大谷翔平選手、週間MVP受賞おめでとうございます!
朝5時起きの健康的な生活が定着してきたのだが、もうこうなりゃLos Angelesに行って、何としてもそのプレイを目の前で観たいという気持ちが高まっている。本当に魅せてくれる男だよ、大谷翔平! 大胆不敵に力対力で迎え撃つ、豪快で無邪気な野球少年で、そして何よりも修正能力の高さと謙虚さが素晴らしい。この陽性でPositiveなところはLAにもピッタリである。大入り満員のホームでのStanding Ovationをみてもこの男がいかに野球ファンに愛されているかわかるのだ。
Phillip WalkerはLouisiana生まれだがTexas育ちである。従ってClarence "Gatemouth" BrownやLightnin' Hopkinsから強く影響を受けてギターの腕を磨いていったのもよくわかる。50年代からLonesome SundownやLonnie Brooksと演奏し、短期間ではあるが Clifton Chenierのバンドに在籍していたこともあるという。また59年にLos Angelesに移住し、デビュー・シングル“Hello, My Darling”を Elkoからリリースし、ヒットさせている。またFats DominoやLittle Richard、Etta Jamesらのバックでも演奏していたという。本作は、そんなWalkerが70年代に入ってようやくリリースしたソロのデビュー・アルバムである。60年代から自分のバンドを持ち、地道に活動を続けてきたが、上述のTeaxas BluesとLouisiana BluesにR&Bが熟成された多彩な音楽性がアルバムの選曲からも伝わってくる。ギタリストとしても非凡な閃きと演奏技術を持っているがVocalistとしても実に魅力的だ。79年に初来日公演も果たしており、George "Harmonica" Smithと共演し、我らが吾妻光良、山岸潤史が活躍したその時の演奏はアルバム『The Blues Show! Live at the Pit/Inn』として日本でもリリースされている。 Walkerのギターは時に鋭角的に攻めるのが実にカッコ良く、高音のHuskyなVocalはSoulfulで味わい深いものがある。欲を言えば選曲が多彩過ぎて的を絞れてない感が少々する気もしないではないが、それは些細なことである。とにかくWalkerのギターとVocalが思う存分楽しめるアルバムである。本作以降も中々の好盤をリリースしており、ZydecoまでやらかすところにWalkerの魅力が感じられる。
『The Bottom Of The Top』はPhillip Walkerが73年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目“I Can't Lose (With The Stuff I Lose)”はHorn隊を従えてFunkyなBluesを粋にキメている。
Bob Geddins作のWest Coast Blues Standard“Tin Pan Alley”ではWalkerの深みのあるHuskyなVocalとギターがご機嫌なSlow Blues。Saxソロもイイ感じ。
Lightnin' Hopkinsの“Hello Central”はギターの弾き語りで渋くキメている。
自作のヒット曲の再演“Hello, My Darling”。R&B調のナンバー。
Slow Blues仕立ての
Sam Cookeの“Laughing & Clowning”ではSoulfulなVocalが素晴らしい。
Long John Hunterの“Crazy Girl”ではWalkerのノリにのった怒涛の弾き倒しが堪能できる。
自作曲“It's All In Your Mind”はエレピも入ったFunkyなナンバー。Tenor SaxのソロやWalkerの高音にハリのあるSoulfulなVocalもイイ感じ。
タイトル曲“The Bottom Of The Top”はHorn隊も入った男泣きのSlow Blues。
自作の“Hey, Hey, Baby's Gone”はR&B調で、Shuffleにのって伸びやかに歌うWalkerのVocalが素晴らしい。小技のきいたギターもイイ感じ。
アルバム最後を飾るのはRay Charlesの歌で知られるBuck Owensの“Crying Time”。マッタリしたCountry Flavourが気持ち良いが、なぜにこの曲を最後に持ってきたのだろうか。悪くはないのだが。
(Hit-C Fiore)