【出演】
竹野内豊、唐沢寿明、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、岡田義徳、阿部サダヲ、ショーン・マクゴーウァン、ダニエル・ボールドウィン、トリート・ウィリアムズ、板尾創路、光石研、柄本時生、近藤芳正、酒井敏也、ベンガル
【監督】
平山秀幸
‘65年の時を超えて、彼の想いが私たちの心を震わせる’
1944年、太平洋戦争末期。
玉砕の島サイパンに、アメリカ軍から‘フォックス’と呼ばれ、畏れられたひとりの日本人がいた。
その名は……大場栄大尉。
僅か47人になりながらも仲間の兵士たちと共に16ヶ月もの間に渡って敵に立ち向かい、多くの民間人を守り抜いた。
彼の誇り高き魂が、味方の日本人だけでなく敵側のアメリカ人の心も大きく動かしていく……。
これは絶望的な状況の中、最後まで諦めずに生き抜いた名もなき兵士と、その仲間たちの実話に基づく真実の物語である。
太平洋戦争末期―1944年6月。
陸軍歩兵第18連隊・大場栄大尉は、日本から2000キロ余り離れた北マリアナ諸島サイパン島へ送られる。
当時、サイパン島は日本が統治し、軍司拠点としても重要な位置を占めており、この南洋の小さな島を死守することが大場たち日本陸軍43師団守備隊に課せられた最大の使命だった。
しかし、この時点ですでに日本の劣勢は明らかになりつつあり、圧倒的な兵器･兵力差のもと、日本軍はアメリカ軍の上陸を簡単に許してしまう。
守備隊幹部は日本軍玉砕命令発令の後、自決。
「生きて虜囚の恥ずかしめを受けず！」
捕虜となることを恐れた民間人は、次々と崖から飛び降り自殺する悲惨な事態へと発展していく。
その最中、玉砕命令を受けた大場隊も突撃し、兵士らは戦死を遂げていく。
しかし、大場は玉砕を覚悟していたにも拘わらず思わず死体の中にうずくまり隠れ……戦闘の中で自分の「生」への執着を心ならずも知る。
そして、両親を殺され放り出されていた赤ん坊を救い「生きる」ということを強く実感するのだった。
「俺達は死ぬために戦っているんじゃない。勝つために戦っているんだ」
彼の人望を慕い、上官を失った兵士や民間人たちが次々と集うようになる。
軍から離れ戦うやくざ者の一等兵・堀内と共同戦線を張り、山の中にに潜んで抵抗を続けていく決意を。
一方、サイパン島占領宣言を行ったアメリカ海兵隊の中で、日本への留学経験のあるルイス大尉は、一抹の不安を感じていた。
粘り強く最後まで戦い続ける日本人に。
やがて彼らはたった一つの部隊に翻弄され続けていることを知る。
そして、その神出鬼没の部隊を統率する士官を畏敬の念を込めて「フォックス」と呼ぶようになっていく。
大場隊とアメリカ軍との戦いは続き、フォックスの存在に業を煮やした上層部は大掃討作戦を敢行！
いつしか大場に対して人間として尊敬の念すら覚え始めていたルイスは、彼を死なせたくないと焦燥する。
大場は絶望的な状況の中、多くの民間人を守りながら仲間の兵士たちと必死に生き抜こうとしていた！
アメリカ軍の圧倒的な兵力のもと、次々と玉砕、自決していく過酷な極限状況の中で、たった47人で敵に立ち向かい、最後には敵であるはずのアメリカ軍からも賞賛を得た一人の誇り高き日本人……大場栄大尉。
日本、アメリカ……サイパンでの戦いを双方の観点から描いた戦争ドラマ。
終戦後も山中に篭って‘全面降伏’を認めない大場たち。
捕虜の民間人、元木の助力もあり大場はルイスと話し合いをすることとなるも……。
「我々は降伏などしません。しかし上官からの命令であれば別です。上官からの命令とあらば、それに従います！」
やがて上官からの命令文を目にした大場は、部下たちに……
「貴様らはよく戦った！堂々と胸を張って、山を下りよう！」
迫力の戦闘シーンを交え、男たちの友情、生きることの大切さを丁寧に映し出した作品でした。
