◆物価高騰、上がらない賃金…出口はどこに
◆2025年にはインドに抜かれ5位転落も
(東京新聞 2024年2月15日)
◎23年の実質賃金2.5%減、2年連続減 90年以降で最低水準
(日本経済新聞 2024年2月6日)
(日本経済新聞 2024年1月10日)
この10年で日本は本当に貧しい国になってしまった。経済だけではなく政治は勿論、文化、医療、教育もモラルも劣化の一途をたどり続けている。大谷翔平、藤井聡太、久保建英と個人レベルでは100年に1人レベルの逸材が日本から生まれているにもかかわらず、国が三流国へと転落し続けている。これは個人の問題ではなく、社会的経済的構造がこの10年で日本を劣化させるシステムになってしまったからに他ならない。
裏金問題といい、国民は1円単位で領収書を保管し増税に耐え、煩雑な事務作業に追われているのに、ポッケに入れた数千万の裏金を政治資金だと言い張り課税を免れ、税金を一銭も収めない。政治資金と主張するのに、それを立証せず使途も明らかにせず、領収証がなくてもOKときたもんだ。使途不明の裏金は雑所得として所得税の課税対象ではないのか?そして姑息に増税、増税の増税真理教。こんなデタラメで国民を苦しめているから、国はますます貧しくなっていくのだ。確定申告の季節、あまりにも理不尽すぎてため息しか出ない。
UltravoxにMidge UreがLead Vocal/Guitaristとして参加したのには驚かされた。なんたって大好きなRich Kids解散後にVisageに参加、そしてThin LizzyのギタリストとしてTourし79年に来日公演まで参加していたのだから。だからJohn Foxxが脱退して、てっきり解散したものと思っていたUltravoxが翌80年にアルバム『Vienna』で復活して、Midge UreがFrontmanとして登場した時は本当に驚かされたのだ。実はLizzyのTourの前にUreはVissageで知り合ったUltravoxの鍵盤奏者/Violin奏者のBilly Currieに頼まれてUltravoxへの加入を決めていたのだった。しかし、ModでPunkなRich Kidsが大好きだった自分はピコピコSynthesizerのバンドをバックにUreが歌っているのが違和感ありありであったのだ。とはいえJohn Foxx在籍時代のUltravoxは嫌いというわけではなかった。Foxxが参加した最後の作品となる前作『Systems of Romance』同様にConny PlankをProducerに迎えた本作は、それまでとは違い全曲4人のメンバーによる共作とCreditされている。そして、ある意味で80年代を代表するElectropop/Synth-Popとして大ヒットを記録することになる。John Foxx時代のCoolで硬質な感じとはまた一味違う、Synthesizerを多用しBerlin School風なElectricな肌触りを感じさせつつ、ある意味で、当時Old Waveと揶揄されていたかつてのBritish Rockの哀感やScale感、温もりも感じさせるところが、新たなUltravoxの個性となっている。そこでMidge UreのVocalは存在感を放ってはいたのだった。当時はRich Kids、Thin LizzyにいたUreという先入観もあって醒めた感じで接していた自分ではあったが、冷静に聴きなおしてみれば、確かに80年代を感じさせる力作であることには変わりはない。あのままRich Kidsが続いてくれたならとずっと思っていたが、Synthesizerを手にしたUreが新たな道を選択し、そこに道が切り開かれていったということで、それは敵わぬ夢であったのだ。
『Vienna』はUltravoxが80年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は“Astradyne”。SynthesizerがCoolに鳴り響く中、リズム隊はガッツリ生命感に満ちたBeatを叩きだす。ウネリまくるArpが、動と静のContrastを鮮やかに描き出す演奏と共に宇宙まで飛翔する。Elctronicsと生楽器のEnsembleが見事に噛み合ったインスト曲。
“New Europeans”はUreのざらついたギターのカッティングで始まる哀感に満ちたナンバー。転調がBritishらしいPopで日本人好みのナンバー。
Acoustic PianoのClassicalなフレーズからArp Odysseyが唸りを上げる“Private Lives”。バックのギターのカッティングもカッコイイ。この時期のUltravoxといえば、やはりBilly CurrieがPortamentoをかけて弾くウネリまくるArp OdysseyとMidge Ureの荒々しいカッティングなのである。
Chris Crossが弾く荒くれベースがイイ感じの“Passing Strangers”。ここでもBilly CurrieのBerlin Schoolを思わせるArpが絡むといかにも80年代らしい音。
“Sleepwalk”は性急なBaetにのってウネリまくるArpがやっぱり最高。RolandのSH-2というSynthesizerを手に入れた自分も、この手の使い方をしていたのを思い出す。
Rhythm Boxで始まる“Mr. X”はモロにBerlin School風というか完全いKraftwerkのPastiche。Billy CurrieのViolinがイイ味を出している。
Sequencerで始まる“Western Promise”もBerlin Schoolな装いにWarren Cannの叩く生ドラムがカッコイイ。
アルバム・タイトル曲の“Vienna”。Roland CR-78 Drum Machineのサウンドが今聴くと新鮮であったりする。Mini Moogも雰囲気を出している。
アルバム最後を飾るのは80年代らしいピコピコタテノリBeatの“All Stood Still”。Ureのギター・ソロがイイ感じ。
◎Sleepwalk/Ultravox
(Hit-C Fiore)