やっぱり個人的には80年代は欧米よりも第三世界の音楽に魅力溢れる面白いものを見つけてしまう。Juan Carlos Bagliettoは82年にリリースされたデビュー・アルバム『Tiempos difíciles』で人気を集め、以来有能なSinger-Songwriterとして現在も活動を続けている。なんといってもデビュー・アルバムでも曲を書いてる同郷Santa Fe ProvinceのRosario生まれのFito Páezを起用して表舞台に引っ張り出した人物として知られている。90年代以降はM.I.A.にいたLitto Vtaleと共に印象深い作品を残している。Argentinaには個性的で美しい歌声を持ったSingerが星の数ほど存在しているが、豊かな表現力を持ち、力強さと独特の哀感を持ち合わせたJuanのVocalは素晴らしい。また、Songwriterとしても素晴らしい才能を持った人物である。例によって軍事政府の厳しい検閲を受けながらも名作を世に出し続けてきた。日本でももっと知られて欲しいし評価されてほしい実力と魅力のあるMusicianである。また彼をサポートするMusicianも 鍵盤奏者のPáezのみならず才能に溢れている。 Pablo "El Enterrador"出身のギタリストRubén Goldín、ReddにいたドラムスのMarco Pusineri、近年、素晴らしいLitto NebbiaのCover集を出した女性VocalのSilvina Garréらがデビュー・アルバム以来脇を固めてきた。Fito PáezがArrangementsを担当した本作は名作の誉れ高いデビュー・アルバムに勝るとも劣らない出来である。
『Baglietto』はJuan Carlos Bagliettoが83年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目の“El Tempano” はアコギとMarco Pusineriの心地良いドラミングをバックにしたSilvina GarréとのDuet。いきなり最高っす。
Sergio SainzのFretless BassとFito Páezのピアノ・ソロがご機嫌の“Tratando De Crecer”。 |
アコギの弾き語りで始まる“Jeremias”は絶品である。美しい旋律を歌い上げる情感漂うVocalと絶妙のバッキングでサポートする鍵盤のFito Páez。Juanの口笛も素敵だ。
南米らしい哀感漂う“Historia De Mate Cocido”は切ないJuanのVocalとChorusがグッとくる。
80年代らしいPáezの鍵盤とSergio SainzのFretless BassにJuanの魅力溢れるVocalがのった“La Musica Me Ayuda”。
イントロのアコギとVocalが始まるやいなや胸を掻き毟られるような“Carta De Un Leon A Otro”。それにしてもJuanのVocalの豊かな表現力に脱帽。
“Un Loco En La Calesita”はPáezの小粋なピアノで始まりJazzyな雰囲気が心地良いナンバー。Marco Pusineriの躍動感のあるドラミングもお見事。
Fluteとアコギで始まるイントロから惹きこまれる“El Gigante de Ojos Azules”。
最後を飾るのは泣きのBallad“Amor En Otras Palabras”。Rubén Goldínのギター・ソロも盛り上げますな。
◎Carta De Un Leon A Otro/Juan Carlos Baglietto
(Hit-C Fiore)