Midnight Creeper/Lou Donaldson | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 黒髪の美女黒猫。これはもう、ジャケットだけで惹かれてしまうものがある。Alto Sax奏者Lou DonaldsonがOrgan奏者Lonnie Smith、ドラムスのLeo Morris(Idris Muhammad)と組んだ『Alligator Bogaloo』、『Mr. Shing-A-Ling』に続くSoul Jazz路線。どうしてもDonaldosonといえば“Alligator Bogaloo”となってしまうのであろうが、〝シャリコマ〟路線とみなされて硬派なJazzファンからは冷たい視線を浴びたであろう、この路線、20年後にDJやClub関係で一躍脚光を浴びる時代が来るとはDonaldosonも想像しなかっただろう。Horace SilverArt BlakeyKenny Dorham、Blue Mitchell、Elmo Hopeら錚々たるメンツを集めた52年Blue Noteからのデビュー作『Quartet/Quintet/Sextet』やSilver、Blakeyとともに若きClifford Brownと渡り合う『A Night at Birdland』シリーズでのDonaldsonの真摯でスリリングなHard Bopperぶりを知る人には、この辺の作品は堕落と映るのかもしれない。しかし、個人的にはEarthyなHammondやギターに、Donaldosonのオッサンの鼻歌ライクな、わかりやすいフレーズを吹く艶っぽいAltoが、Bluesyにツボを突いてくるところが気に入っている。本盤ではギターに『Alligator Bogaloo』に参加したGeorge Bensonが再び参加している。この年、Miles Davisの『Miles In Te Sky』の“Paraphernalia”でギターを弾いているBensonが、本作ではSoulfulな持ち味で存在感を発揮しているのも興味深い。

 『Midnight Creeper』はLou Donaldson68年Blue Noteからリリースしたアルバム。
アルバム1発目は“Midnight Creeper”。Lou DonaldsonとBlue Mitchell2管による ご機嫌なRiffに心地良いLonnie SmithHammondGeorge Bensonギターのカッティング。“Alligator Bogaloo”を踏襲したBluesyなJazz Rock調のナンバー。 Bensonのソロ、Mitchellの力の抜けたソロも最高。Lonnie Smithもイイ味出してますな。
Leo Morris軽快なBeatを叩きだすギタリストTeddy Bunn作のLove Power”はLonnie SmithのHammondソロがSoulfulに歌いまくり、MitchellのTrumpetは今度は溌剌としたソロで魅了する。
Donaldson作の“Elizabeth”は正にジャケットのような魅力的なナンバー。Tempoを落としたLatinなBeatにのってBensonのソロも絶品。Lonnie SmithのHammondも雰囲気たっぷり。
Lonnie Smith作の“Bag Of Jewels”。LonnieのHammnodは勿論、MitchellやBensonも適度に緊張感のあるソロがカッコイイいっす。
最後をシメるのはSax奏者Harold Ousley作の“Dapper Dan”。指パッチンながら、Leo Morris(Idris Muhammad)のドッシリしたBeatにのったMitchellやDonaldson、Bensonが持ち味を発揮したソロを展開していく様は気持ち良すぎ。でも最後までリーダーのをDonaldson食いまくった感のあるLonnie Smithの存在感のあるHammondが素晴らしい。
(Hit-C Fiore)