Billy BizorはTexas州はCenterville出身のHarpistでLightnin' Hopkinsのいとこである。Bizarといえば何といっても自分が墓場まで持っていきたいDVD『The Blues Accordin' To Lightnin' Hopkins(ライトニン・ホプキンスのブルース人生)』での泣き芸である。Harpを吹き歌い出すと、突然感極まって号泣するのである。バックではLightnin' Hopkinsが呟き、煽りながらも淡々とギターを弾いているのだ。地元Texasでの御大のBluesな日常生活が垣間見えるこのDocumentaryは必見なのであるが、ここでのBizorにも衝撃を受けてしまったのだ。BizorはLightnin'の62年に録音されたBluesvilleの『Lightnin' and Co』や『Smokes Like Lightning』、『Walkin' This Road By Myself』などに参加している。本作はそんなBizorが残した唯一のアルバム。ギターにはBobby "Blue" BlandのバックでTexas Styleのギターを炸裂させていたClarence Hollimon、ドラムスにはBen Turner、またはLinda WaringにベースのHarold ChevalierやピアノのElmore Nixonが入るというのが基本編成で、曲によってはBizorとHollimonのみというのや、Bizorの独演でHarpとVocalだけ(Harp語り)というのもある。そしてなんといってもLightnin' Hopkinsが2曲だけだが参加しているのだ。この2曲がRawでDirtyなBluesで実に素晴らしい出来栄えなのである。BizorのHarpとVocalはDownhomeな味わいが中々イイ感じで、太く黒々としたVocalも個人的には気に入っている。80年代末にHome Cooking Recordsからリリースされた本作はBilly Bizorが60年代後半にTexas州のHoustonで録音していたものである。Doug Sahmの初期のCompilation盤などもリリースしているこのLabelからは『Cousins』 なるタイトルで本作収録曲も含んだBilly Bizorが参加した60年代後半のLightnin' HopkinsのSessionのCompilation盤をリリースしている。
『Blowing My Blues Away』は89年にリリースされたBilly Bizorが60年代末に録音した作品集である。
アルバム1発目“Take It Easy Baby”はギターのClarence HollimonとのDuetであるがHarpもVocalもDownhomeな味わい深いもので最高である。
“Screwdriver”はLinda Waringのドラムを加えてご機嫌なノリでぶちかましてくれる。
”Vietnam War”はLightnin' HopkinsがVocalとギターで、Harold ChevalierのベースとBen Turnerのドラムスを従えてのDopeなBluesは最高としか言いようがない。重く引き摺るようなBluesのカッコイイことなんの。
“When I'm Dead”は再びギターとのDuetでBizorのVocalとHarpがストレートに響いてくる臨場感たっぷりのRawなBlues。
“T-Model Ford”もギターとBizorのHarp/Vocalのみ。にしても、このノリは素晴らしい。思わずこちらも手拍子してしまう。
“You Promised Me”はドッシリしたドラムスにのってBizorも迫力の歌いっぷり。
“I'll Never Do Right Again”はBizorのVocalとHarpのみの独演で、生々しさが伝わってくるBlues。Vocalの合間に入れるHarpのタイミングといい実にイイ味出している。
“She Stays Drunk All the Time”はランニングするベースとギターのRiffが最高でノリノリのBlues。
“You Just Got To Miss Me”は再びLightnin' HopkinsがVocalとギターで、魂入りまくったVocalとAggressiveなギターが最高。地を這うような魂を震わせるBlues。
“I'll Miss You So”はユッタリマッタリ実に味わい深いDownhome Blues。
最後を飾るのは“Tell Me Where You Stayed Last Night”。One Chordで突っ走る鯔背なBlues。
(Hit-C Fiore)