Drum Beat/Charly Antolini | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Charly AntoliniSwitzerlandZürich生まれのJazz Drummer。最初は伝統的なSwiss Basler Drumを演奏したところから、そのキャリアは始まる。Antoliniは50年代にはParisに飛び、Sidney BechetやBill Colemanらと演奏したという。60年代前半にドイツのStuttgartに居を構えるようになると、作曲家Erwin Lehn率いるSWR Big Bandにベース奏者のPeter Witteやピアノ奏者Horst Jankowskiらと共に加入した。また、60年代半ばにはRomania出身のピアニストEugen Ciceroと共演して5枚のアルバムを残している。個人的にはSABAから64年にリリースされた4組のJazz Piano Groupを収録したCompilation盤『Piano X 』でWolfgang Dauner QuartettDieter Reith Quintett双方の一員として存在感を発揮していたのが印象深い。ちなみにこの盤にはElsie Bianchi Trioの演奏も収められており、そこではHansjörg Schmidtなる人物がドラムを叩いているのだが、SABAから65年にリリースされたElsie Bianchi Trioの『The Sweetest Sound』ではCharly Antoliniが叩いている。他にもDieter Reith Trioの『A Happy Afternoon』やJonny Teupenの『Harpadelic』、Yancy Körössyの『Identification』、Art Van DammeBaden Powellのアルバムなど、MPS/SABAから60年代から70年代にかけてリリースされた数多くの名盤で叩いている。またKurt EdelhagenMax GregerらとThe NDR Bigbandの一員として活躍した。70年代にはなんといっても鍵盤奏者Max Greger Jr.、Czechoslovakia出身のBassist Milan Pilarと結成したCatch Upである。初Leader作となった本作ではArranger/鍵盤奏者にDieter Reithを迎え、ベースに盟友Peter Witte、Tenor SaxにJoki Freund、Alto SxにBernd Fischer、TromboneにGerhard Lachmannというメンツである。

 

 『Drum Beat』はCharly Antolini66年SABAからリリースしたアルバム。

アルバム1発目はDieter Reith作“Yeah Man”。Peter Whiteのベースから始まりAntoliniのキレキレのドラミングにのってHorn隊が小気味よく炸裂するHard Bop。Joki FreundのTenor Sax、Conrad JackelのTrumpet、Dieter Reithのピアノとご機嫌なソロが続く。最後をシメるのは勿論Antoliniの叩きまくりの圧巻のドラム・ソロ

Horace Silverの名曲中の名曲“The Preacher”。ここでもAntoliniの高速Rollを始め叩きまくりのドラムスがここぞとばかりに炸裂。ドラム・ソロ、そしてのJackelのTrumpetソロが心地良くFreundのTenor Saxソロ

Dieter Reith作の“Drum-Organ”。タイトル通りReithのご機嫌なHammondがたっぷりと堪能できるアルバムで一番のお気に入り曲。イントロからとにかく激カッコイイ。Antolini先生はここではキレキレのBrush Playing

Henry Mancini作の小洒落た“Cheers”はJackelのTrumpetソロ、そしてお約束のドラム・ソロ、もうこれでもかといわんばかりの高速Rollが炸裂しまくり。

Dieter Reith作のCoolな“Attention”。BluesyなThemeがカッコイイ。そして凝りもせずドラム・ソロ、FreundのTenor Saxソロ大人の余裕でReithも短いながら独特のBlues感覚のピアノ・ソロ

最後をシメるのは“Drum-Pet”。これまたタイトル通りTrumpetのConrad JackelとAntoliniのタイマン勝負。Jackelの奏でるフレーズがまた、荒野の対決ってな感じでまたイイ感じ。ここまで徹底されるともはや口あんぐり状態っす。

(Hit-C Fiore)