Attack | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

AttackMODなナンバー“We Dont Know”を聴くと気分爽快になる。

エッジのきいたギターのカッティングに、力強くランニングするベースとタイトなドラム

が実に小気味よく、オルガンの響きもいい感じだ。

この曲と歪ませたギターのリフがカッコイイ “Anymore Than I Do”はAttack

Mid Sixtiesの空気を孕んだMOD指数の高い2曲でかなり気に入っている。

どちらの曲もシングルのB曲だが彼らの自作曲で、他人の書いたA面の曲より

ずっと好きである。

ちなみにA面は“Try It”と“Hi Ho Silver Running”で後者の曲は、Jeff Beck

シングルで発表して、Attackよりもヒットさせている。

Attackが最もMODな魅力に満ちていたのは、これらの曲が書かれた、ギタリスト

Davy Olistが在籍していた時代だろう。

Olistはシングル2枚を残しただけで、Attackを脱退してしまうがBlues Breakers

から加入を誘われたほどの才能の持ち主だ。

その後のThe Nice時代にもPink FloyedSyd Barretの後任として加入する

可能性もあったらしいし、実際にFloyedと幾つかのGigを共にしている。

Olist Attackを脱退してP.P.Arnoldのサポート・バンドを経て、The Niceを立ち

上げたのだが、当初はKeith Emersonとともにバンドの中心にいたのだろう。

アルバム1枚で脱退してしまったけれど、The Nice1stで聴けるOlistサイケ

でアグレッシヴなギターは自分の好みど真ん中である。

ジミヘンに影響を受けたらしいが、ルーツであるBluesに、いかにも英国的なひねり

を加わえたギタースタイルはカッコイイ。

上記のAttack2曲でOlistは作曲者としてクレジットされているが、コンポーザー

やアレンジャーとしても才能がある人だ。

 さてAttackには、もう一人、才能のあるギタリストが在籍していた。

後にAndromedaAtmic RoosterHard Stuffで活躍するJohn  Du Cann

この人が作るリフが、かなりカッコイイ。

そして独特のサイケデリックな彩りを持った曲を書く人である。

FreakbeatとしてAttackが再評価されているのは彼のリフメイカー、コンポーザー、

ギタリストとしての才能によるところが大きい。

Magic In the Air”はミニ・スカート、ロングヘア、フリーキーなファション、クラブの

喧騒といった当時の空気感がリフとメロディーとともに浮かび上がってくる曲。

Carnaby Streetを、Kinkyな格好をして、突っ走っていくような疾走感にあふれた曲

Freedom For You”。

サイレンを模したようなリフが印象的な“Feel Like Flying”。

Go Your Way”はBoleroっぽいリズムに重たいリフをのせた曲で最近のバンドが

やっていてもおかしくない独特の雰囲気を持っている。

以上の曲はすべてJohn Du Cannの手によるものだ。

Johnもまた、ルーツにはBluesがあるが、ありふれたクリシェを避けてHeavyなリフ

Psychedelicなサウンドで個性を追求していくBriishなスタイルを持っている。

これらの曲は元々、当時未発表に終わったAttackのアルバム向けに作られた曲で

Attackの未発表曲を含む復刻CDで聴く事ができる。


Hit-C Fiore