映画『時をかける少女』完全再現《3》 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

映画監督志望の大学生、溝呂木涼太。

大学の実験室で薬品のチェックをしているところに、天井からフワリフワリと白い羽根が舞い降りてくる。

「(手に取り)……?」
そこに突然、時空を飛び越えたあかりが降ってきて涼太の身体を直撃!!

「(倒れ込み)グワッ!アッ!グッー!」

失神してピクリとも動かないあかりの姿に気付き、
「……!?え?……降ってきた!?……え?降ってきた!?」

とそこにバッグが降ってきて頭を直撃!

「あ!イテッ!イッテー……あ、イッテー……」




四畳半一間のアパートの乱雑な部屋。

コタツの中で寝ているあかり。
毛布に包まって熟睡している涼太。

と……あかりの身体がピクッと動き……。

あかり「(ゆっくり目覚めて)……ん???」

全く事態が呑み込めない。

あかり「……???」

周りをキョロキョロ……と、傍らで熟睡している見知らぬ男!

あかり「ウワッ!」

慌ててコタツから這い出る。

涼太はその気配に目を覚まし、モゾモゾと起き出す。

あかり「……(脅えて)ウワッ!(後退り)……え!?……え?……あ!……あの……え?……あ、あの……す、すいません!ごめんなさい……あ……だ、だ……だれ?誰ですか?」
涼太「……俺は溝呂木涼太。で、ここはウチ。覚えてないの?昨日」
あかり「……きのう?……」




土曜日の大学の実験室(回想)。

あかり「深町一夫!?」

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涼太「は?」
あかり「……じゃ……ない?」

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涼太「……?」
あかり「ここって世田谷西中学校の理科実験室!?」
涼太「昭徳大学」
あかり「も~~なんで~~!?」
再び気を失うあかり。

涼太「あっああーーー!」




あかり「……はっーーー!(完全に思い出して)」
涼太「医務室閉まってるし、ほおっといても帰れないからウチに連れてきた」
あかり「……!あ、あ……今日、何年何月の何曜日!?」
涼太「1974年2月17日の日曜日」
あかり「え……!?」

卓上カレンダーを見て、
あかり「え!?……74年の?……は!?……ちょっと……は?……ちょっと……えっ!?」
涼太「……?」

部屋の中をアタフタアタフタ……勝手に棚から雑誌を引っ張り出して表紙の年号を確認し、
あかり「……74年の2月……74年の2月………!!」

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和子の声「1972年4月」

あかり「……!!飛ばなきゃいけない場所から2年も経ってるー!」
焦って部屋を飛び出て行く。

涼太「……?あー!!荷物!ねー!」
ワケが分からないままあかりのバッグを手に追いかける涼太。




あかり逆方向から走ってきて、
あかり「世田谷西中学校は!?」
涼太「世田谷西中学?え?駅は向こうだけど!」

猛ダッシュのあかりを慌てて追いかける涼太。




交差点で右往左往し、
あかり「あぁ!全然、道わかんない!ちょっと一緒に来て!」
涼太「ええっ!?」

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世田谷西中学校で下校する数人の女子学生に声を掛けるあかり。

あかり「あああああ!ちょっとすいません!あの、人を探してるんですけど……(写真を見せながら)この男の子なんですけど」

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学生「隣は芳山先輩ですよね?去年卒業した」
あかり「あ!そうです!そうです!でも、こっちの男の子の方を探してるんですけど……」

「知らないよね?」「わかんない」「見たことないよね?」と口々に言い合う学生達。

あかり「あ……」
涼太「……」
あかり「ん~……」