Animal Index/ムーンライダーズ | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 悲しいしらせが届いた。今年は一体なんていう年なんだろう。尊敬する岡田徹さんまで別れを告げていってしまった。それにしても、今年に入ってから次々と、自分が影響を受け、尊敬してきたMusicianが旅立っていく。かつて経験したことのない、この喪失感と深い悲しみ、それでも前を向いていかなければ…

 ムーンライダーズずっと日本で一番好きなバンドである。そして鍵盤奏者岡田徹作る曲、Vocalが大好きだった。子供の頃、Status QuoやSladeに始まり英国のRockに夢中になっていた自分は当然PunkやNew Waveにも魅了され、10ccやXTC、New Musik、Prefab Sproutといった一癖も二癖もある捻りのきいたバンドに首ったけになっていたのだった。そんな時、日本にもそんな洒落のめして一筋縄ではいかないバンドがあることを友人が教えてくれたのだった。それがムーンライダーズだった。70年代から80年代にかけて、英国のバンドが最も面白かった時代に、日本でも彼らに負けない大人の遊び心を持ったバンドが存在していた。しかも90年代、2000年代、そして今までずっとずっと、チョイと休憩しながらも、Qualityの高い音楽で楽しませてくれてきているのである。10代の最も多感な時期に、こんなに素敵なバンドに出会って、そして追いかけ続けてきたことは本当になんて幸せなことだろう。鈴木慶一とムーンライダースはちみつぱいの時代にまで遡って聴いて、渡辺勝あがた森魚素晴らしい音楽までたどり着くこともできた。それにしても、鈴木慶一とムーンライダース名義の『火の玉ボーイ』からのシングル“あの娘のラブレター ”や『ムーンライダース』の“紅いの翼”、“スパークリング・ジェントルメン”から昨年リリースされた最新作『 It’s The Moooonriders』の“岸辺のダンス”まで、ある意味、先鋭的でありながら親しみやすく魅力的なMelodyを持った数々の名曲を書いてきた岡田徹の才能なしにはムーンライダーズは、ここまでの存在になれなかっただろう。そう、ムーンライダーズこそ、東京一は日本一、いや世界でも唯一無比の日本が誇るべきバンドなのだから。そして岡田徹といえば、大好きなバンドNav KatzeProducerでもあったのだ。作曲家鍵盤奏者SingerProducerArrangerとして稀有の才能を持った心から尊敬すべき人であった。岡田さんの優しそうな笑顔魅力的なMelodyは、ずっと永遠に人々の心の中に生き続けていくことだろう。

 

 『Animal Index』ムーンライダーズ85年T.E.N.Tからリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“悲しいしらせ”は鈴木慶一の作詞作曲。Bメロや途中の展開、歌詞ももご機嫌なムーンライダーズらしさに満ちた曲。

白井良明作の“犬にインタビュー”。イントロの良明さんらしいギターから最高。この曲もBメロがイイPopで勢いのある大好きな曲

鈴木博文の“ウルフはウルフ”。リズムがチョイ凝っていOrchestralなSynthesizerが雰囲気タップリ

岡田徹作曲の“羊のトライアングル”。民族音楽調のイントロで始まりPopで美味なMelodyが岡田さんらしい。サエキけんぞうの歌詞もイイ。

かしぶち哲郎作詞作曲の“さなぎ”。かしぶち節がたっぷり味わえる独特の雰囲気にタイムスリップしたような感覚をおぼえてしまう。

武川雅寛の“Acid Moonlight”は、くじらさんらしいRomanticで哀感のあるViolinがたまらない。

良明さんの“HEAVY FLIGHT”。捻じれたギターは勿論、ドラミングとAnimalなChorusが面白い。

岡田徹作曲で鈴木慶一作詞の名曲“夢が見れる機械が欲しい”。これぞムーンライダーズ、無国籍で不条理な世界が最高。

かしぶち哲郎のPopな“Frou Frou”はエロい詞と勢いのあるサウンドがイイ。良明さんのギターが唸りを上げてカッコイイ。

博文さんの“駅は今、朝の中”。印象的なタイトル連呼のサビが最高。目の前に情景が浮かび上がる。岡田さんのピアノが素晴らしい。

くじらサンの作曲博文さん作詞の“僕は走って灰になる”。これも、まるで映画を観ているような気分にさせる名曲。

アルバム最後をかざるのは鈴木慶一作詞作曲の“歩いて、車で、スプートニクで”。これぞ鈴木慶一の世界、最高。

 

岡田さんの洒落のめした珠玉のMelody慶一さんの歌詞が最高!

夢が見れる機械が欲しい/ムーンライダーズ

岡田徹さん、どうぞ安らかに…

(Hit-C Fiore)