Lar De Maravilhas/Casa Das Máquinas | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 O TêrçoOs Mutantesを輩出してきたBrazilから70年代に登場したRock BandにはHardでProgressiveな音楽性を持った連中が存在したが、その中でも、Casa Das Máquinasはその筋のファンにはそれなりに知られた存在であっただろう。70年代半ばらしいSolinaMoogなどのSynthesizerHammondを駆使して時にHardなGuitarのRiffも登場するProgressiveで劇的な展開もお見事な本盤あたりは、欧米のバンドに比較して決して負けていない。また、緩急自在の引き締まったリズム隊をバックにしたAcoustic Guitarの使い方や繊細でLyricalなメロディ歌心タップリに歌い上げるVocal、透明感のある甘美なChorusといったあたりは南米らしさに満ちており、そのQualityの高さに驚かされる。派手さはないがDrive感のあるリズム隊にのって変幻自在に動と静のContrastをつけながら展開していく構成力も中々のものだ。英米Rockの影響を強く感じられる演奏陣に対して歌については甘やかで抒情的な旋律を何人かがハモるChorusが主体となっているのが南米らしさに満ちている。Casa Das MáquinasはギターにPyska名義でアルバムを残しているPisca(Piska)ことCarlos Roberto PiazzolliAroldoことJosé Aroldo Binda、これまたソロ・アルバムも残しているNetinhoがドラムスとVocal、ベースにCarlos Geraldo、鍵盤にPique Riverti5人組としてデビュー・アルバムCasa Das Máquinas』を74年にリリース。本作では鍵盤がMarinho Testoniに交代し、ドラムスとVocalのMarinho Franco Thomasが加わった6人組となっている。1stアルバムのHard Rockもあれば、Funkyな歌モノ、抒情的なBalladと雑多な音楽性が闇鍋のようにぶち込まれた音楽性から、本作で軌道修正をした彼らであるが、続く76年に3rdアルバム『Casa De Rock』をリリースして解散してしまったようだ。

 

 『Lar De Maravilhas』はCasa Das Máquinasが75年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は落雷と靴音のSEで始まる“Vou Morar No Ar”。南米らしい甘やかなChorusで始まりHammondをバックにGuitarのRiffがカッコイイ。Synthesizerが飛び交い、Chorusと絡み合うあたりもイイ感じ。

ClasssicalなAcoustic Guitarで始まる“Lar De Maravilhas”。HardなギターのRiffが飛び出し、Hammondが鳴り響く中、清らかなChorusが心地良く浮遊してく。泣きのギター・ソロもイイ感じ。途中にキメのRiffを挟みつつ展開していく様はお見事。Acoustic Guitarの使い方も素晴らしい。

ギターの激カッコイイRiffで始まる“Liberdade Espacial”。ギターもご機嫌だが、ここでも透明感のあるChorusが主導権を握っている感じである。

Astralização”はAggressiveな鍵盤を中心とした演奏から繊細で厳かなChorusが心地良い展開へ。動と静のContrastが鮮やかなナンバー。

SpacyなSolinaとウネりまくるベースがイイ感じの“Cilindro Cônico”。変幻自在のChorus隊も気持良い。

ノリの良いHard Shuffleで始まる“Vale Verde”。HammondやSolina、Moogを駆使してギターのVolume奏法もまじえ、Tempoを落としてからの厳かで抒情的な展開も中々だ。70年代同時期の英米のRockに負けじと、この時代を感じさせる鍵盤を操って盛り上がっていく様が時代を感じさせて微笑ましい。

愛らしいメロディで始まる南米らしい甘美で心温まるBalladRaios De Lua”。

ノリ抜群の勢いのあるRockEpidemia De Rock”。Hammondソロも良し。

アルバム最後をシメるのはピアノをバックに語りが入り抒情的に展開する“O Sol / Reflexo Ativo”。

(Hit-C Fiore)