Young Men & Olds/Ed Thigpen | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Ed Thigpenは大好きなDrummerの一人であるが、The Oscar Peterson TrioでのPeterson、Ray Brownとの丁丁発止に魅せられたのは勿論、DenmarkのCopenhagenに拠点を移してからの参加作もお気に入りである。個人的には、Violin奏者Svend Asmussen、鍵盤奏者Kjell Öhman、ベース奏者Mads VindingとのSvend Asmussen / Ed Thigpen Quartetの作品は極上で、実はThgpenを追いかけるようになったきっかけとなったのが74年にSonetからリリースされた彼らの唯一のアルバム『Resource』であった。また、Thigpenといえば、その見事なBrush-Stroke Techniqueが有名であり、教則本なども出ているのだが、何とか手に入れた自分は、その懐が深いRhythmの捉え方に驚かされたものだ。Thigpenは教育者としても知られていて、彼を信奉するDrummerは日本でも結構多いのではないだろうか?いわゆる歌うドラミングというか、Dynamizmを上手くつけながら他の楽器やVocalを効果的に生かして有機的に絡み合うプレイが絶品なのである。Chicago生まれ Los Angeles育ちのThigpenはArt FarmerやDexter Gordon、Chico Hamiltonも通った名門Thomas Jefferson High Schoolで学ぶとLos Angeles City Collegeに進学して社会学を学んでいる。 その後、故郷のIllinois州East St. Louisで1年ほど同じJazz Drummerであった父親と音楽活動を共にして、50年代にNew York CitySavoy Ballroomで本格的にプロの活動を開始している。ThigpenのLeader Albumとなると66年Verveからリリースされた『Out of the Storm』が良く知られているが、本日ご紹介するTimelessから90年代初頭にリリースされた作品も、当時注目を集めていた新進気鋭のMusicianを相手に、Thigpenのドラミングが楽しめるご機嫌な一枚である。

 

 『Young Men & Olds』はEd Thigpen90年にリリースしたアルバム。ベースにRufus Reid、ピアノにRoland HannaRonnie Mathews、PercussionのRobert Thomas, Jr.といったベテランの名手たちに、90年公開のSpike Lee監督の映画『Mo' Better Blues』などで一躍一般的な知名度も上昇することになるBranford MarsalisのSaxとTerence BlanchardのTrummpetをぶつけてみたというという企画、さて、これはどうなるか。

アルバム1発目は”Strike Up The Band”。Thipenのドラムスに続いていきなりBranford MarsalisとTerence BlanchardがぶちかますOpenner。ッコの曲自体は、いわゆる古いJam Session風であるが、コレはコレで可もなく不可もなく。

Standardの”Yesterdays”はBlanchardのTrumpet独奏で始まり、じっくり聴かせるBallad。BranfordのTenor Sax、BlanchardのTrumpetも派手さはないがThigpenの激渋ドラミングをバックに情緒に流されず渋く仕上がっている。

Summertime”もThemeからCoolModalな感じに仕上がっていて実に渋いっす。BranfordのTenor Sax、BlanchardのTrumpetが心地良いWaltzのRhythmにのって躍動する個人的にアルバムで一番のお気に入り。御大のドラム・ソロもバッチリである。

Night And Day”も大人っすなあ。これまた渋くSwingyなナンバーに仕上がっていいる。

Scramble”は古き良きHard Bopの香りが感じられる指パッチンJazz

Robert Thomas, Jr.Percussionがイイ味出しているBluesShufflin' Long”。

Oh My Gosh”はPercussionとThigpenのドラムスのEnsembleが実に心地良いLatinなナンバー

ModalなThemeが激カッコイイ”Dark Before The Dawn”はCoolに躍動するご機嫌なナンバー。

アルバム最後をシメるのはStandardI Should Care”。じっくり聴かせるBalladで至福の時間。

(Hit-C Fiore)