Death Wish/Herbie Hancock | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 Charles Bronsonが銃を構えたジャケットがカッコ良すぎのサントラ盤。Herbie Hancockが音楽を担当した映画の中でも、例えB級と言われようが絶対にいつか観たかった『Death Wish』。そりゃBronson主演のHard-Boiled映画とくれば、これは観ないわけにはいかないだろうということでDVDをゲット。そしてサントラ盤も手に入れたのであった。Brian Garfieldの小説をMichael Winner監督で映画化したもので、個人的にはJean-Pierre Melville監督によるAlain Delon主演の『Le Cercle Rouge仁義』と並ぶ70年代前半の大好きな映画となった。そして67年公開のMelville監督、Delon主演の『Le Samouraï(サムライ)』、BronsonとDelonが共演した68年公開のJean Herman監督のAdieu L'Ami (さらば友よ)』、この4本はJean-Paul Belmondo主演の映画と共に自分にとって大きな影響を与えてくれた大切な作品といえるだろう。服装、仕草、考え方、様々なものを影響を受けて真似した自分がいた。さて、では映画音楽の方はどうかといえば、これは同時期のHead Huntersを期待してはいけないだろう。あくまで映画音楽なのだ。所謂、劇伴として制作されているもので、HerbieのエレピSynthesizerベースPercussionが所々で激カッコイイ部分が出てくるが、曲全体でそれが続くわけではない。それでも流して聴いていると、そのHard-Boiledなサウンドに耳を奪われるのである。

 『Death Wish』は74年に公開されたMichael Winner監督の同名映画のサントラ盤である。
アルバム1曲目の“Death Wish (Main Title)”は派手なOrchestrationで始まり、Rimshotが心地良く響くLatin風Beatが続き、HerbieのエレピがCoolに浮遊する。
正に映画的ともいえる牧歌的なイントロにガッカリするも、次第にAbstractなHerbieのピアノを軸にスリリングに展開していく“Joanna's Theme”。
不穏な響きのStringsで始まる“Do A Thing”。後半のドラムスが入ってからの展開がカッコイイ。
緊張感の高いスネアとPercussionの絡みに不気味なSynthesizer、大仰なStringsがまとわりつく“Paint Her Mouth”。
Rich Country”は雄大なOrchestrationにFiddleが登場したりするアメリカンなナンバー。
Suite Revenge”は5つのPartから成る組曲
まずStrings不穏な雰囲気を演出する“Striking Back”。
Fluteが印象的な“Riverside Park”。
StringsとピアノがAbstractに絡むThe Alley”。
HancoskのSynthesizerがリズム隊と暴れまくるLast Stop”。
Percussionに絡むSynthesizerが幻想的な“8th Avenue Station”。
Ochoa Knose”も現代音楽風のイントロFlutePercussionが印象的。
妖しくエレピが揺らめくParty People”。一瞬、Funkyな展開になるかと思いきや、劇伴に終始。
Fill Your Hand”もFunkyなベースが一瞬登場するが、すぐ劇伴に戻る。が、最後の最後で再びFunkyなJazz Rockが展開される。このAggressiveに繰り広げられる演奏が素晴らしく、この1曲のみで購入する価値があるだろう。
(Hit-C Fiore)