面を負傷する大介。


Friday-金曜日-

道雄の元に電話がかかってきた。
ドラマ化は決まったが、肝心のシナリオは道雄の教え子が書き直したものが使われるという。
プライドを傷つけられた怒りから、ワインをガブ飲みして大暴れ。

その様子を呆れて見守っていた大介は、冷静さを取り戻した道雄がゴミ箱に捨てたシナリオを拾い上げると、それを内緒で麻有子の元に届ける。

それから二人はロサンゼルスに向けて出発。
ところが大介は、何を思ったか、ムスタングを道路わきの大木にぶつける……「顔の怪我の言い訳のために事故を装う」と言うのだ。

「結婚がミナにバレたのは自分のせいだ」
思わずそう告白する道雄。


Saturday-土曜日-

大介とローラの結婚式は無事に終了。

別れ際、ムスタングのキーを渡された道雄は、麻有子に会いに行くため再びナパに向けて車を走らせる。

「電話をしてから行け」という大介のアドバイスに従って、麻有子の留守番電話にこうメッセージを吹き込む。

「ワインの美味しさを分かち合いたい一番大切な人に会いに行きます。君も同じ気持ちでいてくれるなら、ドアを開けてください」


「随分と遠回りした気がする」
と道雄。
「最短距離がベストの選択とは限らない」
大介は笑顔で送り出す!


果たして、道雄の思いは麻有子の心に届くのか!?




人生のちょっとした寄り道に想いを馳せる……。
そんな、人生の折り返し点を過ぎた大人のハートフルコメディ。



全編カリフォルニアを舞台に展開する物語。

不器用で融通のきかない性格が災いし、負け組人生を歩んできた道雄。

チャランポランな性格で、ナンパの達人の大介。

‘最も情けなさそうな二人組’を演じる小日向文世と生瀬勝久のコンビが秀逸です。



笑えるエピソード満載で綴られるダメ男二人の珍道中。

その中から浮かび上がってくるメッセージは……「人生の寄り道」に、思いがけない出会いや発見、そして幸福があるかもしれないということ。


人生の折り返し地点に達しても、まだまだこれからいいことがある!

そんな気分にさせてくれる作品でした。