Pinta O Sete/Primo 7 | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 時々、気の置けない仲間たちと秘密の隠れ家的場所で馬鹿騒ぎをして、日頃の鬱憤を吹き飛ばすというのをやっていたのは20代の中頃、ようやく仕事も軌道にのって生活に幾分余裕が出てきた頃だろう。今思えば、イイ時代だったもんだ。10代のPunkとModとFunkに夢中になっていた時代を過ぎて20代になると背伸びしてJazzやBrazil音楽を聴き始めていた。そりゃ今ほど便利じゃないけど、聴きたいと思った音源は何とかすれば耳にできる時代になっていた。BalançoというBrazilの大衆音楽を知ったのもこの頃だった。60年代にBrazilの若者の腰を揺らし熱狂させた、このDance Musicは場を盛り上げるのに最適で、上述の馬鹿騒ぎの時にはBalançoのレコードをかけまくったものである。このジャンルではEd Lincolnという絶対的な存在がいて、Hammondを使って陽気な、生命感と高揚感に満ちたサウンドでヒット曲を連発していた。そのBalançoを、俺もやってみようと一人のJazz Pianistが挑戦したアルバムが本盤である。Primo Jr.Primo Junior)ことJoão Peixoto Primo。ピアノをオルガンに持ち替えて集めたメンバー6人と7人編成のPrimo 7として、おそらく唯一のアルバムとなる本作を残した。これが本家もビックリするほど完成度が高いBalançoのアルバムとなっている。思わず気分を盛り上げたい時や家庭内Partyの時にはお世話になる作品である(今じゃ馬鹿騒ぎもしなくなってしまった)。

 『Pinta O Sete』はPrimo 7が残した唯一のアルバム。
アルバム1発目はキレキレのリズム隊にのって男性Vocalが小粋に歌う“Joao Quatrocentao”。Trumpetの響きがイイ感じ。
ElegantなJazz WaltzLeila”。ここでもTrumpetVibraphoneCoolな響きが素晴らしい。後半のハチロクに展開するRhythm Arrangeも最高。
高揚感に満ちたVoce E De Pic-Nic”。男性Vocalも小粋にキメまくり、思わず腰が動き出す
続いてもノリノリのE Com Pimenta”。
タイトル通り甘美郷愁を誘うMidiumナンバー“Romantic Partners”。Trumpetが泣けますなぁ。
Primoのオルガン・ソロが炸裂する“Deixa O Morro Cantar”。Vibraphoneソロですな。
Afroなハチロクから歌謡曲調に展開する面白いナンバー“Gira Mundo”。
続いても60年代のスパイ映画風のMondo感覚が面白い“Balanco Do Rio
Comicalな男女Vocalがイイ感じの“Timba-Oba”。
Pior Pra Mim”も男女Vocalが入って、今度は小洒落たムードを演出している。
躍動感に満ちたCaetano Velosoの“E De Manha”はカッコ良すぎ。
アルバムの最後をシメるのは何ともマッタリした“Macas E Bananas”。
(Hit-C Fiore)