Convicted/Cryptic Slaughter | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

  Cryptic Slaughter80年代半ばCaliforniaSanta Monicaから登場したご機嫌なHardcore Punk Band。一般的には所謂Crossover Thrash Bandとして分類されているようなんだけど、80年代Hardcore PunkThrash Metalそれぞれが全盛でお互いに影響し合っていた蜜月時代に、こういうバンドが世に出るようになってきたのは面白い。まあ、ジャンル分けはどうでもいいけど、とにかく痛快なわけである。彼らの場合は2017年に世に出た未発表のLive音源The Lowlife Chronicles - Cryptic Slaughter 1984-1988』を聴くと、85年のLiveでMinor Threatの“Minor Threat”をCoverしていたかと思えば、SwissのMetal Band Hellhammerの“Third Of The Storms”やVenomの“Welcome To Hell”をやったりしているのだから面白い。翌86年のLiveでは再びMinor Threatの“Out Of Step”や“Guilty Of Being White”をガッツリCoverしていて、やっぱり彼らの根底にはHardcore Punkの血が流れていることをあらためて再確認した次第。とにかく速い激速で、決して上手いとは言えないドタバタしたドラムスなんだけど、80年代半ばにしてBlast Beatを叩きまくっていているのが興味深い。American Youth Soccer League (AYSO)で出会ったギターのLes EvansとドラムスのScott Petersonを中心に結成され、VocalのBill Crooksが加わり、ベースがRob Nicholsonに交代した。85年にDemo音源が作られUndergroundのTape-Traderの間で評判となる。翌86年にはDebut Albumとなる本作をリリースしている。最初から最後まで、ただひたすら、ものすごいSpeedで愚直に突っ走り、VocalはShoutしまくり、もうここまで徹底して潔くやられると感服せざるを得ない。Napalm Deathが彼らに影響を受けたのもわかるような気がする。

 

 『Convicted』はCryptic Slaughter86年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目は“M.A.D.”。いきなり力任せの叩きまくり突っ走りまくりVocalは吼えまくり

凶暴なギターで始まる“Little World”も一部Rhythm Changeはあるものの、ただひたすら激走するPunk.。

激しいギターのRiffから展開して、タイトル通り突然突っ走って無軌道な最後を迎えるSudden Death”。

Rage To Kill”もドタバタしたドラムスが緩急自在にぶっ飛ばす

Rest In Pain”もギターの凶悪なRiffがカッコイイ。

彼らにしてはSpeedを抑えた始まり方の“Nuclear Future”だが、やはり途中から倍速で突っ走るのだった。

ベースから始まる“State Control”も半端ないSpeedで突っ走る。それにしても、ドラムスはいい加減疲れないのか?

Heavy MetalicなギターのRiffから始まり、またしても明日なき暴走するHypocrite”。

邪悪な行進曲のような“War To The Knife”はギターが弾き倒しのソロで盛り上げる。

Nation Of Hate”もベードラ踏みまくり状態で冒頭からかっ飛ばす

イントロのベースがカッコイイ“Black And White”。ギター・ソロは殆どMetal

Metal風のギターのRiffで始まる“Reich Of Torture”。ここまで来ると、この愚直なまでのただひたすら激走し続ける姿に感服する。

アルバム最後を飾るのはタイトル曲“Convicted”。最後まで暴走しまくり、Vocalは叫びまくり。そして終わり方も潔くカッコイイ。

(Hit-C Fiore)