
【出演】
瀬戸康史、桜庭ななみ、桐谷美玲、IMALU、田中圭、吉瀬美智子、RIKACO、中村敦夫、田辺誠一、西岡徳馬、いとうまい子、七瀬なつみ、菅田俊、つみきみほ、手塚とおる、風間トオル
【監督】
大谷健太郎
‘信じていれば、必ず変われる’

「私たちは運命の出会いをした」

東京・月島。
下町の風情が残る商店街。
高校2年の塚本芽衣(メイ)は、控えめで大人しい性格だが芯は強く、キレイな心の持ち主の女の子。
実家は昔ながらの床屋を経営している。
そのメイの親友・秋川杏奈(アンナ)。
もんじゃ屋のひとり娘で、クラブが大好き。ちょいワル女子を気取ってはいるが、本当は前向きで純粋な性格の持ち主だ。
ある日、メイは母親のお見舞いで訪れた病院で、車椅子の女の子・宮本きららが落としたお金を拾ってあげた時に、ひとりの男の子と出会う。
「もしかして、月島高校?」
「はい」
「僕、明日から月島の生徒になるんだ。よろしく!」
その笑顔に思わず見とれてしまうメイ。
翌日、担任と共に現れた転校生は……あの時の男の子、溝呂木美糸(ビート)だった。
彼はオシャレが大好きで裁縫が得意。高校生とは思えないデザイン力、カッコいい服を次々と生み出すモードの天才で、好きな言葉は‘ポテンシャル’。
幼馴染みのきららの転院に合わせて田舎から月島へ来て、疎遠になっている有名デザイナーの父親・隼人の元で暮らすことになっていた。
転入早々、クラスで最もイケてない犬田悟(ワンダ)がいじめられている場面に遭遇。
彼は超小心者のパソコン・オタク。しかも‘ひきこもり’の影響で、みんなよりも2歳年上だ。
「オッサン、2年もダブっててよく学校に来れるよな」
とバカにされても、反論する勇気さえない。
高飛車な性格で女王様気取りの……雑誌などで活躍する超人気モデル・立花美姫(ミキティ)に、授業のノートを取らされたり、美姫の下僕・郷田にパシリ扱いされたりと……散々な目に遭っている毎日。
ワンダはとうとう耐え切れず、途中で自宅に帰ってしまう。
ビートはメイと一緒に、ワンダの家を訪ね……。
そして、こう宣言する!
「お前をクラスで一番格好いい男にする!」
こうして‘ワンダ改造作戦’開始!
翌朝、ボサボサ髪をカットし、オシャレな服に身を包んで登校してきたワンダは、クラス全員が目を見張るくらい大変身のイケメンぶりだった!
今までいじめていたミキティも、すっかり豹変。
「ホントにワンダ……だよね?別人じゃん」
そしてビートの描いたデザイン、スタイリングにみんなは驚き……と同時に彼を中心にして文化祭恒例のクラスの出し物であるファッションショーに取り組むことになる。
ところがそんな時……彼らは驚くべき事実を耳にしてしまう!
「生徒数の減少により、月島高校は今年度限りで廃校になります」
全員ショックを隠せず、うちひしがれる中……
「最後の文化祭なんだよ。やろうよ!」
メイのこの一言がみんなのやる気を促したかにみえたが……。
さらに翌日、もっと驚くべきものを目にしてしまう。
ネット上で流れているCMで、あのビートのデザインに酷似した服を着たミキティがポージングを決めているではないか!
どちらがパクったのか?
そんな疑惑の渦に巻き込まれ、ショーは自然消滅してしまい……。
「お前、パクったのかよ!?」
「……もうどうでもいいよ、そんなこと」
大人の世界の汚さに嫌気がさし、この日以来ビートは学校へ来なくなってしまう。
そんな彼を心配するメイときらら。
彼女たちのビートへの想いが、彼の背中を押す。

「やろう、もう一度みんなでファッションショー!」
父親とぶつかることを恐れていたビートも、遂に父親と対峙し一歩踏み出そうと決心を。
そんな時、ミキティは学校最後の日に、最大手アパレルから自分の意思と反する洋服を着るショーに参加するよう要求される。
クラスのみんなはどうなっていくのか?
果たして、ファッションショーは成功するのか?
そしてメイの思いはビートに届くのか?

今の自分たちにしかできないことをやろう!
ほんのちょっとの勇気が、運命を変える!
ファッションを通して、誰もが心に持っている‘変わりたい’という気持ちを応援し、夢と勇気を与えてくれる青春群像劇。

みんなが力を合わせて作り上げたファッションショーには、思わず胸が熱くなり、学生時代の学園祭の楽しかったお祭り気分が甦ってきます。
夢を追いかけるパワーと純粋な想い、繊細な心の揺れを見事に描いた爽やかな青春映画です。
中心人物の5人を演じる若手俳優がそれぞれ好演。

特に桜庭ななみがいい!
ビートに対する切ない思いを話している内に、ポロポロと涙を流すシーンは必見です。
モデル兼女子高生のミキティを演じた桐谷美玲も魅力たっぷり。
彼女が着るロンドン・アヴァンギャルド風の赤い服がメチャメチャ可愛い!
また田辺誠一、風間トオルといったメンノンのモデル出身の二人をキャスティングしている辺りも心憎いものがあります。
(それから、きらら役だった女優……若い頃の原田知世に激似!……と思ったのは自分だけ!?)
正直、ベタなストーリー展開。
でも青春映画はこれでいいんだ……と納得させられるような潔い演出が心地良い、清々しさが残る作品でした!

ところで……主人公の名前が溝呂木。
ん!?溝呂木……どこかで聞いたような

