Pistolsのアルバム『Never Mind The Bollocks』で一番好きな曲は
“Anarchy In The UK”だ。
なぜならオリジナル・メンバーのGlen Matlockがベースを弾いているから。
Rickenbacker4000でドライブするベースラインを弾いているGlenのプレイを
聴けるのが最高であるし、勿論、曲も最高だ。
Glenのベースが聴けるのは『Never Mind The Bollocks』ではこの曲だけ。
まあ、このアルバムほどPunkを感じさせる作品はないし全曲好きなのだが。
何しろ曲も歌詞も最高としか言いようが無いしJohnnyのVoがカッコイイ。
このアルバムでSid Viciousは1曲しかベースを弾いていないかもしれない
なんて事はどうでもいいのである。(Steveが殆んどの曲でベースを弾いてる)
そして、これらの曲は殆んどGlenの手によるものである事が大切なのだ。
さらに楽曲自体の魅力も素晴らしい事。
確かに権力者、金持ちたちのEstablishmentを馬鹿にして地に下ろした彼ら
の姿勢は最高にCoolだけれど肝心の音楽自体の魅力も最高なんだから。
『Spunk』は77年に録音されたデモ音源でオリジナル・メンバーのGlenが
参加した貴重な音源だ。
Pistolsのもう一つのデビュー・アルバムともいえる作品。
『Never Mind The Bollocks』は、同じパターンのギターを何回もダビング
するなど分厚い音の壁を作った圧倒的な音圧のある迫力のある音。
それに比べればサウンド自体は比べ物にならない。
しかし荒々しく瑞々しいプレイとBritishなセンスが出ている(勿論Glenの)
“I Wanna Be Me”のような曲が入っているのがいい。
元々Small FacesやR&Bが好きなGlenの英国人らしいソング・ライティング
能力やベース・プレイは自分の琴線に触れないわけがない。
後にGlenが書いた自伝を読んだりすると、本当幅広く音楽を聴いている事
がわかって面白かった。
Canのダモ鈴木を聴いているJohnny Rottenも相当だけどGlenもスゴイ。
GlenやJohhyがPeter HammilのVDGGを聴いていたという話も素晴らしい。
そして何より黒人音楽を聴いていたからGlenのプレイはGroovyなんだと
わかった。
Pistols脱退後に結成したRich Kidsは大好きなバンドだったが(このバンドは
Glenの書いた曲もカッコイイベースラインも最高)アルバム1枚で解散した。
Glenだったら、もっとスゴイ事ができる実力があると思うのである。
Hit-C Fiore