中古レコード屋さん巡りはやっぱり止められない。まあ、ネットの時代になってもわざわざ店まで出向いて馴染みの店員さんと他愛のない話をして、盛り上がったりして、そういう時間も自分には必要なのだ。いや、そういう時間こと大切な一時なのである。さて、本日ご紹介する音盤は、そんな中で偶然巡り合ったお気に入りの一枚といえるだろう。こういう偶然のめぐり逢いがあるから中古レコードを掘るのは止められないともいえるだろう。Judy Mackenzieという英国人女性Singer-Songwriter。全く名前を存じ上げなかっただが、調べてみると、どうやらChristian Musicの世界で活動していた女性らしい。60年代半ばに英国のChristian Record Labelとして設立されたKeyからリリースされているのも納得である。自分のように無宗教を信条としている人間(とはいっても自分が通っていた幼稚園とか学校は少なくとも宗教に関係していたり、毎年12月24日にはチャッカリお祝いしちゃったりしているので無関係とはいえないが)には、およそわからない世界というのが、それぞれの宗教にはあるのだろうから、そこに深入りはしないけれど、単純に音楽としていわゆるContemporary Christian Music(CCM)に素晴らしい作品が数多くあるのも理解している。自分のような単純な人間にとって、そうなると音楽だけを楽しめばいいじゃないか的ないい加減な接し方もしてしまうわけであるが、そういうのも、やさしく許していただけそうな慈愛に満ちた歌声のJudy Mackenzieである。とにかく楽曲良し、歌声良し、Acousticな演奏良しと三拍子揃った隠れた名盤といっても良いのではないだろうか。本作はJudyの2ndアルバムで、1stアルバム『Judy』も中々の力作である。
『Peace And Love And Freedom』はJudy Mackenzieが71年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は軽快に始まるタイトル曲“Peace And Love And Freedom”。瑞々しいAcoustic GuitarとJudyの暖かい歌声に心が洗われるようだ。60年代の残り香がかすかに感じられるところも良い。RecorderやStringsもイイ味を出している。
“Spread Wide Your Wings (From 'Soapbox')”もAcoustic GuitarとStringsが最高。勿論、凛としたJudyのVocalもイイ感じ。時折Whisperになるところとか、もうたまらんす。
“Love Is Fine”は囁くようなJudyのVocalが絶品。これまた寄り添うStringsも効果的である。バックの演奏も素晴らしい。
“Peace And Love And Freedom - Part Two”はイントロのAcoustic GuitarのArpeggioから惹きこまれてしまう。ゆったりしたTempoでJudyの歌声も心地良く響く。
“No Time - No Inclination”はAcoustic GuitarのRiffがCaravanのあの曲を思わせる。緩急の付け方もお見事。
明るく元気が出るような出だしの“Get Ready To Laugh”。一転してスローになったり、こちらも緩急の付け方が絶妙。
悲し気なMinor Keyで歌われる“In Remembrance”。
“Isn't It Hard ?”はハチロクのBallad。Judyがしっとり歌い上げる。
カッコイイドラムスのFillから始まるノリの良いPops“Never A Man Like This Man”。
Recorderが印象的な“Through My Days”もJudyの歌声にウットリ。
アルバム最後をシメるのは“Isiah Fifty-Five”。ArpeggioもStringsもJudyのVocalも最高。
(Hit-C Fiore)