Viperは80年代半ばにSão Pauloで結成されたBrasilのHeavy Metal Band。デビュー当時はIron Maidenら70年代半ばから80年代にかけて英国で徐々に盛り上がりをみせていくNWOBHM(New Wave of British Heavy Metal)に影響を受けたという彼らであったが、その後、音楽性を変化させていったそうだ。BrasilのHeavy Metalというと、SepulturaとかAngraぐらいしか知らなかったので、彼らの存在を知った時は、BrasilにもNWOBHMなバンドがいたのか!と驚いたものだ。ちなみにLead VocalのAndré Matosはバンド結成時に13歳だったそうで、後にAngraを結成する。Viperは85年に最初のDemo Tape『The Killera Sword』を制作するが、その当時メンバーは全員十代であった。87年にRock Brigade RecordsからDebut Albumとなる本作をリリースする。VocalのMatosにギターのFelipe Machado、ベースとVocalのPit Passarell、Pitの弟、ギターのYves Passarell、ドラムスのCassio Audiという5人組。Brasilのバンドとしては、あまり独創性が感じられず、Iron Maidenが好きなんだろうな、という感じは伝わってくる。Vocalも演奏も荒削りで、つたない部分も多々あるけれど、平均年齢が16歳という当時のメンバーの年齢を考えれば、頑張っている感じであろうか。自分が予想していたNWOBHMやThrash Metalとはチョッと違った(特にVocal)が、ジャケットを見ればわかる通り、英国のHeavy Metalの様式美を継承しつつNWOBHM以降の荒々しさと疾走感も持ち合わせているところが面白い。これで楽曲と演奏に彼らなりの個性があれば、もっと楽しめた。ベースのPitはIron Maidenが好きなんだろうけど、VocalはPaul Di'AnnoというよりはJudas PriestのRob Halford風な感じも微笑ましい。やっぱり自分はPaul Di'AnnoがいたIron Maidenが好きなのであった。
『Soldiers Of Sunrise』はViperが87年にRock Brigade Recordsからリリースしたアルバム。
アルバム1発目“Knights Of Destruction”は、とにかく勢い勝負でガンガン攻めたてる。VocalのAndré MatosはJudasのRobみたいな高音Shoutをまじえながら歌うが、まだ線が細くて危なっかしい感じだが、その辺も味であろう。ツイン・ギターが頑張っている。
疾走感に満ち溢れた“Nightmares”は、途中で6/8拍子へのRhythm Chandeもあり、荒ぶりながらも、泣きの入ったギター・ソロもイイ感じ。
“The Whipper”はツイン・ギターがIron Maidenを思わせ、Rhythm Changeして突っ走っていくところも正にNWOBHMが好きなんだろうなという感じで微笑ましい。
“Wings Of The Evil”はイントロのギターのRiffから攻めたてるがVocalはちと不安定で厳しい感じ。心意気は買うが。
“H.R.”はベースのPit PassarellがVocalを担当してグイノリで突き進んでいく。荒々しいVocalも攻め込むギター・ソロもイイ感じ。
タイトル曲“Soldiers Of Sunrise”は歌い上げ系のMetalなナンバーで、この辺は苦手なところではあるが、後半のお約束のTempo UpでLiveでは盛り上がる曲であろう。
“Signs Of The Night”はイントロから盛り上がってヘドバンしたくなる勢いのあるナンバー。Catchyなサビは思わず口ずさんじゃったりして。弾き倒すギター・ソロも良し。
これまた気合の入ったインスト曲“Killera (Princess Of Hell)”。Britishな哀愁がイイ感じ。リズムなど若さゆえの粗っぽさも勢いでカバーしている。
最後をシメるのは“Law Of The Sword”はゴリゴリしたギターがNWOBHM風であるがVocalは歌い上げ系なのが残念。
◎H.R./Viper
(Hit-C Fiore)
