The Countsは60年代前半にDetroitで結成されたThe Fabulous Countsを前身とするFunk & Soul Group。鍵盤奏者のMose Davis、ギターのLeroy Emmanuel、Alto SaxとVocalのDemo Catesらが中心となって69年にCotillionからDebut Album『Jan Jan』をリリースしたThe Fabulous Countsは、The Countsと改名してWestbound Recordsから71年に『What's Up Front That Counts』をリリース、本日ご紹介するアルバム『Love Sign』は、それに続くアルバムである。上述の3人に加え、後にJazz Sax奏者Wendell Harrisonと録音を残しているドラムスのAndrew Gibsonが加わった4人組。ジャケットには宇宙に浮かぶ4」人のメンバーの顔が描き出されている。元々はNorthern Soul界で知られるProducer Richard "Popcorn" Wylieの元、LocalのイナタいInstrumental Groupであった彼らが、新たな時代の流れを受け、やったろうかい!と、何となくジャケットの雰囲気から連想されるSpacyなFunkに挑んだと思われる本作。前作も、粘り腰の重量感があるリズム隊が軸となって、70年代前半のFunkの傑作に仕上げた彼らが、New Soulに呼応して作り上げたSpiritualでPsychedelicな香りに包まれた本作も結構楽しめる作品となっている。前作やジャケットも素晴らしい次作『Funk Pump』という傑作に挟まれて地味な扱いにこそなっているが、この時代ならではの空気感とSolidで強靭かつ甘美で荒さと土くささを内包する彼らの魅力が十分に伝わってくる。アルバムのA面1曲目のタイトル曲で、いきなり、なんじゃこりゃ?となるかもしれないが、次の曲からThe CountsらしいFunkが炸裂する。個人的にはアルバム最後をシメる9分越えのインスト曲に尽きる。メンバーのMose Davisは78年にソロ・アルバム『Coming of Moses』をリリースしており、こちらもまた傑作である。
『Love Sign』はThe Countsが73年にリリースしたアルバム。気分も新たにGeorgia州AtlantaのLabel Awareに移籍第一弾の作品となる。
アルバム1発目はタイトル曲“Love Sign”。風が吹きすさぶ効果音を絡めながら、哀感漂うSaxが咽び泣く。Spacyなサウンドにのって気怠げな男性Scatが何とも不思議な雰囲気を生みだしている。Hammondも雰囲気タップリであるが、活きのいい漆黒のFunkを期待していた方は7分以上の長尺曲でスッカリ肩透かしを喰らった感じかもしれない。しかし、彼らの意欲が伝わってくるOpenerである。
続いてはThe CountsのこれまでのイナタいFunkが炸裂して安心する“Too Bad (You Don't Love Me)”。とはいえ、SoulfulなVocalやChorusはNew Soulの影響下にあり、ご機嫌なHammondソロと共に引き締まったリズム隊にのって気分を盛り上げてくれる。
“Just You, Just Me”はDeepなVocalがChorusと共に歌い上げる哀感を誘うBalladであるが、バックのSoprano Saxが熱唱するVocalと共にじわじわと盛り上げてくれる。
Psychedelicな香りを纏ったHammodとギターのカッティングから始まる“Riding High”はThe Countsらしい腰にクるFunkがイイ感じ。イナタいギター・ソロも最高。
“Sacrifice”もイントロから激カッコイイ腰が据わった粘り腰のFunk。各楽器が有機的に絡み合って作りあげる懐の深いGrooveはご機嫌である。黒々としたClavinetがイイ感じ。
最後をシメるのは、待ってましたの“Counts Medley (Play It Again, Far Out, Counts Blues)”。インスト曲でThe Countsらしい漆黒のFunkに仕上がっている。Hammondソロやギター・ソロも最高だが、自由奔放にBlowするSaxが、この時代らしさを感じさせてくれる。
(Hit-C Fiore)