
成海璃子と北乃きいの放課後……ふたりが様々な部活に挑戦!
『武士道シックスティーン』のスピンオフ作品で、“部活動”がテーマのオムニバス・ショート・ストーリー。
[1]成海璃子篇『桜の園』(演劇部)
【出演】
成海璃子、冨浦智嗣、川村亮介、岩清水華衣
【監督・脚本】
古厩智之
放課後、たった独りで芝居の稽古に打ち込む孤独な少女・安西美枝のもとに、ある日、サッカー部の気弱な斎藤が近づいてくる。
「何でいつも部室の窓を開けているの?」
「部室に独りでいて外を見るのが好きなの」
二人は舞台劇「桜の園」の台本を読み合わせることで心を通わせていくが……。
最後は……セットの前で独り芝居をする美枝の姿が切ない。
[2]北乃きい篇『お茶の薫り』(茶道部)
【出演】北乃きい、高木古都、細田よしひこ、濱田岳
【監督・脚本】
永田琴

同級生のコムと参加したお茶会で見かけた先輩女子生徒になぜか惹かれて茶道部に入部した小川奈々は、こっそり同じペディキュアをつけたりと、その行動を真似し始める。
やがて、その先輩が卒業する日が近づいてきて……。
先輩から貰った着物を着た奈々が畳の上に寝転んで足袋を脱ぎ、ペディキュアを塗った指を絡ませる仕種が艶めかしい。
[3]成海璃子篇『練習とか面倒だし。』(まっすぐベースボール部)
【出演】成海璃子、佐々木歩、石井聖也、染谷将太、松居一代、カミラ、椿姫彩菜
【監督】
犬童一心
「まっすぐベースボール」という妙な野球に賭ける熱血監督・松岡修子と、全くやる気のない男子部員たちのまっすぐな青春!?
実際の高校生の自主映画をリメイクした笑いとパロディ溢れる怪作。
高校生の自主映画をそのまんま忠実に再現するため、役者陣はわざと台詞を棒読みし……まるで素人が演じているかのよう。
犬童監督も敢えて陳腐な演出に徹している。
[4]北乃きい篇『しあわせの味』(家庭科部)
【出演】
北乃きい、杉村蝉之介、古村比呂
【監督】
古厩智之
母の死後、思いがすれ違いうまくいっていなかった父と娘の美鈴。
ある日、二人は母の得意料理であった玉子焼きを一緒に作ることになるが、なかなかその懐かしい味を再現することができない。
そのうち父が意外な行動をとり始め……。
‘母親のことを全く見ていなかった’父に嫌悪感を抱いている美鈴でしたが、キッチンに二人並んで何個も何個も玉子焼きを作っているうちに、心に変化が。
‘お父さんは無関心なようでいて、本当はお母さんのことをいつも見守っていたんだ……大切に思っていたんだ……’
二人は悪戦苦闘の末、遂に……
「お母さんの味だ!」
泣きながら‘お母さんの味’の玉子焼きを食べる父娘の姿が涙を誘います。
[5]成海璃子特別篇『パシュっとな!』(弓道部)
【出演】
成海璃子、朝倉あき、田辺季正、ミッキー・カーチス
【監督】
沢村一樹
突然、現れた妙な神様から「当たれば誰でも好きになる矢」を手に入れた恋に不器用な弓道の天才・ハルが親友のノリを引き連れ、好きな男の子を狙って学校中を走り回る。

矢は一本だけ!失敗は許されない!
しかも日没を過ぎると効果がなくなってしまう!
タイムリミットまであと30分しかない!
弓矢を射るチャンスを逃し続けるハルでしたが、遂にその時を迎えた!

彼の背中に狙いを定め……いざ矢を放とうとした瞬間、
「やっぱりダメ!‘誰でも好きになる’なんて嫌だ」
と、矢をへし折る。
「ちゃんとわたしのことを好きになってほしい!」
第4回の『しあわせの味』が一番よかったな~と。
試行錯誤を繰り返しながらも‘お母さんの味の玉子焼き’を再現するために必死になる父と娘の様が微笑ましくもあり、哀しくもあり……。
北乃きいの作る玉子焼きがメチャメチャ美味しそうで、食べたくなってしまう。
ちなみに、‘お母さんの味’の玉子焼きのポイントは~~‘ハチミツ’でした。