Warが74年に来日していたことは知らなかった。しかも初来日ということで、当時日本でも彼らはそこそこ人気があったんだろうと思ったりして。そして、その時の演奏の模様が半世紀以上たって、ようやく音盤化されて世に出たのだった。なんてご機嫌な事だろうか。何しろ、当時のWarはノリに乗っている絶頂期だったわけで、この来日公演を体験できた方々は本当に羨ましい限り。そういえば先日行われたLonnie Jordan率いるWarの7年ぶりの来日公演でも彼らは健在ぶりを発揮したようだ。Warはご存知の方もいらっしゃる通り、Eric Burdon and Warとして70年代初頭に登場した。The AnimalsのLead Vocalist Eric BurdonがSan Franciscoに拠点を移して活動中に彼らと出会い70年にDebut Album『Eric Burdon Declares "War"』をリリースしている。『宣戦布告』(オイオイ)なる邦題で日本盤もリリースされている。同年、早くも2作目の『The Black-Man's Burdon』がリリースされるもTour中にBurdonが倒れて、バンドは彼抜きでTourを敢行、Burdonは脱退してWar単独として活動を続けていく事になる。元々、60年代にCaliforniaのLong BeachでThe Creatorsとして結成された彼らは、R&BのCoverをしながら、さまざまな人種が混在するLos AngelesのGhettoでの生活を通して多様な音楽を吸収し、人種差別や犯罪、飢餓、縄張り争い、Gangに反対し、音楽を通して希望や兄弟愛の精神をはぐくみ、調和と愛を訴えていこうとしたバンドだった。72年の『The World Is A Ghetto』で全米での人気の頂点を極め、Funk色を強めた続く73年の『Deliver The Word』、同年に『War Live』をリリースして勢いにのって翌74年に米国、欧州をTourして、いよいよ待望の初来日公演といった時期だけに、静岡公演を軸に一部 東京、大阪、神戸での演奏も加えた充実の歌と演奏が堪能できる。
『Live In Japan 1974』はWarが74年に初来日した時の演奏が収録されたLive Album。
アルバム1発目は“The World Is A Ghetto”。Lee OskarのHarmonicaの音が響き、Coolに、そしてCharles MillerのSaxが咽び泣きながら、ジワジワと盛り上がっていく演奏でChorusもバッチリなのが良き。
続いて『Deliver The Word』から“Southern Part Of Texas”。ベースのB.B. DickersonとドラムスのHarold Brown、PercussionのPapa Dee Allenのリズム隊の生命感漲る弾むようなBeatが心地良い。
ヒット曲“The Cisco Kid”。LeeのHarmonicaのみならずLatinなリズム隊にのったLonnie Jordanの鍵盤さばきも聴きモノ。
まだリリースされていなかった次作『Why Can't We Be Friends?』から“So”。哀感を感じさせるだけでなくドッシリ腰を落とした演奏が良い。
“All Day Music”は71年リリースの同名アルバムから。
続いても同アルバムから“Don’t Let No One Get You Down”。SoulfulなVocalが良き。PercussionとHammond、ウネるベース、BlowするSax、Chorusが心地良すぎ。
新作から哀感に満ちたエレピがイイ感じの“Lotus Blossom”。
『Deliver The Word』からHammondがウネリVocalとChorusがかけ合う“Gypsy Man”。
OscarのHarmonicaソロが圧巻の“Intro To Slippin' Into Darkness : Lee Oskar”、そして“To Slippin' Into Darkness”。
『Deliver The Word』からHoward ScottのWah Guitarで始まりFunkyにキメる“Me And Baby Brother”。
アンコールを求める観客の声、そして鳴りやまないChant。
アルバム最後を飾るのは『The World Is A Ghetto』から“Where Was You At”。Wah GuitarとHatmonicaを軸に熱気は最後まで続く。
◎Me And Baby Brother/War
(Hit-C Fiore)
