Bulgariaの音楽との衝撃的な出会いはRimona Francisだった。
MPSから77年に出された、この女性Voclistの作品は美しい衝撃だった。
AreaがBulgariaの音楽に強く影響を受けたのは知っていたけれども、正直
Rimonaの変拍子炸裂のスキャットを聴かされた時は本当に驚いたし鳥肌が
立った、カッコよくて。
5拍子や7拍子、9、11という奇数拍子を用いるのがブルガリアの民族音楽
の特徴だが、ヨーロッパとイスラムの文化が交錯する、このバルカン半島の
国の音楽の魅力に夢中になってしまった。
そして、そのエキゾチックな音楽がLatinやJazzのリズムと、異種交配して
生み出される躍動的なGrooveは、大自然の真ん中で次々に仕掛けが飛び
出すジェットコースターに乗っているようにスリリングで気持ちよいものだ。
この国の中で世界的にも、ある程度知られていているのがJazz Focus65。
Jazz Focus65というグループは、Simeon ShterevとMilcho Levievという
二人の天才をを生んだ素晴らしいグループだ。
Milchoはアメリカに渡り、Don EllisやBilly Cobhamのグループに参加し
たり、Charlie Hadenとのduoでも、その優れた才能を見せつけている。
個人的にはCobhamの『Shabaz』で初めて彼のエレピを聴いて、そのセンス
の良さにヤラレてしまった。
しかし、この人の本当の凄さはインプロだが、時々弾きながら思わず歌ったり
してしまうのだが(そういう人はいるにはいるが大体、聴くのは苦手だ。)、その
歌声までも楽理的に計算してるのではないかと思うほど様になっている。
『Variety Orchestra Of Bulugarian Radio And Television』はBulgaria
の国営レーベルから出された17人編成のBig Bandのアルバム。
Milcho Levievがコンダクターで、繰り出される大迫力のサウンドは、当然だが
アレンジが素晴らしいので大音量で聴いていると低音がビンビン響いて最高。
“Soul Bossa Nova”,“Happy Face”といったQuincy Jonesのカバーが2曲も
あるのが面白い。
緩急つけた管楽器のアンサンブルも見事。
Hit-C Fiore