すいません、ギャラはユーロでお願いします。
アメリカ猿の前でプレスリーの物真似をして冷笑されたポチ達のおかげで、
このドル暴落かという時期にアメリカ国債やドルをたんまり買わされたパシリ
扱いの国は大変な危機を迎えようとしている。
金融機関にまでサブプライムの時限爆弾は巧妙に埋め込まれてしまって
いたのに、ポチ達は、「自己責任」と、いつものように他人事なのだろう。
ByrdsやCS&YにおけるDavid Crosbyの立ち位置というのは、一体
どんなものなのだろうか?
自分は最初に彼の写真を見た時に感じた、人の良さそうなヒッピー風な彼
の風貌からは、YoungやStillsの持つ強烈なカリスマ性やエゴとは無縁の
ような印象を受けた。
しかし、その音楽性は実に個性的であった。
変則チューニングのギターを弾きながら、個性的なコーラス・ワークで存在感
を示し、とても一般ウケしないような風変わりな曲を書く男。
Miles Davisがカヴァーした“Guinnevere”を引き合いに出すまでもなくCrosby
の書く曲は音楽を演奏する者にとっては不思議な魅力を持っている。
いずれにしても自分はDavid Crosbyの1stソロ・アルバムが好きなのだ。
ひょっとしたらCSN&Y関係のアルバムで一番聴きこんでいる作品かも。
アルバム全体が、druggyな香りに包まれて、重苦しいムードを持っているの
にもかかわらず、不思議と聴き終わった後に静謐で清々しい気持ちになって
しまう。
そして、その神秘的で極めて内省的な音楽にまた触れたくなって何回も聴き
返してしまうのである。
Crosbyの作る音楽の特徴では変則チューニングを駆使した響き、Jazzの影響
を受けた独特のハーモニー感覚、Scatといった部分が自分の気に入っている
ところ。
このアルバムでは、そういった個性あるソングライティングが、素晴らしい彼の
音楽仲間達のサポートで実に魅力的に聴こえてくる。
Jerry GarciaやPhil Lesh、Jorma Koaukonenといったお気に入りの連中が
参加している。
個人的にはJoni MitchellとLaura Allan!が参加しているのが嬉しい。
Crosbyが語っているように彼らの協力なしにはアルバムは完成しなかったろう。
『If I Could Only Remember My Name』は71年に発表された。
Crosby自らプロデュースを手がけたこの作品は69年に交通事故で命を
失った彼の恋人に捧げられている。
6弦をDにドロップしたCrosby得意の変則チューニングのアコギで始まる
『Music Is Love』はNashとYoungも参加して、くつろいだ雰囲気でラフな
セッション風なのが良い。
“Cowboy Movie”ではJerry Garciaのサイケなギターが重く陰鬱な雰囲気
をかもし出す大作。
“Tampalpais High(At About 3)”は、Scatを効果的に使った幻想的な
ナンバー。
水の中を自由に泳ぐようなリズム・セクションが素晴らしく個人的にアルバム
で一番好きな作品。
“Laughing”はCSN&Yでも披露されている曲でJoni Mitchellのコーラスが
良い。
“Traction In The Rain”ではLaura AllanのZither(Autoharp?)
の静謐な調べとNashも参加した清々しいコーラスが印象的で大好きな曲。
“Song With No Words”ではScatがメインの曲。
Nashのハーモニーも抜群。
Hit-C Fiore