ArgentinaのBluesyでPsychedelicな酩酊感がクセになるRock Trio Manal。68年にBuenos Airesで結成され71年に解散しており、3年間という短い期間ではあったがLos GatosやAlmendraと並ぶArgentinaのRock黎明期に活躍した伝説的な存在である。2枚のOriginal Albumと2000年に発掘された1枚のSoundtrack盤『Tiro de Gracia』を残してバンドは残念ながら消滅したが、68年に行われた伝説のSala ApoloでのConcertや69年の年末に行われ観客が興奮して円形劇場のStageに押し寄せたFestival Pinapなど、ベースのAlejandro Medina、Jimi Hendrixに強い影響を受けた名ギタリストClaudio Gabis、ドラムスでVocalを担当したメインのSongwriterでもあるJavier Martínezの3人の猛者が繰り広げる演奏はさぞかしRawで鬼気迫るものであったと思われる。解散後メンバーがそれぞれ独自の活動を続けていたが、80年に再編され5月に20万人を集めたというEstadio Obras Sanitariasでの公演を行いアルバム『Reunion』をリリースしている。本作はその時のLive Albumである。再結成とはいえ、3人のメンバーは気合十分で熱狂する観客の期待に応えるべく熱演を披露している。彼らの特徴はCoolに青白い炎を燃やすかのような演奏とオッサン声でがなり立てるMartínezのVocalが生み出す時空を歪ませたBlues Rockであるが、ここでは独特のノリで観客と一体となる熱さが感じられるところが興味深い。Gabisの弾き倒しも楽しいがMedinaのベースが結構音数多く弾きまくって目立っているのも面白い。残念ながら再編されたManalは即座に解散してしまうが、スタジオ録音とは異なりTempoも上げてAggressiveに突き進むRock Trioの演奏は、彼らがもう少し活動を続けていてくれたらと思わずにはいられない。
『Manal En Obras』はバンド解散後の82年に世に出たManalの最初にリリースされたLive Albumであるが、どうやらバンドのメンバーの許可を得られていなかったようだ。
アルバム1発目は熱狂する観客のCallの中、ぶちかますデビュー・アルバムの1発目を飾ったジミヘン・マナーの “Jugo De Tomate Frío”。スタジオ盤よりTempoを早めてガンガン攻めたてているのが良い。
“Sacúdeme El Bajón Nena”はベースのHarmonics奏法にギターのArpeggioが絡んで始まる哀感漂うナンバー。MedinaのVocalとGabisの弾き倒しが最高。それにしてもMedinaのベースは音数が多い。
69年にリリースされた2nd Single“No Pibe”。UnisonのRiffがイイ感じ。
再び1stからの曲が続く。まずはGabisのBluesyなギターが光る“Avenida Rivadavia”。
Slow Blues“Avellaneda Blues”。南米らしい甘やかでRomanticな香りが漂うところが良い。
“Necesito Un Amor”はSingle“No Pibe”のB面曲だが彼らには珍しい軽快なノリで楽しませてくれる。
おそらく初お披露目のFunkyな“Sol Del Sur”はGabisのキレの良いギターがカッコ良すぎ。
70年リリースのSingle“Doña Laura”は疾走する荒ぶる3人の気合が伝わる熱演。ベース・ソロも良し。
再編ManalのSingle“Doblando La Esquina”はノリの良いメンバーも楽しそうなBlues。
アルバム最後をシメるのは2ndアルバム『El León』からの疾走感に満ちたCoolなBlues Rock“Hoy Todo Anda Bien”。
(Hit-C Fiore)