Now We Are Six/Steeleye Span | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 Maddy PriorのVocalが大好きな自分としてはStatus Quoが96年のCover Album『Don't Stop』で英国のTraditional“All Around My Hat”を取り上げた際にVocalでMaddy Priorが参加した時に大喜びしたものだ。この曲はSteeleye Spanの75年のアルバム『All Around My Hat』のタイトル曲でもあり、Steeleye SpanがCoverして有名になった曲なのだ。正にこの曲を選び、VocalでMaddyを呼んだQuoは素晴らしいとしか言いようがない。Fairport Conventionを脱退したベーシストAshley Hutchingsが結成したSteeleye Spanといえば、まずは迷うことなくHutchingsが参加した初期の3枚のアルバムということになる。しかし、Maddyの歌声に惚れている自分はコアなTradファンの方から何と言われようが、その後の作品も大好きなのである。Martin CarthyTerry WoodsGay Woodsもいない。勿論、Hutchingsもいない。それでもギターのTim HartViolinPeter Knightはいるし、ベースのRick KempとギターのRobert(Bob) Johnsonがいる。そして何よりMaddy Priorがいるではないか。そして本作よりGnidrologというグループにいたドラムスのNigel Pegrumが加入して6人組となった。ProduceはJethro TullIan Anderson。Chrysalisのレーベル・メイトでもあるし、そういえばJethro Tullの76年作『Too Old To Rock N' Roll: Too Young To Die』のタイトル曲にMaddyは参加していたっけ。70年代後半のTullはTrad色が強まっていって、個人的に最も気にいているあの3部作が誕生しているのだが、この辺が繋がっていると思うと納得である。

 『Now We Are Six』はSteeleye Span74年にリリースした通算6枚目のアルバム。
アルバム1曲目“Seven Hundred Elves”はいきなりBluesyなRiffで始まる。Maddyの透明感のあるVocalが出てきた瞬間にホッとするとともにCatchyながら俗っぽくならない曲調に感服。この辺はIan Andersonのセンスだろうか。Acoustic楽器と電気楽器の絶妙のCombinationがTradにRockの躍動感を与えたようなナンバーに仕上がっている。 Bob JohnsonとGnidrologNigel Pegrumが弾くSynthesizerRick Kempのベースも良い。そしてカッコイイRiffにのせてバッチリChorusがキマっていて実に気持ち良い。
Pegrumが吹くOboe英国の香りを漂わせる“Drink Down The Moon”。何気に艶っぽいMaddyのVocalに持っていかれる。Peter KnightViolinも良い。
タイトル曲“Now We Are Six”はピアノをバックにしたMaddyの清らかなVocalSt. Eleye Primary School Junior Choirがイイ感じの心休まるナンバー。
Thomas The Rhymer”は冒頭のエレキに意表を突かれる。続いて爽快なアコギとMaddyのVocalにChorusが絡みViolin、そしてRcckなエレキがカッコイイ。正にTradとRockの幸せな結婚である。
The Mooncoin Jig”はStatus Quoが得意とするTraditionalなJigRockなリズム隊にのせる大好きなパターン。最高っす。
重たいRiffで始まる“Edwin”。Rick KempのVocalも中々味がある。
Maddyの歌声にメロメロになってしまう魅力的な旋律を持ったBalladLong-A-Growing”。
Peter KnightのViolinとMaddyの色っぽいVocalの絡みがたまらない“Two Magicians”。後半のギターRiffViolin、そしてChorusが絡んでいくところもカッコイイ。
Twinkle Twinkle Little Star”はMaddyが再びSt. Eleye Primary School Junior Choirと一緒に歌うわけだが、これは反則っしょ。。
最後をシメるのは、何とDavid BowieSaxで参加したPhil SpectorThe Teddy Bearsで知られる“To Know Him Is To Love Him”。Tim Hart男性Vocal陣が頑張って意外にアルバムにマッチしたイイ感じに仕上がっている。

Thomas The Rhymer/Steeleye Span

(Hit-C Fiore)