Return Visit!/Tubby Hayes And The All-Stars | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 英国が誇る剛腕Tenor奏者Tubby Hayes。 その男気溢れる豪快なTenorは、いつ聴いても惚れ惚れしてしまう。本作はTubbyが62年米国ツアー時に同国のMusicianとSessionしたアルバム。ベースに大好きなSam Jones、ドラムスにLouis Hayes、ピアノにWalter Bishop, Jr. というリズム隊を揃え、Tubbyに加えてフロントには鬼才Roland KirkJames MoodyがJimmy Gloomyという変名で参加している。何でもお膳立てをしたのがQuincy Jonesだとか。Quincyは欧州を度々巡演してTubbyを気に入っていたのだろう。NYのWest 48th Streetにあるスタジオでこの豪華なメンツと顔をあわせたTubbyは本場アメリカの豪華なメンツに臆することなく堂々と渡り合う。それにしてもTubbyにKirk、Moodyの3人のTenor奏者が顔を合わせたわけであるから、もしかして血沸き肉躍るTenor男祭りを期待してしまう人もいるかもしれない。しかし、ここではTenor Battleというよりはリラックスした和気あいあいとしながらも大人の余裕が感じられ、それでいてTubbyが醸し出す英国人らしい翳りと気品をそこかしこに感じさせる中々得難い魅力を持った作品となった。ご存知の通りTubbyはTenorだけではなくVibraphoneも演奏し、KirkとMoodyはそれぞれFluteも吹く。Kirkはお得意のManzelloまで披露している。

 『Return Visit!』はTubby Hayes And The All-Stars62年Fontanaからリリースしたアルバム。
アルバム1発目“Afternoon In Paris”はTubbyはVibraphoneを叩く。
Kirk作のMinor TuneI See My Third "I"
続いてもUp TempoのMinor Tune“Lady "E" ”。ここではTubbyが再びVibraphoneを叩き、Roland KirkとMoodyによるFlute2本という編成が素晴らしい。ThemeのバックでChordを刻むWalter Bishop, Jr. のピアノもカッコ良すぎ。これもKirkの作品。
B面1発目はいきなりThe Jazz Couriersでお馴染み剛速球勝負のBluesStitt's Tune”。これは指パッチンの最高に気持ち良いTubbyのTenorソロが聴けるご機嫌なナンバー。KirkはManzelloとStritchでカウンターメロディーを奏でる。Walter Bishop, Jr. Funkyなピアノ・ソロに思わず腰が動き出しますな。
最後をシメるのは“Medley: If I Had You; Alone Together; For Heaven's Sake”。Kirkがお茶目にReedなしでSaxを吹いているのはいかにも彼らしい。
(Hit-C Fiore)