Som Ambienteという名前とジャケットが物語る、正に洒落乙な極上のCocktail Lounge Music。とはいっても、涼し気で聴き易く、イイ感じに脱力してはいるけれど、ただのHotelやBarで流れてくるBGM、Easy Listeningに終わらない。よくよく聴いてみると、その手の音楽とは明らかに違う演奏技術の高さが感じられたり、センスの良いEnsembleに驚かされたり。BrasilのCidなるLabelからリリースされた、この企画モノっぽいSom AmbienteというGroupは、一体何者かと思わず思ってしまうのであった。それもそのはず、その正体はAzymuthのメンバー。しかもProduceはDurval Ferreiraというのだから。Azymuthはご存知の通り鍵盤奏者のJosé Roberto Bertrami、ドラムスのIvan Conti、ベース、ギターのAlex Malheirosの3人組として知られているけれど、75年に最初のアルバムをリリースした時はAzimüthと名乗り、メンバーにPercussion奏者Ariovaldo Contesiniも含む4人編成だった。実はそこに至るまで、60年代後半に出会った3人はContesiniや歌手のFabíolaと共にRioのNightclubでSeleçõesとして演奏し、PhonogramのStudio Musicianとして仕事をしてRaul SeixasやRita Lee、Elis Regina、Odair Joséらのアルバムに参加するなどキャリアを積み重ねてきたのだった。そして3人はProjecto IIIやApolo IV名義で作品も残している。なんといってもMarcos Valleとの出会いが大きかった。以前ご紹介したValleが全ての曲を手掛けた73年リリースのSoundtrack盤『O Fabuloso Fittipaldi』で彼らは初めてConjunto Azimuthを名乗るのであるが、1年前の72年にリリースされたこのアルバムもMarcos Valleと3人が作り上げたご機嫌なアルバムである。ここではValleの曲ではなく、Dave BrubeckやBurt BacharachやHenry Mancini、Francis LaiからTom Jobim、João Boscoまで名曲をCoolに聴かせてくれる。
『Som Ambiente』はSom Ambienteが72年にリリースしたアルバム。
Erasmo CarlosとRoberto Carlos作の“O Bofe”。涼し気なOrganとイイ感じにウネるベース、心地良いBeatを叩き出すドラムス、気持ち良すぎ。
Standard“Here's That Rainy Day”はエレピの響きと小洒落たフレージングがたまらない。
“Bossa Nova In Broadway”はDave Brubeckのアルバム『Jazz Impressions Of New York』収録の“Broadway Bossa Nova”。これまた印象的なThemeをOrganとエレピによるEnsembleで小気味よく仕上げている。
Burt Bacharachの“(They Long To Be) Close To You”から64年のBroadway Musical『Funny Girl』のために書かれた“People (Funny Girl)”、Henry Mancini作の60年の同名TV番組のTheme“Mr. Lucky”のMedley。これまたOrganがしっとり聴かせ、最後の曲ではFunkyにエレピが跳ねる。
なんと“Love Theme From "The Godfather (Speak Softly Love)”は淡々と、格調高く演奏している。
名曲では“Where Is The Love”では蕩けるようなエレピが最高。
B面はJobimの“Aguas De Marco”からElis Reginaが歌ったJoão Bosco作“Bala Com Bala”のMedleyは曲良し演奏良しで文句なし。
“By The Time I Get To Phoenix”から“The Shadow Of Your Smile”は後半の転がるエレピがやっぱり最高。
“Days Of Wine And Roses”から“Satin Doll”、“April In Paris”、そして最後はNeal Heftyの“Little Darling”を3分台にまとめた小粋なMedleyは思わず指パッチン。
最後をシメるのはFrancis Laiの“Live For Life”から“Someday My Prince Will Come”のMedley。ここでもエレピに聴き惚れてしまう。
(Hit-C Fiore)
