Comin’ At Ya!/Coke Escovedo | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 Coke EscovedoといえばSantanaのメンバーとして活躍し、自らAztecaというグループを結成してその名を知られるようになったCalifornia生まれの名Percussion奏者。兄で、あの Sheila E.の父親であるPete Escovedoと西海岸でLatin Rockをバリバリにキメまくっていたお方である。残念ながらAztecaは2枚のアルバムを残して解散してしまうけれど、Cokeは素晴らしいソロ・アルバムを制作して、それらは90年代の日本でも人気を集めることになった。1stソロとなった75年作『Coke』も中々の力作であるが、本盤では、なんとTenor Sax奏者Joe Henderson先生を迎え、さらにAztecaの盟友Errol KnowlesをLead Vocalに起用して黒さを一気に増したLatin Soulに仕上げている。加えてMaloのギタリストAbel Zarateも熱いギターを聴かせてくれている。Bay Area~Chicano Rock、Latin Rock~多国籍国家アメリカらしいさまざまな民族の血が入り混じったこの時代のこの地区の雑食性に富んだ素晴らしい音楽がここにある。Coke Escovedoは残念ながら86年に45歳の若さでこの世を去ってしまう。もしCokeが生きていたならば、まさか死後30年以上もたって自分のソロ・アルバムがこうやって脚光を浴び続けていることをどう思うのであろうか?


 『Comin’ At Ya!』はCoke Escobedo76年にリリースした2枚目のソロ・アルバム。Produceは前作に引き続きPatrick Gleeson
アルバム1発目はギターを持ったはぐれ鳥Gabor Szaboのギターが登場する“Diamond Dust / Vida”。徐々にLatinな盛り上がりをみせていくのが良い。
Abel ZarateのギターとOrchestrationが盛り上げる “Something So Simple”。
Jose Feliciano作の高揚感に満ちたStay With Me”。ここでも短いながらJoe HendersonのTenorが素晴らしいソロを聴かせてくれる。
Errol KnowlesのVocalが切なく迫るHangin' On”。
Somebody's Callin'”はErrol KnowlesとThe Waters Sistersをバックに哀愁の男気Soul全開っす。
Joe HendersonのあまりにベタなSaxが下世話に盛り上げる“The Breeze And I”。
AztecaのメンバーErrol Knowles作の“Runaway”。Errol Knowlesの黒いVocalFunkyなリズム隊がイイ感じ。
Johnny Bristolの“I Wouldn't Change A Thing”は、やっぱりアルバムのハイライト。
Backseat
Everything Is Coming Our Way”は『Santana III』に収録されていた曲。イントロから唸りをあげるギターが炸裂するが、女性Chorusや涼しげなエレピ・ソロとMellowに展開する。
Willy Bobo作の“Fried Neck Bones And Home Fries”。
(Hit-C Fiore)