Limonada/Limonada | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 Uruguay伝説のスーパー・バンドEl Kintoからは天才Eduardo MateoRubén Rada、ベース奏者/ComposerのUrbano Moraesといった才能豊かな音楽家が生まれていったが、バンド解散後にメンバーのギター奏者Walter CambónとドラムスのLuis Sosaが結成したLimonadaも忘れてはならない。Limonadaは上述の2人にギターとピアノ担当のDardo Martínezにベース奏者Ricardo Lanzaを加えた4人組である。南米の多くのBeat Band同様に生命感に満ちたキレキレのリズム隊Psychedelicの香りを微かに放ちながら歌メロやChorusは甘く哀感に満ちた魅力的なものである。本作は、そんな彼らが残した唯一のアルバムである。各曲間を繋ぐInterludeも素晴らしくアルバムの完成度の高さはともかく、全体を支配する南米独特の哀感漂うMagicalな香りが魅力的だ。FluteやアコギなどAcoustic楽器の使い方もイイ感じ。素人っぽいChorusや古くさいエレキの響きも、アルバムのジャケットもそれ風の何とも言えない不思議感が出ている。こういう音楽は一度ハマってしまうと病みつきになってしまうから困ったものだ。それにしてもEl Kintoというバンドは本当に才能のあるメンバーが集結したスーパー・バンドであったと納得してしまう。

 『Limonada』はLimonada70年にリリースしたバンド唯一のアルバム。
アルバム1発目の“Ojos Que Miran Lejos”はギターや気怠いVocalPsychedelicな香りも放ちつつ、Bossa風のピアノやBeat、Chorusに漂う南米らしい甘やかな感じが独特の味となっている。
Barrio De Casas Bajas”は南米らしいChorusをバックに
Brass隊も加わってカラフルな味わいが加わった“Pasteles Verdes”。基本Beat Bandでありながら程よい甘さのあるVocalがイイ感じ。また一捻り加えた曲調も面白い。
哀感を湛えたWaltzナンバーVeo Luz En La Ventana”。歌メロにからむAcoustic楽器がイイ感じ。
Psychedelicなイントロが最高な“Dejemme Dormir”。FuzzきかせたギターもChorusとともに60年代Beat Bandの王道を突き進んでいる。
Lejos Estas”は勢いよく突き進む軽快なBeat Rockながら歌メロはさすが南米らしいSweetなところが良い。
Fuzz Guitarが存在感を放つ魅力的な歌メロを持った“Siempre Caminar”。Chorusや途中で3拍子になるThe Beatlesっぽさもイイ感じ。
Fluteアコギ優しげに語りかけるようなChorusがイイ感じの“Pies Descalzos”。南米のキレの良いBeatにこういった甘い歌メロはバッチリ合うのだ。
夢見心地のWaltzCambiar La Rosa”。PercussionChorusも効果的だし、曲の展開も面白い。
続いてもSweetなChorusが素晴らしい“No Puedo Comprender”。Major Seventh Chordの甘い響きと突如展開が変わるところにこのバンドの魅力が凝縮されている。変幻自在のLuis Sosaのドラミングがお見事。
A "Nonica" ”はアコギや赤ちゃんの泣き声が突如入ったりするPsychedelic Bossa Beat Rock
最後を飾るのは南米らしい歌心に満ちた“Viejo Tambor”。途中からBrassが入ったフォービートになって終わるところも面白い。
(Hit-C Fiore)