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Genesisである。Genesisとはいっても Peter Gabrielが在籍していた英国のGenesisではない。そしてColombiaのPsychedelicなGenesisでもない。それにしてもGenesisという名前のバンドは世界各国にどの位存在していたのであろうか?今回ご紹介するのは、ややこしいけれど、UruguayのGenesisである。ギタリストJorge Silva、VocalのEduardo Patron、Rhythm GuitarとVocal担当のRuben Laborde、ドラムスのYamandú Pérez、ベースのCarlos Souzaによる5人組で、公式アルバムは、おそらく1枚しか残していない。南米らしい甘美さが程よい感じのメロディーを気怠く歌いあげるVocalとChorusにFuzz Guitarや12弦ギターが絡み、BluesyかつPsychedelicな香りを放つところが魅力である。Vocalが情熱的に歌い上げるでもなく、淡々とした歌いっぷりで、Chorusも派手さこそないが微かに退廃的な香りを感じさせるがキモである。演奏もしっかりしていて、タイトなリズム隊とギターのJorge SilvaのFuzz Guitarでのソロや12弦ギターの使い方の上手さは、同系統のバンドの中でもレベルが高い方だと思う。英国のバンドの影響を受けながらも独特の外しの美学を発揮している楽曲も魅力的である。南米独特の甘美で歌心あるメロディー、存在感のあるChorusという持ち味に加え、Uruguayのバンドに特徴的なBluesyなんだけど一筋縄ではいかない退廃的で屈折した部分が何ともクセになるバンドだ。
『Genesis』はGenesisがSondorから72年にリリースした唯一のアルバム。
アルバム1発目“Cancion De Un Tiempo”はPsychedelicなMidium Boogie Shuffle。
南米らしい哀感漂うメロディを持つ“Lograme”は、これまた南米独特の切ないChorusが胸に沁みる。
BluesyでほんのりPsychedelicな香りを放つ“Mañana”。
“Nosostros Hoy”は小気味良いBeatに哀愁漂うギターのArpeggioがメリハリをつけていてイイ感じ。
“Ya”はHeavyなFuzz GuitarがPsychedelicに炸裂し哀感漂うChorusと絶妙のContrastで魅了する。
“Solo Voy Despertando”は気怠げなChorusと引き摺るようなFuzz Guitarが幻惑するナンバー。
Up Tempoで勢いのある“Reflexión 2”。切れ味の鋭いリズム隊とHeavyなFuzz Guitarのソロが素晴らしい。
The Beatlesに影響を受けたようなPopな曲調の“Tenía Una Vez”。British Beat Group風だが、ところどころに彼ららしい一筋縄でいかない部分が感じられるところが良い。
タメをきかせたリズム隊に12弦ギターに響き、甘美なChorusがたまらない“Despiertas”。
最後を飾るのはPsychedelicなギターが唸りを上げる“Cuerpo”。
(Hit-C Fiore)