The Ingram KingdomはNew Jersey州はCamden出身のFamily Funk Groupである。Family Groupは数あれど、歌も演奏もFamilyだけでやるというFunk Groupとなると、思い浮かぶのは個人的に Five Stairstepsから発展したお気に入りのInvisible Man's Bandがあるけれど、彼らはBurke兄弟以外にDean Gantが加わっているから全員家族のバンドではないし、ご存知Isley BrothersはVocal3兄弟で始まり、後に加わった演奏陣は2人の兄弟に一人は義理の兄弟である。そういう意味ではメンバー全員が音楽一家のIngram家の子供たちだけで編成され歌の演奏もやってのけるThe Ingram Kingdomは貴重な存在といえるのではないだろうか。Vocalの紅一点Barbara IngramにギターとTromboneのWilliam(Bill) Ingram、鍵盤とSaxphone、FluteのJimmy Ingram、ベースとTromboneのButch Ingram、ドラムスのJohnny IngramにCongasのTimmy Ingramという6人組。しかし、このジャケットは最高ですなあ。多幸感に満ち溢れ、メンバー仲良く晴れやかな笑顔で“The Funk Is In Our Music”、コレ最高!文句なしに彼らを応援したくなってしまいますな。しかもLead VocalのBarbaraをはじめ、全員が実力派のMusicianなんだから素晴らしい。特にBarbaraはCarla Benson、Evette Bentonと女性Vocal Trioを結成して"The Sweethearts(of Sigma)", "The Philadelphia Angels", "The Sweeties"と名前を使い分けながら70年代から80年代のPhiladelphia Soulを中心としたPhiladelphia International Recordsの数々の作品にBacking Vocalとして参加してきた実力者である。Maestro Thom Bellの元でSigma Sound Studiosで経験を積み、The Spinnersの“Could It Be I'm Falling in Love”や“Games People Play”でも彼女らの歌声を聴くことが出来る。そんなBarbaraのVocalをFeatureしたThe Ingram KingdomのDebut Albumは高揚感と躍動感に満ち溢れたご機嫌なFunk Albumに仕上がっている。
『The Ingram Kingdom』はThe Ingram Kingdomが76年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目はいきなりバンド名/アルバム・タイトルの“Ingram Kingdom”。バンド名を連呼する彼らのTheme曲と思われ、勢いのあるリズム隊にHorn隊やChorus、Clavinetが絡み、ハリのあるBarbara IngramのVocalがギター・ソロもイイ感じ。
“Tried It And Liked It”はしっとり歌い上げるBarbaraのVocalがたまらなく甘美なBallad。
心躍る若さはち切れんばかりのイントロで始まり男女Vocalの掛け合いがグッとくる“What Else Can I Say”は高揚感に満ち溢れたナンバー。躍動感あふれるリズム隊もご機嫌でBarbaraのSoulfulなShoutも最高。
ベースから始まるMagicalなイントロから惹きこまれてしまう“He's Mine”。OrganやPercussionにエレピがMysteriousに響き、BarbaraのCuteなVocalが登場するとグッと気分が高揚する。低音でウネるベースも実に心地良い。
若さゆえの外連味のないド直球のタイトルが素晴らしい“Music Is Our Message”。Barbaraの可憐で官能的なVocalがたまらない。
続いても“The Funk Is In Our Music”ときたもんだ。最高!Horn隊も加わり、PercussionやChorus、Organ、ぶっといベースが黒々としたFunk道一直線で楽しませてくれる。
Funkyなエレピで始まりギターが唸る“Someone's On My Side”。短いながらもウネるSynthesizerソロもご機嫌で、BarbaraのSjoutも最高である。
“She's All Alone”は男女Vocalによる甘いBallad。
アルバム最後をシメるのはやっぱりドFunk一直線の“Put Your Troubles Behind”。
(Hit-C Fiore)