このモノクロのジャケットが滅茶苦茶カッコイイわけで、当然中身も最高、ホント何回聴いたかわからないお気に入りの音盤なのである。Johnny Winterのデビュー・アルバム『The Progressive Blues Experiment』と続く『Johnny Winter』も良く聴いたWhite Bluesの作品だけど、続く『Second Winter』は個人的には一番好きなアルバムである。African-Americanではないが、Texas BluesmanとしてBlues道を追求してきたJohnnyがRock & Roll野郎としての自分を曝け出すことによって、White BoyがAfrican-AmericanのBluesを上手くコピーしました的な単なる物真似には終わらないWhite Blues Rock路線を確立した作品である。本場米国のBluesの影響下に花咲いた60年代の英国のBlues RockはHipな連中が、その先の方向性を求めてPsychedelicやProgressiveであったりする試行錯誤していく中でHeavyでLoudなRockという形でCreamやLed Zeppelinが商業的に大成功を収めた。そして通算4作目となる本作で、そういった路線への米国からの回答として、Johnnyは最強のギタリストと巡り合うのである。このアルバムこそBluesとRockの持つDynamismとスリリングで破天荒な魅力が絶妙のバランスで混じりあったBlues Rockの傑作である。“Hang On Sloopy”というヒット曲で知られるIndiana州から登場したThe McCoysというバンドのメンバー3人をJohnnyは自分のバンドに加入させたのだ。Ohio州出身のRick Derringerという才能あるギタリストとベーシストRandy Hobbs、ドラムスのRandy Zというメンツ。何よりも、曲が書けて歌えるギター小僧Rick Derringerの存在は大きかった。そしてRandy Zのドラミングは全くBluesのノリが出せていないところがミソである。つまり白人層に最もウケるであろうBlues Rockの完成形なのである。
『Johnny Winter And』はJohnny Winter Andが70年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目はJohnnyの手による新生バンドの名刺代わりの“Guess I'll Go Away”。HardでBluesyなギターのRiffに怒鳴りつけるようなJohnnyのShout。いきなりメンチ切って挑発するのがJohnny流。最高。
Funkyな“Ain't That A Kindness”はTodd Rundgren's Utopiaの鍵盤奏者Mark "Moogy" Klingmanのソロ・アルバム『Moogy』収録曲“Kindness”のCover。これが実に素晴らしい。
Trafficの名曲中の名曲“No Time To Live”はJohonnyとDerringerによる2本のギターの絡みがMellowで極上の気分。さらにDerringerのVocalも絶品の素晴らしいCover。この辺のDerringerのセンスが素晴らしい。
Rick Derringer作のお馴染み“Rock And Roll Hootchie Koo”。DerringerのPopセンス爆発の文句なしのCatchyなHard Rock。
ドラムスのRandy Z作の“Am I Here?”も実に味わい深いBallad。
Derringer作“Look Up”はJohnnyのド迫力のSlideが炸裂する男気Rock。SoulfulなChorusも最高。
Johnny作の“Prodigal Son”もRiffがカッコイイLazyなHard Rock.。
Derringer作“On The Limb”はFunkyなRiffとJohnnyとDerringerのVocalの絡みがイイ感じ。
“Let The Music Play”は男くさいBlues Rock必需品の野郎歌い上げ系のHardなBalladだけど、これまた最高。ありがちだけど、これは男泣きっす。
Johnny作のギターRiffが激カッコイイBlues Rock“Nothing Left”。
アルバム最後をシメるのはDerringer作の“Funky Music”。これだよ、これ、最後の最後に炸裂するJohnnyとDerringerのツイン・リード。最高。
(Hit-C Fiore)