Blue Apple/Gift | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Gift60年代末Phallus Deiとして結成されたRock Bandで、改名して70年代2枚のアルバム数枚のSingleを残して解散してしまったようだ。いかにもドイツらしいセンスがアレなジャケットに思わず引いてしまいそうになるが、中身は結構ご機嫌なHard Rockを聴かせてくれる。72年にドイツの名門TelefunkenからDebut AlbumGift』をリリース、この時のメンバーは後にSaharaRalf Nowyのバンド、さらにBeautycase OrchestraHarold's Band)、Boney Mなどで活躍する英国人ギタリストNick Woodlandを中心としてベースのUwe Patzke、ギターのRainer Baur、ドラムスのHermann ''Mandy'' Lange、そしてLead VocalのHelmut Treichelというメンツ。Vocalが英語で歌い、Deep Purple英国Hard Rockの影響を受けながらチョッピリPsychedelicな香りとドイツらしいDarkでB級な雰囲気を漂わせた中々の好盤に仕上がってる。英米のバンドに比較して演奏技術は負けておらずドイツ的な仄暗さとUndergroundな雰囲気が味わい深い作品であった。それに続く2年後にNOVAからリリースされた本作では、残念ながらNick WoodlandとVocalのHelmut Treicheは脱退してしまっているのだが、ギターとLead VocalのDieter Attererと鍵盤奏者Dieter Freiが新たに加入して前作を上回るAggressiveに畳みかけるWildさとSynthesizerやオルガンのみならずMellotronピアノFluteアコギなども上手く使う多様性も感じさせるHard Rockを聴かせてくれている。この時代のドイツのHard Rockは、意外といってはなんだけど、演奏技術も高い中々聴きごたえのある作品が結構あるのである。Uriah HeepやDeep Purpleといった英国のギターとオルガンがガンガン攻めたてるバンドが、興味深いことにドイツのバンドに大きな影響を与えているようだ。Giftの場合も、これRichie先生お得意のヤツじゃん的なナンバーノリの良いご機嫌なLatin Rockなインストもあったりしてドイツらしいごった煮感が微笑ましい。

 

 『Blue Apple』はGift74年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目はタイトル曲“Blue Apple”。ジャンジャカかき鳴らされるアコギFluteがイイ感じ。英語で歌うVocalも男くさくて良し。しかし何よりビシッとタイトにキメまくるリズム隊が素晴らしい。ガッツリRock魂を感じさせるギターや切れ込むオルガンもご機嫌である。

いきなりBritishな香りを漂わせるツイン・ギターが絡み合うRock Scene”。これまたリズム隊がガシガシと切れ味鋭くキメまくって気持ち良いっすな。

Psalm”はチョイ幻想的に始まるLatin Rock風味の絶品のインスト曲唸りを上げるHammond官能的に咽び泣くギター躍動するリズム隊が素晴らしい。

Everything's Alright”はClassicalなOrganから始まりDeep Purpleも真っ青な疾走感とDrive感に満ちたHrad Rockを聴かせてくれる。疾走感溢れるリズム隊にのって、殆どJohn Lord先生かRichieかというようなオルガンとギターの熱い掛け合い思わずヘドバンかましたくなるグイノリHard Rockが良い。

疾走感に満ちたGot To Find A Way”はありがちなHard Rockで始まり途中でいきなりMellotronが飛び出すわギターが男泣きするわで微笑ましい

哀感漂うピアノで始まり野郎声で暑苦しく歌い上げるReflections Part 1”。ここでも泣きのギターが炸裂

Reflections Part 2”はスリリングなツイン・ギターの絡みにSynthesizerが応戦。ザクザクしたRiffで突き進む。

最後をシメるのはギターのRiffが激カッコイイLeft The Past Behind”。男くさいVocal熱気に満ちた演奏がたまらんすなあ。

 

Got To Find A Way/Gift

(Hit-C Fiore)