Greatest Hits Vol. 1/Cockney Rejects | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Cockney Rejectsが今年になって約14年ぶりとなるアルバム『Power Grab』をリリースした時は驚いた。しかもThe Last Japan Tour2023とかいって、来年2月に来日Tourまでしてしまうのである。おいおい、West Ham UnitedHooliganもビックリの展開に思わず荒ぶる魂が洋服ダンスの引き出しの奥にしまい込んだサスペンダーを引っ張り出してしまいそうになる。いや、まったく、まだ頑張っていたんかいという感慨もひとしおである。さて、LondonのEast End78年に結成されたPunk BandのCockney Rejects。いわゆるOi Punkというと、Skinsとの関係性などから差別主義的で極右でネオナチなBritish Movementとのかかわりを指摘されることが多いが、彼らは全ての政治家に対する軽蔑を表明し、自分たちのヒーローの多くは黒人ボクサーであるとしている。また、彼らの初期のGigでは調子こいたBritish Movementの連中に対して元ボクシング選手という武闘派でもあるメンバーとサポーターたちがガチの殴り合いで応戦した伝説も残っているくらいである。ギターのMick GeggusにVocalのStinky TurnerことJeff GeggusのGeggus兄弟を軸に、ベースのVince Riordanというデビュー・アルバムとなる本作での強面のメンツが、また日本にやってくるわけである。Cockney Rejectsは79年EMIと契約してリリースされた本作、やんちゃ労働者階級丸出しの彼らであるが、その無骨な魅力はアートなファッション・パンクに堕落した連中とは比べものにならない強力な破壊力を持っている。実は演奏技術も、それなりに高いし、楽曲もワン・パターンンのきらいはあるが中々Catchyな良い曲を書いているのであった。強面なオッサン連中なのに、実に清々しささえ感じる胸熱Punk。また、あの10代の青臭い日々が蘇ってくる。

 

 『Greatest Hits Vol. 1』はCockney Rejects80年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目は“I'm Not A Fool”。荒ぶるギターとリズム隊無骨にShoutするVocal、最高っす。

疾走するドラムスゴリゴリ攻めたてるベースが最高な“Headbanger”。

Bad Man”もガンガン攻撃的に突き進むギターとベースがカッコイイ。

明日なき暴走がさらに加速する“Fighting In The Streets”。問答無用にガシガシ攻め上げるギターとベースがカッコ良すぎ。

ドラムスの無手勝流の連打から無謀に爆走する“Shitter”。この迫力は無敵っすなあ。

Tempoを少し落として始まる“Here They Come Again”はギターのRiffが激カッコイイっす。シンガロングなサビも良し。

意表をついてAcoustic GutarのArpeggioから始まる“Join The Rejects”。まあ、お約束のHardないつもの展開になるんだけどね。

出ましたお得意の手拍子もご機嫌なリズム・パターンでご機嫌にキメまくる“East End”。

New Song”も吼えまくるVocalとギター、ベース、ドラムスが一体となって怖いもんなしですなあ。

Police Car”はパトカーを小バカにしたようなギターが最高

バタバタしたドラムスで始まりヤンチャなガキっぷり丸出しの“Someone Like You”。

(They're Gonna) Put Me Away”もグイグイとベースが引っ張り、ギターもSolidにカッティングで攻めこんでいくのが良い。

Are You Ready To Ruck”は圧倒的なスピード感で煽りまくり。アルバムで一番好きな曲。

アルバム最後をシメるのはReggaeな始まり方で驚かせる“Where The Hell Is Babylon?”。これが結構様になっているんだけど、その後はお決まりのHardなOi Punk魂が炸裂

(Hit-C Fiore)