Dry Your Eyes/Brenda & the Tabulations | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

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 いやぁ、なでしこジャパンお見事っす。澤さん、すご過ぎ、そして宮間さんのFK、あの独特の間のとり方というか、読みというか、イイ仕事してますな。どんな時でも自分を失わなずに、周囲を引張り、ここぞという時に活躍する、男前の女性が日本でも増えているような気がするのは気のせいだろうか。
 さてPhiladelphiaで、女性VocalistのBrenda Paytonを表看板にしたBrenda & the Tabulationsが結成されたのは66年。男女混成のグループで、Brendaがリードを取り、他のメンバーがChorusという形態は、Gladys Knight & The Pipsを思い浮かべてしまう。Atlanta出身のファミリー・グループだったGladys Knight & The Pipsと違って、彼らはフロントのBrenda以外のメンバーは流動的で、全編に渡ってChorusが目立ってくることは少ない。Brendaは曲も書くので、控え目な男性Chorusといい、他のメンバーの立つ瀬はないような気がする。結局、名前だけをそのままに、メインのBrendaのソロ状態で70年代後期まで活動していたようである。元々は保育園で働いていて、子供達に歌を歌って聞かせていたというBrandaの素人っぽいVocalが、けっこう魅力的である。垢抜けないながらも憂いを秘めた歌声は、控え目に黙々とバック・コーラスで支えるメンバーのサポートを受けて、輝き出す。Brendaとともに保育園で歌を聞かせていたメンバーのMaurice Coates他、男性メンバーが全員脱退後は、女性Chorusを加えている。本盤が面白いところは、Philadelphiaのグループでありながら、サウンドにPhilly Soulらしさを感じさせるところが殆んどないところ。MotownのナンバーのCOVERも含まれていることもあるかもしれない。その後、77年に突如Chocolate Cityからリリースされた『I Keep Coming Back For More』はNorman HarrisのProduce。MFSBがバックで、Philly Soulの躍動的なビートにのってBrendaのVocalは、艶っぽくなっている。

  『Dry Your Eyes』はBrenda & the Tabulations67年にリリースされたデビュー・アルバム。デビュー・ヒット“Dry Your Eyes”をはじめ、BrendaとMaurice Coatesが手掛けた楽曲とCOVERが混在している。
Burt Bacharachの“Walk On By”やBrian Wilsonの“God Only Knows”にGeorge Gershwinの“Summertime”といったCOVERは、キッチリと歌いこむBrendaが微笑ましい。
Big Maybelleの名唱で知られる“Oh Lord What Are You Doing To Me”は夢見るBallad仕立て。
Motown系ではSmokey Robinsonの“Who's Loving You?”やThe Supremesの“Where Did Our Love Go”とThe Marvellettesの“Forever”といった可もなく不可もなくCOVER。
珍しく男性Chorusも聞こえてくるBalladの“Stay Together Young Lovers”は彼らの持ち味が出ている。
しかし、特筆すべきは、BrendaとMauriceがSongwritingに名を連ねたナンバーの出来が良いこと。
デビュー・ヒットに似たBalladの“Just Once In A Lifetime”も悪くないが、アップのナンバーが素晴らしい。
アルバムで一番好きな“Hey Boy”はオルガンCuteなBrendaのVocalが最高。
Rap調のBrendaのVocalも披露される(世界初のRapのレコーディング?)“The Wash”も文句なし。

◎アルバム未収録ながら、Chorus、StringsもHornもバッチリのPhilly Soulナンバー。この曲もBrendaがSongwritingに参加している。とにかく最高っす。

That's in the Past/Brenda & the Tabulations

(Hit-C Fiore)