
Rastaの世界というのは、自分のような門外漢には簡単には語れないものがある。が、Rastafarianの集会で演奏されるNyahbinghiについては、かなり惹かれるものがある。実際には複雑なバックグラウンドがあり、奥深いモノがある音楽であっても、自分のような単純な人間は、ただその心地良い響きにまず身体が反応してしまうのである。そこにはBluesやGospelや一部のTradにも通ずる、魂の奥底から湧き上がってくるような人間の真実の叫びがあって、それが自分の身体中に染み渡っていく感じとでもいったらよいのであろうか。精神性や宗教性といったものがあるにしても、自分のような何も考えていないような人間でさえ、その打ち鳴らされる太鼓の響きやRhythm、神聖なるChantに、魂を揺さぶられるような感覚をおぼえる。NyahbinghiといえばCount OssieことOswald Williams。幼少時からRastaの共同体の中で打楽器やChantを学んだというOssieは、50年代後半に同じ打楽器奏者を集めたCount Ossie Group(以下COG)を率いてPrince Busterの手によって多くの録音を残した。59年に“Oh Carolina”がヒットを記録してOssieのBurru Styleは、NyahbinghiがJamaicaの多くの人々へ届くきっかけを作った。その後のSka、Rocksteady、Reggaeへと進むJamaicaのPopular音楽のRhythmの変革の最初の役割を果たした。その後Rockfortに移住したOssieは、Sax奏者のCedric BrooksやSamuel Claytonらと10名以上のメンバーから成るグループMystic Revelation Of Rastaを結成する。彼らは本盤と75年作の『Tales Of Mozambique』と2作のアルバムを制作するが、76年に惜しくもOssieは、この世を去ってしまうのであった。
『Grounation』は74年にリリースされたMystic Revelation Of Rastaのデビュー作にして3枚組のアルバム。
イントロのHornの響きがPrimitiveな彼らの演奏を象徴している“Bongo Man”。
心地良い打楽器の響き、そして淡々と語りが続く“Narration”。これが延々と続く。Dopeである。
Saxが“Mabrat - Passin' Through”。
続いてもPoetry Readingが中心になるが、バックで鳴り響くPeacefulなHorn隊がSpritualな響きの“Poem”。
ベースと打楽器、そしてHorn隊に続いてVocalが飛び出すとビックリの“Four Hundred Years”。その旋律は、まるで元々は英国に古くから伝わるTradだったという“Scarborough Fair”のよう。
Tradのように素朴な歌唱で哀しげなメロディーが歌われる“Song”。
“Lumba”はHorn隊と打楽器が淡々と演奏を続け、Emotionalな雄叫びが炸裂して再び淡々と演奏が続いていく。
“Way Back Home”はHorn隊がシンプルなThemeを奏で、それをバックにして、本アルバムでは珍しく長めのSaxソロがFeatuteされる。
打楽器をバックにHorn隊が平和への思いといったPeacefulなメロディーを奏でる“Ethiopian Serenade”。
ゆるいナンバーが続く中でも一際脱力のメロディーを皆で歌い上げるCOG時代のヒット・ナンバー“Oh Carolina”。
SoulfulともいえるChantが最高の“So Long”。
タイトル曲“Grounation”は気持ち良く響く打楽器をバックに皆がChorusを歌う。あぁ、最高の気分
◎この映像は素晴らしすぎる!
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◎Ethiopian Serenade/Mystic Revelation Of Rasta
(Hit-C Fiore)