Dentro L'Invisibile/Genfuoco | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 こういう70年代後半らしいサウンドを時々無性に聴きたくなる。Città NuovaなるItalyのMinor Labelにアルバムを一枚だけ残して消滅してしまったバンドGenfuoco。アルバムの楽曲を全曲作曲しているAcoustic GuitarTenor Saxを演奏するTarcisio Brattoを中心とした5人組。Vocalを担当しFluteとAcoustic Guitarも演奏するMarco Borgogni、ピアノやSynthesizerなど鍵盤を担当するFranco CecchiElectric Guitar,とClassical Guitar を弾くPaolo De LucaElectric Bass,とContrabassを弾くGiovanni De Luca、ドラムスのMarco NaldiniがリーダーのBrattoと共に如何にも70年代合後半といった感じの楽曲とサウンドを聴かせてくれる。Solina Strings EnsembleなどAnalog Synthesizerの響きもそうだが、欧州らしい陰影のあるLyricalな楽曲に程よい甘美な部分が同居してるところがLate '70に登場したバンドらしいのである。リズム隊はItalyらしくドタバタと場面転換をこなしていくのだが、上モノはAcoustic GuitarTenor SaxFluteを効果的に使った柔らかなEnsemble歌い上げないGentleなVocalが心地良い。Italyといえば暑苦しいほどに情熱的に歌い上げてしまう熱唱型のVovalを思わず思い浮かべてしまうのだが、Marco BorgogniはItalyらしい歌心に満ちた旋律を丁寧に歌い上げるアッサリ味系。それが物足りないという人もいるかもしれないが、バックの演奏の淡く、時にPastralだったりJazzyだったりする浮遊感を生かしたサウンドと絶妙のマッチングをみせている。突出したところがないと言えば確かにそうかもしれない。それ故に生き残ることはできなかったバンドではあるが、その辺の押しの弱さも個人的にはツボである。

 

 『Dentro L'Invisibile』はGenfuoco79年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“Ouverture”。荘厳なOpeningからAcoustic Guitar爪弾きAnalog Synthesizerをバックに甘く歪ませたギターTenor Saxが鳴り響いていく。バタバタとしたキメを挟みながらStrings EnsembleをバックにしたLyricalな展開が始まる。Tarcisio BrattoのTenor Saxソロとむせび泣くPaolo De Lucaのギターが良い。

Acoustic Guitarピアノの響きがイイ感じの“Dalla Tana”。Marco BorgogniのVocalとFluteが郷愁を誘う。ドタバタしたリズム隊もItalyらしくて良い。

手数の多いドラムスが次々にリズム・パターンを変えていく“Traspare”。これまたAcoustuc Guitarの調べとFluteにAnlog Synthesizerの響きが個人的にはツボ。GentleなVocalもイイ感じ。Percussionのギターのカッティングをバックにして後半に登場するBrattoのTenor Saxソロが素晴らしい。

Terra Promessa (Parte 1-2)”は吹きすさぶ風の効果音をバックにした優美lなピアノのRiffにのって複数の呟きと力なく歌うVocalが続くと力強いベースのRiffにのったJazz Rock風の展開が始まる。Synthesizerが若干Cheapな感じがいかにもであるが、Futeとギターが頑張っている。いきなりPercussionが鳴り響いたり、後半はLatin Rockな展開になるのが面白い。

夢見心地のギターのArpeggio男泣きのSaxがイイ感じの“Galassie”。続くAcoustc Guitarの心地良いカッティングとピアノ、そしてGentleなVocalが70年代後半を思わせる。

La Serenata Del Fiume”はLyricalなAcoustic GuitarをバックにBorgogniがしっとりと歌い上げる。この辺はItalyらしい。

アルバム最後をシメるのは“Dentro L'Invisibile”。Analog Synthesizerの響きが良い。Soulfulな女性のScatPink Floydを意識したものか。

(Hit-C Fiore)