Grinderswitchのアルバムは、どれもお気に入りであるわけであるが、どれか1枚選べといわれたら、悩みに悩んだ末、76年にCapricorn Recordsからリリースされた3rd Albumとなる本作になるだろう。San FranciscoのPsychedelicなBlues Band Linn CountyやThe Elvin Bishop Bandで鍵盤を弾いていたSteve Miller(Steve Miller Bandの人やCaravanで鍵盤を弾いていたあの人とは同名異人)が新たに参加した作品で、バキバキにHammondを弾き倒していて、これが最高なのである。Debut Album『Honest To Goodness』や75年にリリースされた2nd Album『Macon Tracks』ではProduceを担当した名手Paul Hornsbyが鍵盤を弾いていて、これらも勿論素晴らしい出来なのであるが、本作は1曲を除きUp Tempoのナンバーを揃えてアルバムに針を落とした瞬間から腰を動かす陽気で明るいSouthern Rockが始まるご機嫌な作品に仕上がっている。豪快なSlide Guitarが魅力的なDru RomberとLarry Howardのツイン・ギターに男気溢れる骨太のVocalを聴かせるベースのJoe Dan Petty、南部らしい懐の深いBeatを叩き出すDrummer Rick Burnett、この4人組にHammondの名手Steve Millerが加わったのだから間違いないのである。MillerはElvin BishopのアルバムやHarvey Mandelの名作となる1st Album、Earl Hookerの『Hooker N' Steve』、英国のS.S.W. Allan Taylorの『The American Album』、Clifton Chenierが74年にリリースしたアルバム『Out West』といった大好きな作品に参加しており、自身も70年に『Stephen Miller』というソロ・アルバムをリリースしていて、これが中々ド渋のBlues Rockでイイ感じなのである。Joe Dan Pettyに加えてMillerもVocalも担当してツイン・ボーカルも楽しめるアルバムとなっている。前作までのBlues Rockな味わいは失われてしまったのは残念であるが、Cajunな香りも漂う、これはこれで楽しいアルバムなのである。
『Pullin' Together』はGrinderswitchが76年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目は“Higher Ground”。軽やかに躍動するリズム隊にのって伸びやかなツイン・ギターにFunkyにキメまくるHammondが最高。
“I'm Satisified”もイントロからツイン・ギターが炸裂、Dru Romberの糸をひくような粘っこいSlideもご機嫌である。
“That Kind Of A Woman”もギターが歌ってますなあ。Hammondもイイ感じで、思わず腰が動きだしてしまう。
“Kill The Pain”もノリノリなナンバーで緩急をつけつつHammondソロが冴えわたる。A面は全編ノリの良い曲を揃えて一気に聴かせる内容で、ベースのJoe Dan Pettyの男くさいVocalもご機嫌だし、ツイン・ギターとHammondのEnsembleもバッチリである。
B面はイントロから息の合ったツイン・ボーカルでぶっ飛ばす“You're So Fine”で始まる。Steve Millerは、ここではピアノとHammondで盛り上げてA面のノリが続いている。
“Open Road”はCajunな香りを漂わせつつ、ここでもJoe Dan PettyとSteve Millerのツイン・ボーカルがイイ感じ。Guest参加のJimmy HallのHarmonicaも雰囲気を出している。ギターとHammondの掛け合いもキマっている。陽気で明るいSouthern Rockがたっぷり味わえる。
Steve Miller単独作となる“Fact Of Life”はMillerのBluesyなVocalとHammondが最高ですなあ。
“Nobody Can”もノリノリで豪快なSlideが炸裂。Millerのロッケンなピアノもイイ感じ。
アルバム最後をシメるのはまったりしたBlues“As Sure As Tomorrow”。MillerのBluesyなピアノが楽しい。
(Hit-C Fiore)
