Spike Leeの『Malcom X』に使われたArrested Developmentの“Revolution”
にサンプリングされていたのは“Evolution”という曲。
8人編成のFunkバンドMagnumの唯一のアルバム『Fully Loaded』のオープニング
を飾る曲。
心地よいCongaの音で始まる晴れた休日の午後にでも聴きたくなるFunkナンバー。
重心の低いリズムとロッキンでルーズなギターに、切れの良いHornセクションが、
彩りをそえる。
なんといってもAfro-Latinな高揚感を高めていくCongaの響きが良い。
Congaに歪んだFunkyなギターといえばHarvey Mandelの68年の1stを思い出す。
少しPsychな音が入ったRawな感じのこういう音が大好きである。
Magnumの場合は、これにJBライクなHorn隊が絡んで独特の雰囲気を醸し出す。
コーラス隊もいい感じだし、RhodesやHammondの使い方もクールだ。
SlyやFunkadelicにJazzのエッセンスを加え、MandelやSantanaのスパイスが少々
入っている、実に70年代中期ならではの音で気に入っている。
これ以外にも結構、良い曲が多くて、アルバム1枚で消えてしまったのは勿体ない
バンドである。
コテコテの黒光りするFunkでないけれど、何気に多いギター・ソロとか、仄かに漂う
B級感が、また素晴らしい。
『Fully Loaded』は74年に発表された。
この時代に多かった様々なジャンルの音をミックスさせてバンドのメンバーがジャム
りながら気ままに作り上げた黒人音楽で、ワンコード一発のFunkとはまた違った味
があって好きな音だ。
どこか倦怠感のある、HappyなんだけどDruggyでLaid Backした感じが、時代を感
じさせるサウンド。
“Your Mind”はSweet Soul風な心地よいコーラスで始まり、Slyを思わせるクールな
Funkへの展開が面白い。
“Natural Juices”はP-Funkの香りが妖しいFunkyなナンバー。
“It’s the Music That Makes Us Do It”はドラムブレイクがRawな感じでHappy
な感じが出た比較的ストレートでイナタいFunk。
“Witch Doctor’s Brew”は揺らめくRhodesが、ゆったりと波間を漂うような心地よい
浮遊感を与えてくれる正にMellow Groove。
“Funky Junky”は腰を動かすAfro-LatinなBeatでGhettoの裏通りに連れ出されて
夜通し踊りまくってしまいそうなDance Tune。
最後をシメルのはやはりLainノリのインストナンバー“Composition Seven”。
Hit-C Fiore