The Group/The Group | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 The GroupFinlandが生んだ偉大なBassistでComposer/BandleaderのPekka Pohjolaが結成し、アルバム1枚を残しただけで消滅してしまった。PekkaはSibelius AcademyピアノViolinClassicalな教育を受け、JazzRock民族音楽の垣根を越えた音楽を生み出すMulti-Instrumentalistでもある。Hermeto Pascoal E GrupoItiberê Zwargがそうであるように、超一流のベース奏者として知られてはいるが、ピアノを始め複数の楽器を演奏して複雑で緻密なTotalのサウンドを構築するComposer/Arranger/Bandleaderとしての才能も人並み外れた音楽家である。本作では鍵盤にOlli Ahvenlahti、ギターにはPori Big BandSeppo Tyni、ドラムスはTasavallan PresidenttiMade In SwedenVesa Aaltonenという凄腕Musicianが集結しており、The Weather ReportReturn To ForeverMahavishnu Orchestraの影響もそこかしこに感じられる。本作がリリースされた78年は、時代的にCrossoverな音楽性を持った連中が登場し、Jazz/FusionというMarketが拡大していった頃であった。まずは再編されたMade In Swedenの76年作『Where Do We Begin』に参加したPekkaとVesa AaltonenがFinlandに帰国した77年に、このThe Group結成の動きが始まっていたといえる。Eero Koivistoinenと活動していた鍵盤奏者Olli AhvenlahtiはSax奏者Seppo Paakkunainenが中心となって結成されたUni SonoというGroup唯一となる75年のアルバムや76年のソロ・アルバム『Poet』でPekkaと共演していたし、AhvenlahtiのQuartetにAaltonenとSeppo Tyniが参加していたのだった。

 

 『The Group』はPekka Pohjola率いるThe Group78年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目を飾るのは高揚感に満ちたThai”。爽やかなUp Tempoの、まかり間違えば、ありがちなEasy Listening寄りFusionに陥りそうなイントロではあるがPekkaのベースがうねりまくり、Sharpで躍動感に満ちたリズム隊緩急自在の展開も含めて絶品である。派手さこそないが、北欧らしいCoolで透明感のあるSeppo Tyniのギターも素晴らしい。

典雅なピアノから始まる“Ripple Marks”。これまた爽やかなMelodyを持ち、何とも心地良く聴こえるがバックは凝りまくった変拍子、そしてCatchyな7拍子を挟み再び複雑怪奇な変拍子が摩訶不思議な世界へ誘い込む。それゆえにNormalな4拍子に転回してからのSeppo TyniのRock魂溢れるEmotionalなギター・ソロがとんでもないCatharsisをもたらす。Pekkaのベース・ソロもご機嫌で、正に名曲名演の、この時期のPekkaらしさに満ちた曲とも言えるだろう。

Berenice's Hair”は当時のWeather Report辺りにも通じる異国情緒少々Humorousな味わいを感じさせる。途中のBreakが激カッコイイ。この時代にありがちと感じられるキメもあったりするが、ここでもやはりPekkaのベースがそこら辺のFusionとは一味も二味も違う

Mysteriousなイントロから始まる“Gado-Gado”はスリリングなキメが交錯し、Rockなギター・ソロが燃えたぎる。Al Di Meola在籍時のReturn to Foreverあたりの影響も感じさせる。

アルバム最後を飾るのはエレピで始まる“Annapurna”。浮遊感に溢れるサウンドの海を泳ぎまくるPekkaのベースが気持ち良すぎ。

(Hit-C Fiore)